もう10月も半ば近くになりというのに、8月の記録も
アップできないまま‥となんかひとりで焦っています。
この本は、友だちがインスタで感想を書いていたのを
読んで、そんな本があるんだーと、図書館で探しました。
話は、大学時代に主人公の二人が作った映画が賞をもらった
ことがきっかけで、一人は名のある映画監督の元で働くすべを
得て、もう一人は自分の撮りたいものを漠然と探っているうちに、
YOUTUBEと配信動画のセカイへなんとなく入ることになり、
それぞれの仕事と生活を描くことで、対照的な二つのセカイを
読者も自然に知ることができるようになっていて。
(たとえば映画館上映にこだわる監督の気持ちとか、たとえば
YOUTUBEで生活している人のしくみとか‥)
知らないことがたくさんあったので、感心しながら面白く
読みました。
映画に限らず、音楽も、たぶん文学(というか文章書くこと)も、
同じような葛藤とジレンマを抱えているのだろうなーと思い、
こだわりだけではやっていけないし、今に乗ることばかりでも
「今」は先へ先へと進んでいくから辛くなるし。
結局送り手側は受け手のことを思いながら、心をこめて
ひとつひとつ作っていく、という当たり前で、でも一番難しい
ことを真摯にやってゆくしかないのでしょうね。。。
タイトルの「スター」。
いつになったら「スター」が出てくるのだろうと思いながら
読んでいて‥。
でも、主人公二人の大学の後輩が、中盤過ぎたあたりで、
二人は大学時代、賞をとったことでスターだったじゃないですか、
みたいなことを言うところがあったので、そうか、そういう意味での
「スター」なの?と一時は納得しかけたのですが。
最近、何かで、この「スター」というタイトルはレビューとかで
簡単に評価される ☆☆☆☆☆ のこと、と書いてる人が居て‥
あー!そうか、きっとその意味もかぶせてあるよねー、となったのでした。
(☆の数にもう惑わされるべきではない、という会話が、ラスト近くに
あったなあと思い出しました)
久しぶりの伊坂本。
友だちが「難しくてよくわかんない」と言っていたので、
では私はどうかなーと思って読み始めました。
活劇風のイラストが、挿絵というよりも、もっと
重要な役目を持っている、面白い趣向の小説。
コロナ禍以前に書かれていたのに、まるで予言のように、
鳥インフルエンザが蔓延後のパンデミックを描いていること
にまず驚き、「クジラアタマの王様」とは一体誰のこと?
いつになったら現われるのかなーと、考えながら
読み進めました。
現実と夢。リアルと非リアル。
夢の中での戦いが現実世界とリンクしていたら‥?
まったくありえない設定なのに、全然、変とか不思議
とか思わなくなってきたのは、伊坂ワールドにそれだけ
馴染んできたから??と思ったりして‥とても面白かったです。
ハシビロコウ。
そうか、そうだよね、ハシビロコウから始まった物語
ですものね。