音楽の喜び フルートとともに

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交流

2008-07-07 01:22:48 | Weblog

この百合は、なんていう名前なのかわかりません。とにかく、美しくそしてみごとに大きい。花びらの端から端まで30㎝はありました。カサブランカ?黄色が入っているのに?ご存知の方お教えください。
いつも通らせていただく、団地のお庭は植物園状態です。いろんな植物を持ち寄って植えて、みんなで大切にしているんですね。とても豊かです。

私が好きなTV番組はいつもマイナーなんですが、いえ、マイナーなTVを選ぼうと思っているわけではないですが、「週間ブックレビュー」は好きなものの一つです。夜遅い再放送を見ますが、書評を聞いていると、あれもこれも読みたくなります。が、たいていは読まないですが。

3人のゲストがそれぞれに自分のお気に入りの3冊の本を紹介し、そのうちもっとも気に入っている1冊を、全員で読み、そして合評します。全く、畑の違う3人が同じ3冊の本を読み評することになります。

まず、1冊の本につき、紹介した人が評します。当然、熱のこもったものになります。それから、二人が順番に本を読んで自分が感じたことを言い合います。

これが面白いのは、畑違いの3人が「自分はこんな本は絶対に読まないだろうと思っていたのに、読んでみたらおもしろくて一気に読んでしまいました。」とか、「こういう本は番組でもなければ、手に取りもしなかった。」といいながら、彼らなりの視点で何とか、読み解き、評するところです。
同じ本を、はじめの人とは同じところもあれば、時には全く違った視点で、解釈され、論評されます。

これを見て関心するのは、それぞれに、その本に対して「私はこう思いました。」「へー、私はこんな風に思いました。」と、それぞれが思ったことを言うだけで、一致させたり、それは違うなどと対立したりしないところ。そんな風に思ったことを出しあっていると、本を介して、その人が何をどう感じ、考えるかがわかってきます。
本を受け取ることで、本の作者のことだけではなく、それぞれの感じ方考え方がわかり、深い交流が起きているような気がします。

いろんな場面で私たちは話していますが、大体は自分のことを順番に話しているだけのことが多いです。
「相手が話しているのを聴いて、その人の何かが変わらなければ、交流が起きたとは言えない。」とフロムは言っていますが、本を読むという作業を介して、変わり方は浅かったり深かったりいろいろですが、何かがそれぞれの中に起きているまさにその瞬間を見せてもらっているような気がします。

きっと、私たちが普段、聴いている見ていると思っているレベルは、ほんの意識の表面に過ぎないんだと思います。

音楽のレッスンでも、先生に聴いて分かったと思ったことを、家に帰ってやってみようと思ったらできないことがあります。そんな時は受け取った気になっているだけで、実は、使えるか使えないか判断していたり、自分は完璧にできているから必要ないと思っていたり、同じようにすると自分がなくなるような気がしていたり。
本当に聴いたときは、自分が変わるはず、その吹き方を再現できる。その後使うか使わないかを選択することができる。そうでない場合は残念、聴いてはいません。
この基準で言うと、私には、まだ、聴けていないことがいっぱい。簡単ではないところが、またおもしろい。探索は終わりません。