里村専精先生の「浄土真宗にようこそ」No42をお届けします。
「二」という数字が七祖にはついて回ります。
龍樹には難易二道でしたが、世親(4~5世紀)菩薩の場合は入出二門です。
ここから知られるのですが、どうも七祖の「二」という数字は無量寿経から導かれたもののようです。
つまり無量寿経との出遇い以後、七祖のそれぞれは改めて仏道全般をを見直されているのです。
世親菩薩の場合は、それまでの唯識法相の論師の世親とはずいぶん違っています。
回向という言葉は、インドではパリナーマと言うのですが…。
唯識で言うパリナーマ(=転)と、無量寿経に言われている回向とでは完全に違います。
人が違っていると言われてもよいほど、浄土論の世親は画期的です。
世尊我一心・帰命尽十方・無碍光如来という言葉は、一転して念仏往生の人の言葉です。
世親菩薩は阿彌陀仏のサンガに帰入されて、大きな仏教に相応するのだと言われています。
そのキーになっている言葉が回向なのですが、この回向において二門をたてておられるのです。
入の門を生きて、出の回向の利益を得る。
ここに阿彌陀仏の本願荘厳の世界への往生が語られています。
一人の新しいサンガとして、世親菩薩は阿彌陀仏の世界を語られています。
1.礼拝・2.讃嘆・3.作願・4.観察の入は、正しく阿彌陀仏のサンガを尋ねるものです。
そして阿彌陀仏の本願によって、5.回向される世界を生きるのです。
回向は、本願の回向ですから、それは他力回向の世界です。
世親菩薩は、如来本願が開く世界に新しく生かされているのです。
それは共に生きるということですから…、
「一切衆生を摂取して共に同じくかの安楽仏国に生まれんと作願する」と書かれています。
本願に相応して、一切衆生とともに大いなるサンガを共に生きる。
それが無量寿経の大きなサンガ世界です。
世親菩薩は、無量寿経を学ばれてから、このような転身をされているのではないでしょうか。
別人かと思われるほどの展開が、ここにはあります。
広く大乗の菩薩たちにも、このような展開があったのではないでしょうか。
7月の「声明とカウンセリングコース」のご案内
日 時 : 7月 25(土) 午前10時~12時
*9時~10時 自主学習の時間です。
お時間のある方はお出かけください。
場 所 : タワーホール船堀 (部屋は入口の掲示板をご覧ください)
《学習の流れ》
・『嘆仏偈』読誦
・【教行信証・総序】音読
・『歎異抄』の音読
・楽 談(エンカウンターグループ)
・声明レッスン
*『正信偈』 読誦
*三帖和讃 読誦
この学習会の特色
①大きな発声は、身と心を啓きます。
②ご参加の皆さんの、(楽しい交流タイム)があります。
◎その他
①会費 500円
②テキスト・資料等は、事務局で用意しています。
*『歎異抄』お持ちの方はご用意ください。
③《くりのみ会》は、特定の団体・宗教・宗派とは関係ありません。
どなたでも参加できます。