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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

2023年8月 読書の記録

2023-10-11 17:15:24 | 好きなもの・音楽や本

もう10月も半ば近くになりというのに、8月の記録も
アップできないまま‥となんかひとりで焦っています。

この本は、友だちがインスタで感想を書いていたのを
読んで、そんな本があるんだーと、図書館で探しました。



話は、大学時代に主人公の二人が作った映画が賞をもらった
ことがきっかけで、一人は名のある映画監督の元で働くすべを
得て、もう一人は自分の撮りたいものを漠然と探っているうちに、
YOUTUBEと配信動画のセカイへなんとなく入ることになり、
それぞれの仕事と生活を描くことで、対照的な二つのセカイを
読者も自然に知ることができるようになっていて。
(たとえば映画館上映にこだわる監督の気持ちとか、たとえば
YOUTUBEで生活している人のしくみとか‥)
知らないことがたくさんあったので、感心しながら面白く
読みました。

映画に限らず、音楽も、たぶん文学(というか文章書くこと)も、
同じような葛藤とジレンマを抱えているのだろうなーと思い、
こだわりだけではやっていけないし、今に乗ることばかりでも
「今」は先へ先へと進んでいくから辛くなるし。
結局送り手側は受け手のことを思いながら、心をこめて
ひとつひとつ作っていく、という当たり前で、でも一番難しい
ことを真摯にやってゆくしかないのでしょうね。。。


タイトルの「スター」。
いつになったら「スター」が出てくるのだろうと思いながら
読んでいて‥。
でも、主人公二人の大学の後輩が、中盤過ぎたあたりで、
二人は大学時代、賞をとったことでスターだったじゃないですか、
みたいなことを言うところがあったので、そうか、そういう意味での
「スター」なの?と一時は納得しかけたのですが。
最近、何かで、この「スター」というタイトルはレビューとかで
簡単に評価される ☆☆☆☆☆ のこと、と書いてる人が居て‥
あー!そうか、きっとその意味もかぶせてあるよねー、となったのでした。
(☆の数にもう惑わされるべきではない、という会話が、ラスト近くに
あったなあと思い出しました)



久しぶりの伊坂本。
友だちが「難しくてよくわかんない」と言っていたので、
では私はどうかなーと思って読み始めました。



活劇風のイラストが、挿絵というよりも、もっと
重要な役目を持っている、面白い趣向の小説。

コロナ禍以前に書かれていたのに、まるで予言のように、
鳥インフルエンザが蔓延後のパンデミックを描いていること
にまず驚き、「クジラアタマの王様」とは一体誰のこと?
いつになったら現われるのかなーと、考えながら
読み進めました。

現実と夢。リアルと非リアル。
夢の中での戦いが現実世界とリンクしていたら‥?
まったくありえない設定なのに、全然、変とか不思議
とか思わなくなってきたのは、伊坂ワールドにそれだけ
馴染んできたから??と思ったりして‥とても面白かったです。

ハシビロコウ。

そうか、そうだよね、ハシビロコウから始まった物語
ですものね。




コメント
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