越後旅行。昼は十日町の小嶋屋総本店で蕎麦を食べた話は昨日書いた。その後、清津峡へ寄って、トンネルを歩く。日本三大峡谷というらしいけど、土砂崩れのあと、10数年前にトンネルができ、途中に4つ見る場所が開いている。紅葉の季節かなと思ったけど、今年はどこも遅れているらしくほとんど紅葉してなかった。清津峡には秘湯の会にも入っている清津峡温泉の清津館があるが、他にも「よーへり」という掛け流しの立ち寄り湯があった。軽く浸かる。
そのあとは、宿をめざし早めにチェックイン。「雪国の宿 高半」というところ。入るとエスカレーターで、上に上がるという珍しい宿。ここは湯沢温泉の湯元で、800年も昔、通りかかった高橋半六翁が武蔵の国に向かう途中病にかかり、薬を探しに山に入ったら見つけたという。湯沢温泉の一番高台の、ガーラ湯沢に近い方。見晴抜群で温泉街も新幹線も遠くの山々もよく見える。そして、そこに戦前、川端康成が逗留し、「雪国」を書いた。当時の部屋が残され、資料館として開放されている。1957年に作られた東宝映画「雪国」(豊田四郎監督、岸恵子、池部良主演)でもオールロケされ、当時の宿が出てくる。館内ではこの映画が16時からと、20時半からと2回、上映されているという宿である。写真は、その「かすみの間」。中に入れる。
そういう由緒ある宿なんだけど、それよりお湯が素晴らしい。アルカリ性の肌がスベスベする美肌の湯。源泉で43度、浴槽ではそれが少し下がるので、人肌にやさしい。奇跡的な湯。こういう温度の温泉は他にもあるけれど、湧出量が多く、アルカリ性の「美人の湯」というのは珍しい。男湯は浴槽二つとサウナ、水ぶろ。女湯に半露天があるが、男湯にはない。男湯の一つはジャグジーだったんだけど、ジャグジーに塩素殺菌が義務付けられたのをきっかけに、止めてしまったとある。その代り、お湯の量を調節して「超ぬる湯」にしている。どちらも泉質が良いので、いつまででも入っていられるような風呂である。
最近はネットや電話で秘湯や公共の宿に泊まることが多くなった。今回は大手の会社で使える助成金のようなものがあったので、久しぶりに大きな旅館に泊まった。越後湯沢というところはスキーが中心で、夏のアウトドアや川端康成で来る人も多いけど、温泉そのものはあまり意識されてないと思う。僕はこれほどの湯はめったにないと思った。館内は大きいが、金額はそれほどではない。夕食もコシヒカリの新米で、美味しい。地酒もうまい。しかし、朝食はもう少し工夫の余地はあると思うし(おかずバイキングだけど、和風のおかずだけでなくサラダバーは欲しい)、多少古い感じもある。でも、きれいな風呂と「雪国」の施設で十分、大満足。ここしばらく、身体が温泉を求めている感じだったんだけど、だいぶほぐれた感じ。ところで「雪国」という小説も、名前と冒頭のみ有名で、ちゃんと読んだ人が少ないかもしれない。今になるとすごく変な話だけど、言語表現として素晴らしい達成であるのは間違いない。傑作です。ノーベル賞を受けた中国の莫言に大きな影響を与えた。「雪国」に犬が出てくる、それにインスパイアされて「白い犬とブランコ」という小説を書いたというんだけど…。ええっ、犬なんか出て来たか?と日本では皆思った。確かに一行ほど出てくるらしい。(読み直してない。)映画にもちゃんと出て来る。
翌日も晴れて素晴らしい天気。近くのロープウェイで、「アルプの里」に行く。ロープウェイはあちこちにあるが、ここも紅葉が遅い。遠くの山が一望。越後三山から谷川岳まで絶景。写真は日本百名山の巻機山(まきはたやま)。奥の平の方。手前のピラミッド型の山は飯士山(いいじさん)。午後は大源太キャニオン(だいげんた)へ足を延ばす。東京ではほとんど知られてないが、湯沢の辺りではキャンプなどで有名らしい。ダム湖から見えるとんがった山が「日本のマッターホルン」(言い過ぎでしょう)の大源太山。
2日目の昼は、越後湯沢駅の駅ビルで食べた。いや、ここは素晴らしい。オシャレなお店や土産物屋が立ち並ぶ。新潟駅よりいいかも。「魚沼イタリアン ムランゴッツォカフェ」で食べたピザはここしばらくの中では一番おいしい。カフェ「MESSIA GARE」(メシアガレ)というカフェでは、「コメシュー」180円など、安い値段で美味しいスイーツを。新潟は米良し、酒良し、野菜良し、魚良しの土地なんだけど、恵まれすぎのためか、今ひとつデザインや発信力が弱かったと思う。でも、その場に行くと、温泉やスキーだけでない魅力がいっぱい生まれつつある。越後湯沢駅はわざわざ立ち寄ってみる価値がある。4時間まで駐車無料。
