今の選挙制度では、衆参ともに政党名を書く比例区がある。(参院は個人名も書けるが、それも含め。)そこでここ何回かの選挙で得た得票数を見ておきたい。比例は得票数そのものではなく、得票率で議席を配分するわけだが、選挙運動としては一票でも多くの票を獲得したいと考えるわけである。その結果としての比例区の得票数にこそ政党の力が現われる。(選挙区の方では、個人的な人気票が重要な場合がある。)
参院選は、98年、01年、04年、07年、10年、13年とあった。その間、衆院選は、00年、03年、05年、09年、12年である。(衆院はカッコに入れる。)
98年から見るのは、95年の参院選、96年の衆院選は、「新進党」という今は忘れられた不思議な政党をめぐって行われたからである。新進党が解体し、現在の民主党が事実上発足し、初めて選挙に臨んだのが98年と言える。その選挙では、自民党が大敗し、参院で「ねじれ」が起こった。そこで当時の小渕首相は自由党(小沢一郎の党)を連立に引き込み、続いて公明党と連立を組んだ。従って、2000年の総選挙から、自民党と公明党は選挙協力をしている。01年に小泉内閣が出来て、01年参院選は自民が圧勝。続いて、2002年に民主党と自由党が合併した。
以下、98参→(00衆)→01参→(03衆)→04参→(05衆)→06参→(09衆)→10参→(12衆)→13参、である。
①自民党
1412→(1694)→2111→(2066)→1680→(2589)→1654→(1881)→1407→(1662)→1846
自民はかつて小泉時代に2000万票以上を集めていたのである。それが3年前の参院選では1400万票にまで落ち込んだ。つまり、敗北した07年ではなく、勝利したはずの10年が最低なのである。それは98年と同じ水準。昨年の衆院選でだいぶ回復したが、今回投票率が下がった中で、さらに200万票を上積みした。しかし、それは小泉時代には遠く及ばない。他党に比べ圧倒的に強かったとはいえ、けっして盤石ではない。経済の好調が続く間は支持されるだろうが、その他の課題が支持されたわけではない。
②民主党98年から01年は、民主+自由で計算。
1740→(2165)→1321→(2200)→2113→(2104)→2325→(2984)→1845→(962)→713
04年、07年の参院選で2000万票を超え、ぼろ負けした印象の05年総選挙でも2100万を集めていた。09年総選挙では3000万に迫り、10年参院選は2000万を割ったが第一党だった。それでも第2党なのだが、ついに700万票ほどに落ち込んだ。もはや回復のきっかけさえつかめない。
③公明党
775→(776)→818→(873)→862→(899)→776→(805)→764→(711)→757
あれれ、前回は6人、今回は7人が比例で当選したが、得票は減っているではないか。かつては国政選挙で800万票を集め、900万が壁かと思われたが、今では700万票台しか集票できない。しかし、昨年の衆院選より50万票上積みできたのは、与党の恩恵というか、自民へのけん制期待票かもしれない。
④共産党
820→(670)→432→(458)→436→(492)→440→(494)→356→(369)→515
共産党は98年には800万票を超えていた。その時は比例区8人、選挙区7人で合計15人も当選したのである。その後漸減を続け、近年は300万票台だった。これは反自民票が民主に集まっていたからだろう。今回21世紀になって初めて500万票を超えた。今後どうなるかは、非常に注目。
⑤社民党
437→(560)→362→(303)→299→(372)→264→(300)→224→(142)→126
社民党こそ、減り続けている。ちょっと前までは、小なりといえども大体300万票は取っていた。昨年の衆院選から100万票台に落ちた。回復の兆しは見えない。衆院で知名度のある政治家が沖縄の照屋寛徳しかいなくなった。これでは沖縄以外で票が出ないのも当然だろう。
ずっとあるから継続観察が可能なのは以上の5党である。その間、国民新党などもあったが、解党してしまって、「全特」(特定郵便局長会、もう特定郵便局というものはないけど)の組織内候補は今や自民の比例候補のトップで当選である。一体郵政民営化騒動と言うのは何だったのか。それはともかく、近年に出来た2つの党は見ておかないといけない。
⑥みんなの党(09衆)→10参→(12衆)→13参
(300)→794→(524)→476
みんなの党は好調続きのように思っている人もいるだろうが、票を見れば判る通り、10年参院選が最高で票が減っているのである。一定の固定客は付いてるようだが、維新ができ、自民が好調なら票は取られるということなのだろう。特に維新がある以上、近畿で得票できないのが大きい。
⑦日本維新の会(12衆)→13参
(1226)→636
維新は昨年の衆院選の票を半減させた。それを強調してみるか、それでも近畿を中心に票を集め、自民、民主、公明に次ぐ第4党に踏みとどまったと評価するか。ここは難しい所だが、好き嫌いは別にして、共産党やみんなの党より多数の支持があるという現実はあるのである。
