音楽の喜び フルートとともに

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フィンチの嘴

2008-10-02 02:04:37 | 本・映画など

ダーウィンはガラパゴス島のフィンチの嘴が、同じ種類の鳥にもかかわらず、大きさや形が島によって全く違うことことに気がつきました。

ジョナサン・ワイナーと言う人が2001年出版した「フィンチの嘴」(早川文庫)では、20年に渡って、フィンチの嘴を観察し、鳥の数を数え、餌の実を数えつづけたグラント夫妻の記録が、書かれています。

その本によると、ある年は天候により、フィンチが好む実の皮が堅く、それを割るために大きな嘴のフィンチがたくさん生き残りました。大きな嘴で体が大きなフィンチしか生き残れないのではないかと言う勢いでしたが、翌年は、天候が悪く実が不作。小さな実が少ししか取れない。そうすると、今まで席巻していた大きな嘴のフィンチはその体を維持するのが難しく、小さな実を少しかじればいい小さな嘴の体の小さなフィンチが数を増やします。
そしてどの年も、どちらかの種類が0になることはないそうです。なっていれば、フィンチはとっくにある年の天候の変動によって絶滅していたそうです。

進化というのが、一つの理想系を目指して他の形を排除していくものだと思っていたら、全く違うと言うことがわかった一冊です。弱肉強食というのも。

バッハがいて、モーツアルトがいて、ヴェルディがいて、ドビュッシーがいて、武満がいて、他のたくさんの作曲家がいて、幸せ。
音楽の楽しみ方もいろいろ、人生における音楽の位置もいろいろ。でも、きっとどこかで出会える。