そのあとは、宿をめざし早めにチェックイン。「雪国の宿 高半」というところ。入るとエスカレーターで、上に上がるという珍しい宿。ここは湯沢温泉の湯元で、800年も昔、通りかかった高橋半六翁が武蔵の国に向かう途中病にかかり、薬を探しに山に入ったら見つけたという。湯沢温泉の一番高台の、ガーラ湯沢に近い方。見晴抜群で温泉街も新幹線も遠くの山々もよく見える。そして、そこに戦前、川端康成が逗留し、「雪国」を書いた。当時の部屋が残され、資料館として開放されている。1957年に作られた東宝映画「雪国」(豊田四郎監督、岸恵子、池部良主演)でもオールロケされ、当時の宿が出てくる。館内ではこの映画が16時からと、20時半からと2回、上映されているという宿である。写真は、その「かすみの間」。中に入れる。
そういう由緒ある宿なんだけど、それよりお湯が素晴らしい。アルカリ性の肌がスベスベする美肌の湯。源泉で43度、浴槽ではそれが少し下がるので、人肌にやさしい。奇跡的な湯。こういう温度の温泉は他にもあるけれど、湧出量が多く、アルカリ性の「美人の湯」というのは珍しい。男湯は浴槽二つとサウナ、水ぶろ。女湯に半露天があるが、男湯にはない。男湯の一つはジャグジーだったんだけど、ジャグジーに塩素殺菌が義務付けられたのをきっかけに、止めてしまったとある。その代り、お湯の量を調節して「超ぬる湯」にしている。どちらも泉質が良いので、いつまででも入っていられるような風呂である。
最近はネットや電話で秘湯や公共の宿に泊まることが多くなった。今回は大手の会社で使える助成金のようなものがあったので、久しぶりに大きな旅館に泊まった。越後湯沢というところはスキーが中心で、夏のアウトドアや川端康成で来る人も多いけど、温泉そのものはあまり意識されてないと思う。僕はこれほどの湯はめったにないと思った。館内は大きいが、金額はそれほどではない。夕食もコシヒカリの新米で、美味しい。地酒もうまい。しかし、朝食はもう少し工夫の余地はあると思うし(おかずバイキングだけど、和風のおかずだけでなくサラダバーは欲しい)、多少古い感じもある。でも、きれいな風呂と「雪国」の施設で十分、大満足。ここしばらく、身体が温泉を求めている感じだったんだけど、だいぶほぐれた感じ。ところで「雪国」という小説も、名前と冒頭のみ有名で、ちゃんと読んだ人が少ないかもしれない。今になるとすごく変な話だけど、言語表現として素晴らしい達成であるのは間違いない。傑作です。ノーベル賞を受けた中国の莫言に大きな影響を与えた。「雪国」に犬が出てくる、それにインスパイアされて「白い犬とブランコ」という小説を書いたというんだけど…。ええっ、犬なんか出て来たか?と日本では皆思った。確かに一行ほど出てくるらしい。(読み直してない。)映画にもちゃんと出て来る。
翌日も晴れて素晴らしい天気。近くのロープウェイで、「アルプの里」に行く。ロープウェイはあちこちにあるが、ここも紅葉が遅い。遠くの山が一望。越後三山から谷川岳まで絶景。写真は日本百名山の巻機山(まきはたやま)。奥の平の方。手前のピラミッド型の山は飯士山(いいじさん)。午後は大源太キャニオン(だいげんた)へ足を延ばす。東京ではほとんど知られてないが、湯沢の辺りではキャンプなどで有名らしい。ダム湖から見えるとんがった山が「日本のマッターホルン」(言い過ぎでしょう)の大源太山。
2日目の昼は、越後湯沢駅の駅ビルで食べた。いや、ここは素晴らしい。オシャレなお店や土産物屋が立ち並ぶ。新潟駅よりいいかも。「魚沼イタリアン ムランゴッツォカフェ」で食べたピザはここしばらくの中では一番おいしい。カフェ「MESSIA GARE」(メシアガレ)というカフェでは、「コメシュー」180円など、安い値段で美味しいスイーツを。新潟は米良し、酒良し、野菜良し、魚良しの土地なんだけど、恵まれすぎのためか、今ひとつデザインや発信力が弱かったと思う。でも、その場に行くと、温泉やスキーだけでない魅力がいっぱい生まれつつある。越後湯沢駅はわざわざ立ち寄ってみる価値がある。4時間まで駐車無料。