音楽の喜び フルートとともに

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流れよ我が涙ダウランド

2021-09-25 22:22:49 | ルネッサンス
今日はオンライン西宮ギター練習会。
ギター伴奏は諦めて、木管の頭部管でバッハの無伴奏フルートソナタの1楽章、2楽章を吹かせてもらいました。
ギター練習会なのにありがたいです。

バッハ、ピアソラ、ヴァイス、ダウランド、タンスマンバラエティー豊かな練習会になりました。

ジョン ダウランド(1563-1626年)
イギリスのリュート奏者です。
デンマーク王クリスチャン4世

やイングランド王ジェームズ王一世、

リチャード一世

の宮廷リュート奏者になりました。
「涙のジョン・ダウランド」(Jo: dolandi de Lachrimae)と自署し、イタリアでは「不幸なるイングランド人ジョヴァンニ・デュランデ」(イタリア語: Gio. Dulande infoelice Inglese)とも名乗りました

モットーは「人を救う技芸はその主を救うことあたわず」
「運命の女神の祝福を受けざりし者は、ただ憤るか泣きはらすのみ」

ヨーロッパ大陸で流行っていた神秘思想がイギリスに渡った時に憂鬱(メランコリー)闇夜崇拝になりましたが、流行を取り入れ「憂鬱なダウランド」を演出していたという説もあります。

リュート曲や歌との曲を多く書きました。

私はエマ カークビーの歌のCD持っていました。
その後、フィリップ K ディックのSF「流れよ我が涙と警官は言った」を読みました。
現代のダウランド流行の波でした。

流れよ我が涙

流れよ、わが涙、なんじの源から溢れ落ちよ。
とこしえの追放を受けたれば、せめて我に悲嘆を許し給え。
夜の黒き鳥が自らの哀れな汚名をさえずる地、
その地にて我を独り惨めに生きさせ給え。

消え失せよ、むなしき光、二度と輝くなかれ。
いかな夜とて闇の深さに足るものか、
望みを捨てて残りの人生を嘆きに生きる者には。
光が明らかにするのは、ただ恥辱のみ。

わが苦痛が癒えることは決してあるまい。
なぜなら主の慈悲はとうに逃げ去って、
涙と、ため息と、うめきの声が、わが煩わしき日々から、わが煩わしき日々から、
すべての喜びを奪い取ったのだから。

いとも高き幸福の頂きから
わが宿命は投げ捨てられた。
恐れと、哀しみと、苦しみこそが、この身にふさわしき報い、この身にふさわしき報い、
そして我自身が希望するもの。なぜなら「希望」はとうに去ってしまったのだから。

聴け! なんじら影、闇に住まう者どもよ、
今よりのち光を蔑め。
幸いなるかな、幸いなるかな、地獄にありて
このうつし世の悪意を知らぬ者たちは。