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黒部ルート公募見学会(1)~特殊なエリアに立ち入るだけにボディチェックも…

2011-10-22 | 日本国内その他

少し前の話になりますが、MAKIKYUは今月初めに関西電力(関電)の「黒部ルート見学会」に参加しており、今月MAKIKYUが「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」を購入したのも、この見学会へのアクセスにJRを利用する事が主な目的でした。
(この往復で2回分を利用しており、残り1回分を山梨方面への日帰り旅行に充てています)


黒部ルート見学会は、有名な黒部川第4水力発電所(以下くろよんと記します)を見学すると共に、公共交通機関や一般車両が通行できる道路が存在しないくろよん周辺を、通常一般人が乗車できない関電の事業用交通機関(写真のルート案内にある黒部ダム~欅平駅間が該当し、MAKIKYUは一般交通機関も含め、信濃大町~宇奈月間をこの経路で移動したものでした)を乗り継ぎ、黒部ダム~くろよん~欅平駅間を移動するものです。
(黒部ルート移動は黒部ダム・欅平駅いずれかの集合場所から片道のみとなり、黒部ルートの来た道を辿って集合場所へ戻る事はできません)

参加に当たっては、HPなどで公開される要綱に従い、見学会開催日時の中から希望日時・集合場所・参加人数などを記して葉書で応募する必要があり、運良く1回30名の抽選に当選した場合にだけ参加可能、それも1年間で複数回の参加(当選者の辞退後再応募も含む)は不可能となっています。

そのためくろよんは思い立ってすぐに行ける所ではなく、関電の関係者や余程の有名人(以前有名な年末の紅白歌合戦で、くろよんから生中継で参加したアーティストがいた事は、ご存知の方も多いかと思います)などでない限りは、この見学会に参加する以外の方法が存在しません。

くろよん見学や黒部ルートの交通機関乗車を別としても、黒部ダム~欅平駅間をくろよん周辺を経て移動するには、他には水平歩道や日電歩道と呼ばれる険しい山道を移動するしかなく、これは相当山歩きに慣れた登山家でも難儀すると聞きますので、MAKIKYUの様な一般人にとっては、黒部ルート見学会参加が、くろよん周辺を訪問する唯一の手段となります。

この様に非常に訪問し難い所ですが、くろよん自体が非常に有名な施設である上に、周辺の事業用交通機関も非常に魅力的ですので、以前から是非一度足を運びたいと思っていたのですが、8月末に黒部ルート見学公募委員会から当選を伝える通知が届き、それから見学会の日が待ち遠しいものでした。


この通知はメール便で送付され、見学会参加者向けのしおりや黒部ダム・黒部峡谷周辺の観光案内パンフ、見学会参加後のアンケート用紙やアンケート送付用封筒などが入ったものでしたが、一人での参加とした事も、当選に貢献したかも…と感じたもので、MAKIKYUが参加した黒部ルート見学会では、いつもより単独参加が多かったとの事でした。

そして見学会開催当日は、MAKIKYUは黒部ダム集合のコース(他に欅平駅集合の逆ルートもあります)の参加でしたので、前泊地の松本市内からJR大糸線で信濃大町駅へ向かい、そこからトロリーバス扇沢駅行きのアルピコ交通(川中島バス)で扇沢駅まで抜けた後、関電トロリーバスで黒部ダムへアクセスしたものでした。

10時30分の集合時間に間に合わせるには、松本からでも7時台の電車に乗らないと間に合わず、少々早起きを余儀なくされますが、信濃大町駅は周辺での食料調達も限られる有様ですので、宿泊場所となると一応駅近くに小規模なビジネスホテルはあるものの、選択肢はかなり限られてしまうのが現状です。

信濃大町駅~扇沢駅間バス路線の途中にある大町温泉郷も、余裕ある日程で観光も兼ね、複数人での参加なら良いのかもしれませんが、見学会前日に仕事が終わった後に首都圏から列車で移動し、単独行動での手頃な素泊まり宿を求めるには厳しいものです。

公共交通機関利用で首都圏から、黒部ダム集合の黒部ルート見学会に参加するには、松本での宿泊がベストとはいえ、最近多発している列車の輸送障害などに見舞われると接続交通機関に乗車できず、交通機関共に本数が少ないため、1本早くとなると相当早い時間に動き出さなければならないのは難点です。


そのため見学会自体の中止と共に、交通機関の輸送障害が発生しない事を願っての参加でしたが、大きなトラブルも無く無事集合時間までに黒部ダムへたどり着く事ができ、トロリーバスの乗り場付近には「黒部ルート公募見学会 参加者集合場所」の案内も出ていましたので、扇沢駅からのトロリーバス下車後は、迷わずすぐに辿り着けたものでした。
(余談ながらこの看板を見つけた時にはまだ若干時間の余裕がありましたので、MAKIKYUは一旦トンネルから外へ抜け、黒部ルート程の秘境ではなく以前にも一度訪問した事があるとはいえ、決して行き易い場所とは言い難い黒部ダムを見学していました)


10時30分の集合時間になると、参加者は黒部ダム駅の裏方へ案内され、ここでまず免許証などの身分証明書による本人確認が行われると共に、特別なエリアに足を踏み入れるだけに、続いて所持品検査と警備員による金属探知のボディチェックが行われ、ボディチェックは裁判所の刑事裁判傍聴以来でした。


ボディチェックの後は関西電力のマークが入ったヘルメットが渡され、見学会参加者は関西電力の案内人が外しても構わないという指示を出した時を除き、ヘルメットの着用が義務付けられるのは、特殊なエリアに立ち入る見学会ならではですが、見学会参加者は白色のヘルメットを着用し、関電関係者は黄色いヘルメットを着用する事で、見学会参加者を識別できる様になっています。


そして参加者全員のボディチェックやヘルメット貸与・装着が済むと、黒部ダム駅裏手のくろよん方面へ向かう関電専用トンネル(黒部トンネル)内に停車しているバスに案内されるのですが、この続きは近日中に続編記事で取り上げたいと思います。