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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

どこまでもつづく‥

2010-08-06 16:25:10 | 思い出の絵本
がたん ごとん 
がたん ごとん

のせてくださーい


最初に乗るのは哺乳瓶。


がたん ごとん
がたん ごとん

のせてくださーい


赤いカップとスプーンが続きます。


がたんごとんと走っていくのは、凛々しい眉の、黒い機関車。その後も
りんごとバナナを乗せ、ねことねずみを乗せて、子どもが待つ食卓へ走ります。


 安西水丸 作

あかちゃん絵本としてとっても人気があるこの絵本。
私も、小さかった娘のためと、水丸ファンの自分のために(笑)、12年前くらいに
買いました。

初めて読んで聞かせたのは、新幹線の中だったと記憶しています。
四日市からの帰りで、名古屋から乗った新幹線はとても空いていたのですが、
なぜか、私たちの席と、その前だけは「混んでいて」、rは座席に立ちあがって
前をのぞきこんだり、シートを叩いたり‥
気を紛らわせるために、四日市の書店で見つけた(残念ながらこのときはまだ
メリーゴーランドを知りませんでした)この絵本をバッグから取り出して、読んだのでした。

それから、がたん、ごとん、がたん、ごとん と何回いや何十回(何百回?)
この機関車を走らせたでしょうー。

貨物は3つしか連結していないので、最初に哺乳瓶が乗り、次にカップたち、
リンゴたちで、もういっぱいになり、ねことねずみが乗るところはないのです。

ページがそこへ行くたびに、rは、ねこさんとねずみさんはどこに乗るの?
と訊き、次ページで、ちゃんと乗れたことがわかると「乗れたね」と笑顔を見せたものでした。
(懐かしい思い出です)



がたん、ごとん、がたん、ごとん‥

機関車は、今どのあたりを進んでいるのでしょう‥


2歳にのときには、2歳の悩み。
7歳になれば、7歳用の悩みがちゃんと用意されているのだということを
知りながら、私もママと呼ばれるようになってからもうじき14年になろうとしています。
14歳になる中2女子の、r限定の悩み‥ちゃんと用意されていましたよ。

人間誰にも、弱いところ苦手なところ、わかっていてもちゃんとできないところが
あります、よね?
彼女はとてもとても心配症というか、余計なことまで考え過ぎてしまうのです。
本日から3泊4日で、林間学校へ出かけたのですが、一番の悩みというか課題は
夜、緊張しないで(大勢の中で)眠ることができるか、なんです。
なんだ、そんなこと!と、お思いの方もたくさんいるでしょう‥でもそれが
彼女の「弱点」なのです。




朝方、その不安で起きてしまったrの背中をさすりながら、しっかりとした
骨に守られたのびやかな体に、いつの間に育ったのだろうと思いました。
あんなにふくふくで、あんなに頼りなくて、ぽわぽわの赤ちゃんだったのに、です。


がたん、ごとん、がたん、ごとん。

いろんなことやものや気持ちを運び、

がたん、ごとん、がたん、ごとん。

乗り越えていかなければ、その先へと進んでいくことはできません。


それはもちろん、私自身にも言えることです。




*がたん ごとん がたん ごとん には、この夏、続きができました。

  波打ち際を機関車は走ります。

 見比べると、機関車の顔‥微妙にちがうんですよー



コメント (4)
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