ちょっと今回もデータの紹介で終わらざるを得ないが、こうして時系列でみ見ればいろいろ判る。それを他のところでやってくれないのだが、こういうのは選挙マニアには苦にならない。こういう細かなデータにこそ政党の力が現われるということが判ると思う。
参院選は、98年、01年、04年、07年、10年、13年とあった。その間、衆院選は、00年、03年、05年、09年、12年である。(衆院はカッコに入れる。)
98年から見るのは、95年の参院選、96年の衆院選は、「新進党」という今は忘れられた不思議な政党をめぐって行われたからである。新進党が解体し、現在の民主党が事実上発足し、初めて選挙に臨んだのが98年と言える。その選挙では、自民党が大敗し、参院で「ねじれ」が起こった。そこで当時の小渕首相は自由党(小沢一郎の党)を連立に引き込み、続いて公明党と連立を組んだ。従って、2000年の総選挙から、自民党と公明党は選挙協力をしている。01年に小泉内閣が出来て、01年参院選は自民が圧勝。続いて、2002年に民主党と自由党が合併した。
以下、98参→(00衆)→01参→(03衆)→04参→(05衆)→06参→(09衆)→10参→(12衆)→13参、である。
①自民党
1412→(1694)→2111→(2066)→1680→(2589)→1654→(1881)→1407→(1662)→1846
自民はかつて小泉時代に2000万票以上を集めていたのである。それが3年前の参院選では1400万票にまで落ち込んだ。つまり、敗北した07年ではなく、勝利したはずの10年が最低なのである。それは98年と同じ水準。昨年の衆院選でだいぶ回復したが、今回投票率が下がった中で、さらに200万票を上積みした。しかし、それは小泉時代には遠く及ばない。他党に比べ圧倒的に強かったとはいえ、けっして盤石ではない。経済の好調が続く間は支持されるだろうが、その他の課題が支持されたわけではない。
②民主党98年から01年は、民主+自由で計算。
1740→(2165)→1321→(2200)→2113→(2104)→2325→(2984)→1845→(962)→713
04年、07年の参院選で2000万票を超え、ぼろ負けした印象の05年総選挙でも2100万を集めていた。09年総選挙では3000万に迫り、10年参院選は2000万を割ったが第一党だった。それでも第2党なのだが、ついに700万票ほどに落ち込んだ。もはや回復のきっかけさえつかめない。
③公明党
775→(776)→818→(873)→862→(899)→776→(805)→764→(711)→757
あれれ、前回は6人、今回は7人が比例で当選したが、得票は減っているではないか。かつては国政選挙で800万票を集め、900万が壁かと思われたが、今では700万票台しか集票できない。しかし、昨年の衆院選より50万票上積みできたのは、与党の恩恵というか、自民へのけん制期待票かもしれない。
④共産党
820→(670)→432→(458)→436→(492)→440→(494)→356→(369)→515
共産党は98年には800万票を超えていた。その時は比例区8人、選挙区7人で合計15人も当選したのである。その後漸減を続け、近年は300万票台だった。これは反自民票が民主に集まっていたからだろう。今回21世紀になって初めて500万票を超えた。今後どうなるかは、非常に注目。
⑤社民党
437→(560)→362→(303)→299→(372)→264→(300)→224→(142)→126
社民党こそ、減り続けている。ちょっと前までは、小なりといえども大体300万票は取っていた。昨年の衆院選から100万票台に落ちた。回復の兆しは見えない。衆院で知名度のある政治家が沖縄の照屋寛徳しかいなくなった。これでは沖縄以外で票が出ないのも当然だろう。
ずっとあるから継続観察が可能なのは以上の5党である。その間、国民新党などもあったが、解党してしまって、「全特」(特定郵便局長会、もう特定郵便局というものはないけど)の組織内候補は今や自民の比例候補のトップで当選である。一体郵政民営化騒動と言うのは何だったのか。それはともかく、近年に出来た2つの党は見ておかないといけない。
⑥みんなの党(09衆)→10参→(12衆)→13参
(300)→794→(524)→476
みんなの党は好調続きのように思っている人もいるだろうが、票を見れば判る通り、10年参院選が最高で票が減っているのである。一定の固定客は付いてるようだが、維新ができ、自民が好調なら票は取られるということなのだろう。特に維新がある以上、近畿で得票できないのが大きい。
⑦日本維新の会(12衆)→13参
(1226)→636
維新は昨年の衆院選の票を半減させた。それを強調してみるか、それでも近畿を中心に票を集め、自民、民主、公明に次ぐ第4党に踏みとどまったと評価するか。ここは難しい所だが、好き嫌いは別にして、共産党やみんなの党より多数の支持があるという現実はあるのである。
ちょっと今回もデータの紹介で終わらざるを得ないが、こうして時系列でみ見ればいろいろ判る。それを他のところでやってくれないのだが、こういうのは選挙マニアには苦にならない。こういう細かなデータにこそ政党の力が現われるということが判ると思う。