図書館の文庫の棚で見かけて、借りてみました。
表紙の二人が主人公の、女の子がヘガティーで男の子が麦くん。
第2章で小学6年になっていたので、第1章では「その2年前」
の4年生。
走るのが誰よりも速くて、映画のビデオを観るのが大好きな
ヘガティー。ほぼ一日中寝ているおばあちゃんの部屋で、
おばあちゃんに話しかけながら絵を描くのが好きな麦くん。
ヘガティーにはお母さんが居なくて、お父さんは映画評論の
(ような)仕事。麦くんのところはお父さん居なくて、
お母さんは、なんかスピリチュアルなシゴトをしています。
二人とも、若干浮いてる?感はあるものの、すごく大人びて
いるわけでも、閉じこもっているわけでもなく、フツーの
小学生なんですが、その内面を知っていくうちに、こんな
ナイーブな小学生って居るのかな、という気持ちに満たされ
ていきました。それは二人がそれぞれお母さんお父さんと
幼い時に死別していることに関係あるかも、とも思いながら‥。
でも気が付けば、二人の気持ちを丁寧に掬い取っていく
文章を、次々にページを繰って追っていました。
そうだよね、小学生とはいえ、考えるときにはとことん考え、
悩み、悲しみ、怒り、恐れるよね‥。
それにしても、大泣きしていた同級生に、
「肩くもう」「肩くむとね、ちょっとらくになるんだよ」
って、言える麦くんって素晴らしい。
親友が男子って、素直に、羨ましいです。