音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

ボーンズ オブ ライフ

2010-10-08 21:46:06 | レクチャー、マスタークラス
だいぶ、涼しくなってきましたが、グラジオラスはまだ咲いています。

今回の講習は、自分達の生活の中での体の課題を持ち寄りました。
①人形劇をするのに、人形の足が地に付いているかどうかわからない。
②楽譜を追って長くフルートを吹いていると、目が二重に見えてくる。

①は物を持っていたり、一度に二つ以上のこと(例えば話し合いながら、作業するなど)をすると体の感覚がなくなる。

②は作業をしながら、体をバランスよく使うことができない。

他にもいろいろありましたが、特に二つ。
①は床に胡坐をかいて座り、タオル2枚を縦に長く縫い合わせたものを真中に大きな結び目をつくり、二つ折りにして、結び目が床にちょうど着くぐらいに持ってみる。上げたり下げたりして、床に着く感覚を味わってみる。
次にタオルを持った片手はそのままに、もう片方の手をお尻の下にいれ、坐骨を確かめる。小さく手の上で前に移動したり後ろに移動したり回したりする。

上のことを話しながらやってみて、自分の感覚がどうなるのか見て見ます。

②は、腰の幅くらいに足を開いて立ち、片方の手でタオルの端をつかみ、頭の上に軽く置き、片方の端を背骨にそってたらします。その垂れた端を緩まないように坐骨の上でもう一方の手でつかみます。そして、床の上を一センチくらい(大きすぎない)「パン、パン。」と言いながら数回、5回くらい飛びます。
それを、背骨に添って、腰骨と坐骨の間、腰骨の上、腰骨と肩甲骨の間、肩甲骨の下、肩甲骨の上の方でと手の位置を変えながら、繰り返します。
上までいくと、しばらく立ったまま水平線を見るようにじっとして休みます。

これだけのことですが、骨を感じると、体の感覚が鋭敏になってくるのがわかりますし、体のバランスがよくなり、歩いた時に、足の裏が吸い付くように床にくっつきながら楽に動けるようになります。

これは、脳はバランスをとりたがっていたり、歪んだ感覚を感じると、身体を調整しようとしますが、私達が今までつけてきた癖や、動くとしんどいとか、早く動くためにはこうしないといけないという思い込みによって、そのことを疎外しています。
それを、床の支えや、骨と骨。背骨や、足が繋がっていることを、タオルや、床を使って動きを触れることによって、脳に思い出させます。すると、脳は賢いので、自分の持っている力で、機能的に身体を連携して動かし、バランスをとれるようにするのです。

アスリートと、ノートルダム寺院のせむし男が、じっと立っていると、アスリートの方が、バランスよいように見えます。ところが、せむし男はそのままの身体で、長い階段を走り降りたり、重い鐘をガンガン鳴らしたりしますが、アスリートは、腰を痛めていたり、あちらこちらテーピングでいっぱいということもあります。
機能する。ということ。人の身体は個人差がありますが、その人の身体のままで、その人のバランスで、より機能的に動かせる。それが、このワークのおもしろいところです。