音楽の喜び フルートとともに

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歌劇幻想曲

2008-07-17 02:24:02 | 名曲

ランタナ・七変化と言って徐々に色がピンクと白から濃いオレンジ色に変わっていくそうです。日本の風土に合っているみたいで、昨日も道路の側溝のすきまから生え出てきて、きっちり花を咲かせていました。こんなに小さいくてかわいいのに強い生命力をもっています。

七変化ではないですが、歌劇の幻想曲は2幕とか3幕ものの歌劇の曲のいいところを集めてつなげ、一曲にしたものなので、当然、変化に富んでいます。

例えば、有名なボルンの「カルメン幻想曲」は数小節の物も含めて7曲を一曲にまとめています。
ジプシーの歌、闘牛士の入場、ハバネラなど、歌劇のハイライトのような曲が次々と。その上それぞれにバリエーションがあり、あのテクニック、このテクニックと見せ場があり、歌なので、感情表現の聞かせどころもありと、そういう意味でも変化に富み、おもしろい作品です。・・・ただし、演奏する方は大変。アスリートが芸術点でもハイスコアを狙うような、無謀な曲です。

フルートの幻想曲で他の有名どころでは
ジュナンは「椿姫幻想曲」「リゴレット幻想曲」
タファネルは「魔弾の射手幻想曲」「ミニョン幻想曲」
ドップラーはデュオで「リゴレット幻想曲」
など、他にも、いろんな作曲家が歌劇の幻想曲を書いています。

この中で、おもしろいのは、「ミニョン幻想曲」。
今では、ほとんど上演されることのないトマの歌劇で、私も見たことありません。昨年来日した、フィリップ・ベルナルドのマスターコースでも生徒さんの一人がこの曲を演奏しましたが、ベルナルドさんもこのオペラは見たことがないと言っていました。
音源を検索したら、「君よ知るや南の国」「私はタイタニア」などをソロで歌っているものは出てきましたが、やっぱり全曲は出てきませんでした。

中のアリア「君代知るや南の国」は戦後、浅草オペラで流行ったらしいです。私はなぜか、8歳くらいのとき少年少女合唱団でこの曲を歌っていたので、有名な曲だと思っていました。
フルートの世界では、ベーム式フルートを使いこなし、フルート界の名門フレンチスクールの創始者のタファネルの作曲でもあるので、あちこちで取り上げられ演奏されています。

フレンチスクール(パリ音楽院)の現教授でもあるレイモン・ギヨーさんのCDには、この曲がばっちり入っています。彼は綿密な計算とスケールの練習をする人で、あんまりフランス人ぽくない演奏ですが、きっちりとしたお手本のような演奏をされています。一度聴いてみてください。