音楽の喜び フルートとともに

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真夏の夜の夢

2008-07-11 00:59:55 | 名曲

立葵(タチアオイ)は今はもうない(転居したので)実家の庭にも咲いていました。この花を見ると若い頃の母を思い出します。明るくさわやかなたたずまい。小学生の頃、「明るい太陽みたいな母」と作文に書いた覚えがあります。マザコン・・・ちょっと気恥ずかしい思い出です。

明日は、S先生のレッスン。アルテ3巻 メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」から有名なフルートの二重奏です。
原作はシェイクスピアの劇です。
 妖精の王オベロンと、女王タイタニアの仲違い。それにライサンダーとハーミア、ヘレナとディミトリアスの危うい恋の行方に、恋の呪いの花の汁が、混乱に拍車をかけ、真夏の夜の森の中は迷える恋人たちで大混乱。それでも、最後は、全員で仲直り。結婚行進曲が有名です。

2本のフルートは早いスタッカートで絡み合いながらずっと動き続けます。落ち着かなく、切れ目なく。

この曲は、いたずらものの妖精パックのテーマです。
シェイクスピアによると、
『さて、妖精王のお気に入り、夜のいたずらっ子、すばしこいパックはと言えばご機嫌の悪いオベロンのために、悪ふざけをしては、喜ばせてあげているのです。
 牝の子馬に化けて、豆をたらふく食って肥え太った牝馬をからかったり、あるときは焼き林檎に化けて、おしゃべり婆さんの薬酒にもぐりこみ、婆さんが口をつけるやいなや、その唇をはね返し、しなびたるんだ胸に酒をこぼさせたり、またあるときは、三脚いすに化けて、妙にさとったような小母さんが下らぬ説教話をはじめようと、腰をおろしたとたん、ひょいとすりぬけ、小母さんをどたんと尻もちをつかせ、こん畜生めとどなって咳き込ませる、そんな様子を見せては、オベロンをはじめ仲間の妖精たちを笑わせ、大騒ぎへと持ってゆくパックです。』(新書館)

『「行け!パック!風よりも早く森中を駆け回り探し出せ。…」韃靼人の矢よりも早く。パックにとっては地球を一回りするのに40分もあれば充分なのですから、こんな命令はとても簡単、あっという間にオベロンの前から消え去りました。』

パックは風のようなもの、日常の生活の小さな失敗の犯人。失敗をこっけいなユーモアにかえてくれます。ダブルタンギングはあくまで、軽く、とどまらず。さあ、うまくいきますかどうか、ご覧あれ