いくつかの書店のインスタをフォローしているのですが、
何度も紹介されていたのと、先日読んだ本と同様、表紙が
印象的だったので、図書館で借りてみました。 『赤いモレスキンの女』
↑の画像は小さくて少々わかりずらいですが、窓辺に居る
女性が持っているのが、モレスキンの赤い表紙の手帳ですね。
こんなやつでしょうか?
物語は、その手帳所有者の女性が、深夜帰宅した際に、
自宅玄関前で強盗に襲われ手帳が入ったバッグを奪われてしまう
シーンから始まります。
翌朝、そのバッグを拾った(というかごみ置き場に捨て置かれて
いたものを見つけた)のは、その近くで書店を経営している
ローランという男性でした。
バッグの中には、パトリック・モディアノ(私は全然知らなかった
のですが実在するフランス人ノーベル賞作家)のサイン本と香水瓶、
クリーニング店の伝票と、文章が綴られた赤いモレスキンの手帳、
鍵の束、古い写真、サイコロや小石などなど。
それらを手掛かりに、ローランはその女性を探し出すことが
できるのかーというミステリー的かつ探偵小説的な面白さがあり、
どんどん読み進めることができました。
でも、それだけではなく、この小説の最大の魅力は、「本」が
二人の縁を繋いでいくところなのだと、後半になればなるほど
わかっていくのですが‥。「可能性のノスタルジー」という言葉も
ローランの書店に入ってきたお客さんがたまたま訊くのです。
『可能性のノスタルジー』はありますか?と。
その本を探しに行きながら、ローランはこう思います。
人は起こらなかったことについて、ノスタルジーを感じることが
できるのだろうか?人は人生のある局面において正しい決断をしな
かったというほぼ確信に近い思いを抱く時、そこから生じる感情を
「後悔」と呼ぶが、それはより独特なバリエーションを含んでいる。
このバリエーションは私たちをより神秘的で甘美な余韻に包む。
それがつまり可能性のノスタルジーではないか。
偶然もたらされたその言葉に、ローランは導かれ、あるいは
背中を押され、物語はゆっくりと誰もが望むようなエンディングに
むかっていきます‥。
主人公や周りの人たちが少々オシャレ過ぎる?と思いましたが笑、
パリが舞台の小説なのだから、このくらいでいいのかなーとも。
そしてもしも、自分のバッグがどこかで拾われたとしたら、その
持ち主を探してみたいと、誰かに思わせることがわたしできるかなーと
ちょっと思ってみたりしました(笑)。
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