MAKIKYUが2月初めに岡山県・美咲町の「柵原(Yanahara)ふれあい鉱山公園」へ足を運び、同公園内で月に1回運行される旧同和鉱業片上鉄道の動態保存運転列車に乗車してから早2ヶ月以上が経ちます。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、今度ゴールデンウィーク中の休みを利用して柵原へ…と考えているかもしれませんが、他記事公開や私用などが重なり、この保存運転列車に関してはなかなか取り上げる機会がない状況でしたので、今日取り上げたいと思います。
現在柵原ふれあい鉱山公園では、保存運行を担っている片上鉄道保存会が所有する車両と、美咲町が所有する車両などを合わせると、気動車・機関車・客車・貨車を合わせて10両以上の車両が保存されており、その内貨車の一部を除くと全て動態保存となっています。
片上鉄道が全廃となってから20年以上、また現役当時でも相当な古参車だった車両が含まれる事などを踏まえると、これだけの規模で古参車両の動態保存を行っているのは驚異的で、国内では加悦鉄道(京都府)を除くと、他に類がないのでは…と感じる程です。
(動態保存対象を古参車両に限定しないとすれば、他にも大規模な動態保存を行っている事例も存在するのですが…)
その中でも定例となっている毎月1度(第1日曜日)の保存運転では、大抵3両の気動車いずれかが単行運転で用いられ、午前中の運転ではキハ312号が運行されていました。
昭和28年(1953年)とかなりの古参車両という事もあり、外観や車内など至る所で草臥れた印象を受けたもので、1.5人がけの狭いボックス席なども、快適さとは程遠い世界です。
とはいえ板張り床の気動車自体というだけでも、一部を除くとなかなか乗れない今日、これだけの古参気動車が動態保存で稼動可能な状況にあり、一般人が乗車できる機会が存在する事自体が貴重です。
維持にかかる手間などを考えると、僅か200円の1日会員証で乗り放題というのは、柵原まで足を運ぶ手間や費用がかなり嵩むとはいえ、驚異的な破格と言っても過言ではなく、1乗車200円でもバチが当たらないと感じる程です。
そして午前中の運転が終わると、午後は別の車両を運行するとの事で入れ替え・車両交換があり、今度は流線型のキハ702号での運行でした。
こちらは近年大規模にリニューアルされ、久々の運行と案内されただけあり、午前中のキハ312号よりも更に古い戦前製、見るからに古そうな風貌の車両ながらも、内外共に非常に綺麗な状態となっていました。
同形車は以前門司港(北九州市)で静態保存されている車両を見学し、車内に足を踏み入れた事もあります。
その時には今日まで姿を留めているだけでも…と感じた程ですが、こちらは今も稼動する動態保存車(現役)で、この車両に乗れるだけでも、遠方からはるばる足を伸ばした甲斐は充分に…と感じる程です。
前面デザインや客室設備などは大きく異なりますが、製造年代などが近い事もあり、比較的近年の廃線まで鹿島鉄道(茨城県)で走り続けていた古参気動車(キハ600形)を連想させる雰囲気も感じたものでした。
午後の運行に供されたこの車両での運転も、午前中に購入した1日会員証だけで乗車でき、片上鉄道保存会の活動には頭が下がる思いで、午前と午後で車両を入れ換え、2種類の車両に乗車できる心配りも嬉しい限りです。
またMAKIKYUが柵原を訪問した日には、営業運転(?)には供されなかったもう1両の動態保存気動車で、保存気動車のキハ303号も昼頃の車両入れ替えの際にはキハ312号と共に稼動する姿を見る事ができました。
各車両共に昔ながらの非冷房車ですので、個人的にはできるだけ夏場の乗車は避けたいと感じるものの、機会があればまた柵原ふれあい鉱山公園を訪問したいと感じたもので、その時にはキハ303号に乗車できる機会が巡ってくれば…と感じたものです。
気動車以外の保存車両に関しても、追って取り上げたいと思います。