数日前MAKIKYUが線路切替によって一部が高架化され、起点となる京成高砂駅とその周辺が大変貌した京成金町線に乗車した際には、金町まで同線に乗車した後、JR(常磐線)で馬橋へ向かい、久々に流山線にも乗車したものでした。
流山線は以前、総武流山電鉄と称する会社が運行を行っており、MAKIKYUもこの名称に馴染みがある事もあるのですが、2年程前に社名を「流鉄」(Ryutetsu)に改称しており、最近流山線に乗車する機会がなかったMAKIKYUとしては、新社名への改名後初の流山線乗車となったものでした。
流鉄と社名を改めた流山線は、近隣につくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)が開業してから、同線への乗客移行等による輸送人員の大幅減少に悩まされています。
それでも運賃は初乗り120円、5.7kmの全線を乗車しても190円と、中小私鉄にしては極めて安い部類に入り、起点となる馬橋駅のある松戸市内を通り、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ至る高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の様に、乗客に平然と高運賃負担を強いる鉄道とは大違いです。
(こちらは短距離の1駅間でも現在200円、流鉄全線と同等距離では370円もの超高額運賃で、17日以降は雀の涙程の値下げが行われるとはいえ、際立つ高額運賃は相変わらずです。
その上高額運賃に見合う付加価値を伴っているとは言い難く、7260形と称する内外共にボロボロの電車を未だに走らせており、こんな車両が大手私鉄や地下鉄にも直通し、平然と都心にも姿を現すのは呆れた限りです)
多額の経費を要するPASMOなどのICカード乗車券導入などは見送っており、東京都心からさほど離れていないエリアの通勤通学路線にも関わらず、未だに自動改札機すら見当たらないなど、地方私鉄の様な雰囲気も漂う路線ですが、列車のワンマン運転を行うなどの経費削減にも努める事で、厳しい状況下ながらも比較的安価な運賃水準を堅持している事は、大いに評価すべき事と言えます。
(仮に運賃値上げが発表されたとしても、「開発を止めた某鉄道」と同水準程度まで値上げするのは論外ですが、10~20円程度の小幅な値上げであれば止むを得ないかと思います)
またこの様な厳しい状況下ながらも、今年に入ってから5000系と呼ばれる新形式車両も運行を開始しており、「流鉄」への乗車自体が初めてだったMAKIKYUとしては、先日初めてこの車両にも乗車したものでしたが、元西武鉄道の車両を改装+各編成毎に異なる装いと編成名称といった特徴は流鉄の現行他車両と同様です。
5000系は2両編成のワンマン運転対応車で、現在の情勢を踏まえれば妥当な所と言えますが、他の各編成は101系などを種車としており、如何にも一昔前の西武線といった雰囲気の車両なのに対し、5000系は新101系を種車としているだけあって、前面形状が大きく異なるなど、見るからに異なる風貌を持つ事も、一本のみの流鉄最新型車両である事を強くアピールしている様に感じられます。
車内に入ると、馬橋方の運転席後部に車椅子スペースが設けられた事や、各ドア内側に注意喚起の黄色いテープが貼られている事等が目に付くとはいえ、その他はワンマン運転に関係した装備を除くと、概ね西武線時代の雰囲気を堅持しており、新101系の中には譲渡に合わせて大規模な改修を行った他鉄道移籍車も見られる中、最小限の改造で済ませたという印象を受けたものです。
とはいえ新101系はまだ決して古いと言い難い車両で、車内には昭和57年(1982年)の製造プレートが見られた他、車両自体のグレードも同年代の首都圏通勤型車両にしては、そこそこのグレードを誇っているかと思いますので、敢えて大規模な改修を施すよりも、もし低コストで導入する事によって安価な運賃水準を堅持するという方針であるならば、これも賢明な判断かと思います。
流鉄では現在冷房化や高性能化は完了しており、一昔前に比べるとサービスレベルは大幅に向上しており、現状のまま推移してもさほどの問題はなさそうにも見受けられます。
しかしながら5000系以外の車両は、全て首都圏私鉄では古参の部類に入る上に、西武鉄道では新101系の廃車が進行し、種車確保も比較的容易かと思いますので、今後も導入が進むのか、それとも一編成だけの希少な存在として活躍し続けるのかも気になったものです。