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丸濱産業(有)奈留島バス~小さな島を走るマイクロバス

2014-05-28 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、五島旅客船「ニューたいよう」に関して取り上げましたが、この高速船が寄港する奈留島は、島の名前を聞く事自体が初めてと言う方も少なくないかと思います。

奈留島は五島列島の中でも大きな島である中通島と福江島のほぼ中間辺りに位置しており、一応博多と長崎を発着するフェリーも1日1回ずつ寄港するのですが、それ以外の島外とを結ぶ航路は専ら福江発着(福江~奈留間or福江~奈留~若松島間)となっています。

本土と奈留島の間を直結する高速船などはありませんので、非常に足を運び難い島で、「離島の離島」と言っても過言ではない状況です。

以前は島全体が「奈留町」という一つの自治体でしたが、近年の市町村合併により、現在は福江島などと同じ「五島市」の一部となっています。

かつては人口1万人程度を数えた事もある様ですが、現在の人口は3000人台となっており、島内にある信号機は1つだけであるなど、典型的な離島となっています。

しかし小さな島とは言えども、港などのある中心部から島内全域へ徒歩で移動できる程ではなく、離島にしてはそれなりの人口もある事から、少ないながらも中心部から島内各地への路線バス運行もあり、丸濱産業という事業者が運行を行っています。

丸濱産業は奈留島内でタクシー運行も行っている事業者で、路線バスは車体に事業社名ではなく、通称の「奈留島バス」と標記しているのも大きな特徴ですが、バス車内にはきちんと「丸濱産業有限会社」の社名標記も存在しています。


島内の道路事情は、中心部でも車両同士の行き違いが困難な箇所も存在し、バス路線経路中に狭い曲がり角などもある事から、使用車両は過疎地の路線バスでは典型的なマイクロバスとなっていますが、専らいすず車が使用され、それも観光バスを連想させる様な車高の高い車両が主体となっています。

 
MAKIKYUが奈留島バスに乗車した際も、この車高が高い車両に当たり、このタイプが奈留島バスの主力になっていますが、車高が高いだけでなく床面も高床ですので、ステップ数も多く、乗降の際も観光バスや都市間バスを連想させる状況でした。


しかしながら観光バスの様な見た目の車両ながら、乗車時間は全区間を乗り通してもさほど長くない事から、座席は簡素な印象のビニール張りとなっているのも特徴で、利用者も殆どが島内客という事もあってか、車内放送案内などが存在しない辺りも、小さな島を走る路線バスらしいと感じたものでした。

ただMAKIKYUが乗車した車両では、多区間後払い制という事もあってか、当然ながら整理券発行機が装備されている他、次停留所名も文字案内されるデジタル運賃表示器や、自動両替装置付運賃箱などは備えられていました。


また運行車両だけでなく、バス停ポールや車両の行き先案内なども簡素なものとなっており、市町村合併で奈留島町役場は存在しないにも関わらず、今日でも「役場前」という名前のバス停が残存している辺りなども、離島のバスらしさを感じたものです。

車両前面に表示される行先案内も、汐池方面の循環路線では「汐池」表示のみであるなど、路線自体が限られる小さな島の中を走る路線バスらしいと感じたもので、奈留島港ターミナルへ向かう便に関しては、「波止場」という行先表示を出しているのも大きな特徴です。


専ら航路時刻に合わせた運行という事もあってか、早朝や深夜などの運行時間外以外でも、路線バスが運行されない時間帯も存在しており、その時間は港から中心部へ向かって歩き、旧役場などのある島内中心部を抜けた所に位置する営業所(港からは徒歩で移動すると20分程度です)に、路線バス車両が勢揃いする光景を見る事も出来ます。


車庫内に停車している車両の中には、MAKIKYUが乗車した車高の高いバスではなく、年式的にもやや古く、車高も他車両より低い車両も1台停車していましたが、こちらは自動両替器付運賃箱などの装備はなく、小さな島の中を走る小規模なバスながらも、全く同一の車両のみで揃えているのではなく、バリエーションが存在するのも特徴です。

この奈留島バスは主に島内住民向けに運行している事もあってか、丸濱産業のHPなどは見当たらないどころか、ネット上でダイヤを検索してもなかなかヒットせず、MAKIKYUも実際に奈留島へ足を運び、奈留島港ターミナル内の観光案内所でようやく運行時刻表を入手できるという有様でした。


そのため奈留島の路線バス時刻を知りたくても、なかなか情報が…という方も居られるかもしれませんので、バス車内に貼り出されていた運行時刻表の画像(2014年3月撮影)を公開しますので、もし奈留島へ足を運び、島内路線バスに乗車する計画を立てている方が居られましたら、参考にして頂けると幸いです。
(この画像はMAKIKYUが任意で公開した非公式情報です。
今後ダイヤ変更などがあるかもしれませんが、この時刻表を基に行動され、画像と異なるダイヤで路線バスが運行された場合に蒙った損害などに関しては、MAKIKYUは一切責任を負いませんので、悪しからずご了承下さい)