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福島交通・相馬方面急行バス再編に~南相馬への所要時間は短縮されるものの…

2011-12-16 | バス[東北]

先日「MAKIKYUのページ」では、21日にJR常磐線原ノ町~相馬間が部分復旧する事に関して取り上げましたが、現在首都圏から公共交通機関を利用し、JR常磐線部分復旧対象となる相双地区へ向かう場合、福島で新幹線から震災後に運行開始となった福島交通の急行バスに乗り継ぐのが最短ルートとなっています。


このバスはMAKIKYUが7月に相馬を訪問した際にも、相馬~福島間で利用機会があり、「MAKIKYUのページ」でも既に取り上げていますが、7月に利用した際には福島~相馬~南相馬(原ノ町)間を6往復運行しており、各地域内での利用は不可能なものの、相馬~南相馬間での利用も可能となっていました。
(写真はMAKIKYUが7月に福島~南相馬間急行バスを利用した際に乗車した車両です)

震災後に路線が開設されてからつい最近までは、ずっとこの運行形態で推移していたものの、福島交通HPによると15日から路線が再編され、福島~相馬間と福島~南相馬間の2系統での運行に改められています。

運賃は福島~相馬間で1000円、福島~南相馬間で1500円と従来通りで、複数人利用や往復乗車で割安となる専用回数券の設定も継続していますが、相馬~原ノ町間は21日復旧するJRで400円ですので、福島~南相馬間を移動する際には、相馬経由で急行バス相馬系統とJR常磐線を乗り継いだ方が安くなってしまいます。

それでも福島交通の一般路線バスに比べると随分割安感があり、一般道路走る高速・観光バスタイプの便を存分に堪能したいと考える方には絶好の路線と言えます。

またこの系統再編により南相馬発着便は、相馬を経由しない運行形態となっていますので、県都福島市や福島で新幹線などに乗り継いで各地へ向かう所要時間の短縮が図られており、以前MAKIKYUが福島~南相馬線に関する記事を公開した際に触れた途中通過地での乗降扱いも開始されています。

途中通過地で新たに乗降扱い開始となったバス停は、相馬便で相馬市内の粟津入口・山上学校前、霊山地区の霊山掛田の3バス停、南相馬便では川俣営業所が対象となります。

従来の一般路線バスではフォローできない相馬市山間部~福島や相馬地区~霊山掛田、そして一般路線バスが休止状態を余儀なくされている南相馬~川俣間のみが利用可能対象となっており、一般路線バスで対応できる相馬市内(本数は少ないですが…)や福島~川俣間などのみでの利用は対象外となっています。

福島~南相馬間の移動では運賃が少々割高になるものの、福島~川俣間一般路線と川俣~南相馬間の急行バスを乗り継ぎ、川俣町内に立ち寄ると言った旅程も可能になり、移動選択肢の多様化に加え、南相馬~川俣間の運賃は震災前の一般路線バスよりも大幅に安い1000円に設定されているのも評価できる事です。

ただ相双地区への路線が2系統の分離された事で、2系統合わせた運行本数は7往復と1往復増便されているものの、相馬発着便は4往復、南相馬発着便は3往復と、各方面への乗車機会が減少しているのは少々残念な事です。

また南相馬発着便が相馬を経由しない事により、今後JR復旧で相馬・原ノ町への移動利便性が向上するとはいえども、相馬~南相馬間の途中にある鹿島から、県都福島へ直通するバス路線設定が消滅する事は賛否両論が出そうです。

新形態で再スタートとなった相馬方面急行バスは、今後離れ小島状態で復旧するJR常磐線原ノ町~相馬間を乗車する際にもかなり有用な路線で、まだまだ震災前の日常を取り戻すには程遠い道程ながらも、JR復旧と共に相双地区復興の一旦にも感じますが、暫くの間この運行形態のまま推移するのか、また大きな運行再編が行われるのかも気になる所です。