3連休の真ん中の気持ちの良い秋晴れの日、久しぶりに銀座へと
出かけました。
「アフリカン・アメリカン・キルトー記憶と希望をつなぐ女性たち」展を
見るためです。
アフリカン・アメリカン・キルトとは、アメリカ南部諸州に暮らす
アフリカ系女性が作るキルトのことで、同じ「アメリカン・キルト」でも、
ヨーロッパ系の人々が作る、伝統的なパターンを縫い合わせた端正な
キルトとは、まったく異質なものだと、説明にありました。
構成、色使いともに型破りで、ダイナミック、即興性が特徴だそうです。
実際に目にする前は、ローラ(大草原のちいさな家の)のお母さんや
おばあさんたちが作ったものと、どう違うのだろう、と思っていました。
実際に目にしたら、そのなにもかもが違っていました。
同じなのは、貴重な布を、大切に繋ぎ合わせるというスピリットだけでした。
たいせつなことは、精神〈気持ち)の伸びやかさと自由なのだと
壁に大きく広げられたキルトは、教えてくれているようでした。
端がまっすぐかとか、三角形の角がピンとしているかとか、
左右対称にするためには、同じ色を入れなければいけないとか。
いろんな決まりごとや技術に縛られて、最初に「作りたい」と思った
ピュアな気持ちを、忘れるようなことがあってはいけないのです。
それにしても、大胆な色の組み合わせは、どこからやってくるのでしょう。
展覧会の説明ページでは、強烈な色彩、ふぞろいの針目が誘う躍動感、
即興性、をアフリカにルーツをもつ、音楽のジャズになぞらえていました。
太古からの血の中に、リズムが刻み込まれ、それが音楽に表われたのと
同様に、キルトにも表現されたということなのでしょう。私はそう理解しました。
アフリカ系の人たちは、ただ「歩く」という動作の中にも、リズムを持って
いますもの。
キルトは、アートなのかそうでないのか、という問題があるそうです。
私は、見る人の心に感動を残すという点では、名もない女性が
家族のために作った生活用品であっても、十分アートだと思うのですが、
そうではないと思う批評家も居るそうです。
今から60、70年も前に、ちくちくとひと針ひと針縫っていた女性たちは
アートだって、アートじゃなくたって、そんなことどっちだっていいのよ、と
きっと笑いとばすだろうなあと思いました。実際の作品を見ていると
そう思えてきてしかたありませんでした。
そして、言葉にならない励ましをもらっているような気さえしました。
だいじなことは、ひと針ひと針縫いすすめること。
一歩、一歩、歩き続けること‥。
‥ ‥ ‥ ‥
銀座7丁目ライオンでのお昼ご飯をはさみ、そのあと日本橋へと
足を伸ばしました。ヒナタノオトさんへ行くためです。
前回おじゃましてから半年以上もたっていたのに、季節をふたつ
飛び越したとは思えない親密さは、決して、ブログで日々の様子を追って
いるからだけではないでしょう。
端正なポットの作り手である、萩原千春さんの作品展2日目は
見応え十分であると同時に、とてもリラックスできる空間でもありました。
10月20日、21日には、今年も「工房からの風」がひらかれます。
千春さんが、実際にポットを組み立てる様子を見ることができるそうで、
今からとても楽しみにしています。(あ、それとどんぐり拾いも)
最新の画像[もっと見る]
- 2024年10月に観た映画 4週間前
- 2024年10月に観た映画 4週間前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年8月に観た映画 3ヶ月前
- 2024年8月に観た映画 3ヶ月前
リンクをたどってみたら、ほんと・・・ダイナミックでカラフルな色合わせのキルトの作品ばかり。
力強いけれど、不思議とあたたかい感じがするんですね。
キルトをぴっちりしあげるの、わたしも苦手で、わたしの場合はそれが単なる雑なだけですが、
このラフさ加減と、そこにあふれる躍動感にはちょっと感激してしまいました。
パターンは四角つなぎなのに、こんなに個性的なんですね。
らふとさんでのどんぐり拾い、楽しみです、ね!
キルト作りはまったくの自己流ですが、大好きなんです。
柄と色を組み合わせる作業が一番好きで、最後の
キルティングも好き。でも、型紙をあてて、布を切る
ところと、各ピースを縫い合わせる作業がとても苦手
です。自分ではかなり懸命に取り組んでいるのですが、
自己満足の域からなかなか抜け出せません。
見ていて思ったのは、単純な四角つなぎとか、
ストライプの柄とか、そんなものが気持ちをひきつける
のだなあということでした。緻密な作業ができないから
負け惜しみで言ってるわけではないのですが(笑)。
それと、私の場合は、アフリカにルーツを持つ人への
憧れが大きいのかもしれません。
数時間後のヒナタノオトに並ぶ作品は、それはそれは
丁寧でみごとな仕事がなされているものばかり。
どちらがどう、と比べられるものではないので、
1日に「両方」を見られて、幸せでした。
ほんとに、今まで持ってたキルトの概念を覆すようなインパクトのある作品ですね!
アフリカやアジア、ポリネシアなどで織ったり染めたりされた布に通じるようなインパクトがあります。
大地とか、生命というものに根ざしているような力強さを感じるというか・・・。
欧米人にも日本人にもない感性。
ちくちくと手縫いするのが苦手な私に、偉そうなことは言えないのですが(苦笑)。
誰かのために時間をかけて縫ったり織ったりした布は、それだけで人を感動させますよね。
それに色彩の美しさが加わったら、充分アートだと思います。
あ~、私もせめて手編みのセーターぐらい編める根気が欲しいなあ。
根気となると、私もちょっと自信がないですね~。
ああいう作品を見ると、私もいつかベッドカバー
ぐらいの大きなものを作ってみたいなあと、思って
しまいますが、思って空想して楽しんでいるだけなん
です(笑)。
織物もそうですが、お国柄というか、民族性みたいな
ものは、反映されますよね。
好きに作っていいよ、と言われても、つい左右対称とか
角あわせとか、思ってしまうのはどうしようもない
サガなのでしょうか‥。
そうそう。先ほど図書館に行って「ヴォイス」借りて
きました。たのしみたのしみ。