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JR東海 キハ25形気動車~313系もどきの新型気動車

2011-07-13 | 鉄道[東海]

MAKIKYUは今月初めに名古屋へ出向く機会があり、その際には今年春に武豊線用に導入された新型気動車・キハ25形に乗車する機会がありました。

武豊線では既にキハ75形と呼ばれる新系列気動車が活躍しており、同形は性能・設備両面で非電化線区の普通列車にしては最高級の部類に入ります。

そのためキハ25形導入の際には、何もわざわざ新型車を…とも感じたものでしたが、今年春から混雑が常態化していた関西本線~伊勢方面快速「みえ」号で増結が行われ、これに伴ってキハ75形を捻出する必要性が生じた事が、キハ25形導入の大要因となっている様です。

キハ75形の増備ではなく、敢えて新形式での導入になった事に関しては、キハ75形は特急並みの高性能を誇り、普通列車用にしては過剰なスペックである事や、製造からそこそこの年月が過ぎ、デザインや内装面などで最新型電車などに比べると若干…という事もあるのかもしれません。

 
ただ見た目は最新型電車313系の最新増備車とほぼ同等に仕上げられており、エンジン音を除くと「313系もどき」と言っても過言ではない雰囲気ですので、非電化単線の武豊線でも東海道線と格差を感じない様に…という配慮もあるのかもしれませんが、313系自体は中京地区で嫌と言うほど走っており、新型車の割には余り新鮮味を感じない気がしたものです。

外観上の313系との違いを挙げると、前面貫通扉上部にライトがない事が大きなポイントとはいえ、それ以外は313系よりややスマートさに欠ける印象のスカートと、将来ホーム高さの低い路線に転用しても対応できるように、客ドアにステップを追設しやすい構造となっている事が目立つ程度です。


車内では見た目を極力313系に近づけており、転換式クロスシートが並ぶ車内は、武豊線が非電化単線の路線ながらも、複線電化の競合私鉄に見劣りしない様に設備面で意識している事を感じさせられたものですが、何故か半自動ドアスイッチだけは313系とは異なるものが付いているのが気になったものでした。

おまけに313系とはデザインだけでなく、ラインカラーまで全く一緒ですので、デザイン的にはほぼ同一で揃えた車両として知られ、JR北海道の札幌圏で活躍する731系電車とキハ201系ですら、帯色を変える事で識別できるようにしている事を考えると、敢えて電車と錯覚させる事を狙ったのでは?と思ってしまう位です。
(さすがにキハ75形などは電車に見劣りしないとはいえ、キハ75形導入以前に武豊線で活躍しており、現在他地区へ転用されたキハ40系列ともなると、様々な面で313系などに比べると大きく見劣りし、乗り控えもあり得ますので…)

とはいえ見た目こそ313系と非常に良く似ているものの、731系とキハ201系の様な併結協調運転には対応しておらず、それどころか電気指令式ブレーキを採用している新系列気動車のキハ75形とすら併結には対応していない模様です。
(仮にキハ75形と併結対応にした場合でも、車体長の違いで4両編成程度になると乗車位置が変わり、整列乗車に難をきたすため、両形式の併結は極力避けると思いますが…)

そのため現段階ではキハ25形の2両編成、もしくは同形のみを2編成連結した4両などでの活躍に限られており、運用は基本的に限定されています。

MAKIKYUがキハ25形に乗車した際には東海道線区間快速で、同形最高速度110km/hでの走行を堪能していますが、エンジン自体はキハ75形よりやや出力が増強されているとはいえ、1両1基のみという事もあって加速性能はキハ75形よりも大幅に劣り、この事もキハ75形との併結を行わない一因かもしれませんが、これに加えて変速時のショックがやや大きい様に感じられたのも気になったものでした。
(性能面では武豊線の最高速度が85km/hとなっており、同線関連のみで運用するには充分過ぎるレベルですが…)

ちなみにキハ25形の運用は、昼間時間帯の武豊線内ワンマン列車の大半をはじめ、東海道線内快速運転(区間快速など)で名古屋発着となる武豊線列車でも、特定の列車を狙えば容易に捕獲できますので、キハ25形に一度乗車したいといった場合には、趣味的にはあり難いものです。

とはいえ武豊線は将来的に電化計画があり、その後他線区へ転出した場合には、同形のみでしか運用できないと使い勝手が悪いのは目に見えますので、今後の展開が気になる所です。