今月はJR東日本が東日本大震災からの復興と、低迷している旅行需要喚起も兼ねて、期間限定で全線で新幹線・特急も含めて1日乗り放題1万円の「JR東日本パス」が発売され、この乗車券は来月もまた期間限定で発売されます。
首都圏や東北地方ではかなり知名度も高く、実際に既にこの乗車券を利用したと言う方や、来月利用予定と言う方も居られるかと思いますが、MAKIKYUも今月の設定期間内には、一度利用する機会がありました。
MAKIKYUがJR東日本パスを利用して足を運んだのは長野方面で、元々普通列車利用の1泊旅行程度で足を運ぶ計画が、頭の片隅にあったのですが、新幹線・特急利用でも1万円なら、日帰りで足を運ぶのも…と考え、JR東日本パスを利用する事にしたものでした。
このJR東日本パスではJR東日本管内であれば、1日の有効期間内は経路制約や途中下車の制約なしという事もあって、今まで乗車する機会のなかった特急列車にも幾つか乗車したものでしたが、その一つが中央本線を走る特急「スーパーあずさ」号でした。
(MAKIKYUが中央本線を利用する機会は時折あるものの、さほど遠方ではない事もあって、普通列車を利用する事が大半です)
この列車はE351系と呼ばれ、JR東日本所属車両では唯一の振子式を採用した車両が充当されますが、このお陰で曲線通過時の制限速度が緩和される事もあり、他車両で運転される「あずさ」号に比べると、所要時間がやや短くなっているのも特徴です。
ただ見るからに特徴的な丸い車体断面は、車内空間の減少も招いており、他車両よりも早いものの車内の狭さは…と言うのは、JR西日本の新幹線車両・500系を連想するものです。
500系の場合は超高速運転を行うに当たって、設計段階での極限を追求した事もこの一因ですが、E351系の場合は車両限界の小さい中央本線における振子作動を考慮したのかもしれません。
とはいえJR在来線で活躍する振り子式車両は、MAKIKYUが乗車した事がある車両に限ったとしても、他にJR九州の883・885系電車やJR北海道のキハ281・283形気動車、JR四国の8000系電車と2000系気動車と智頭急行HOT7000系気動車などがあります。
「スーパーあずさ」号乗車の後には、「しなの」号でJR東海の383系電車にも乗車していますが、どれも車内空間が特に狭いと感じる事はなく、車両の設計やデザインによって、感覚的な広さは随分変わるものと感じたものでした。
(ちなみにE351系では普通車のシートピッチは970mmとなっており、JR各社の特急普通車全体を見渡しても、標準的なスペックです)
そのため空間が圧倒的に狭い4列席の高速バス(中央本線と競合する中央道高速バスは、大半がこのタイプです)などに比べると、まだ快適性では優位に立っており、所要時間の面でも他を圧倒していますが、JR東日本パスなどの格安な乗車券類を利用するならともかく、普通運賃に加えて特急料金まで支払うともなれば、積極的に利用するのは…と感じてしまったものでした。
中央本線のJR東日本管轄区間では、「スーパーあずさ」号と共に「あずさ」号も運行され、こちらの方が所要時間はやや余計にかかるものの、充当車両の車内空間と言う面では圧倒的に優位で、個人的には今度中央本線の特急を利用する機会があれば、多少時間が余計にかかっても「あずさ」号の方を…と感じたものでした。
(専ら旅行等の行楽で利用するMAKIKYUとしては、時間に余裕があれば、首都圏~松本間を普通列車乗り継ぎ利用でも充分な程です)
またE351系も製造初年は1993年で、ほぼ同世代に当たる振り子式車両の883系や8000系電車が次々とリニューアルを向かえる中、未だに大規模な修繕等が施されず、今後の動向も気になる所です。