昨年12月に仙台市内で2本目の地下鉄路線となる「東西線」が開業、「MAKIKYUのページ」でも既に昨年末に画像を公開していますが、まだブログ記事としては取り上げていませんので、今日取り上げたいと思います。
東西線は名前の通り市内の東西を結ぶ路線で、日本国内に存在する地下鉄東西線は東京・札幌・京都に続いて4路線目となります。
市内中心部にある仙台駅で既存の南北線と交差、仙台市営地下鉄同士では初めて乗換駅が設けられると共に、JR各線との乗換えも可能となっています。
しかしながらそれ以外は全て単独駅(青葉通一番町駅と仙石線あおば通駅は乗換駅と見做す方も居ると思いますが…)となっているのが特徴ですが、市内東部や西部の今まで公共交通手段はバス便のみだった地域では、東西線開業で中心部各地へのアクセスが飛躍的に向上したと感じます。
建設費低減のためトンネル断面が小さく、小型の車両が用いられており、線路幅も標準軌(1435㎜)のリニア地下鉄であるなど、既存の南北線とは互換性のない別規格となっているのも大きな特徴です。
使用車両は2000系と称し、小型のリニア地下鉄用車両で4両という編成は、輸送力的には国内地下鉄各線の中では最小部類、都営大江戸線を除く国内リニア地下鉄各線と同レベルですので、地下鉄の中ではかなりコンパクトな部類と感じます。
ただ運行本数は昼間でも毎時8本程度確保されていますので、輸送需要と利便性の双方を兼ね備えた運行を行い、既存の南北線と時隔を合わせる事も考慮すると、短編成で頻発運行を行うのは悪くないと感じます。
車内に足を踏み入れると、小型のリニア地下鉄ながらも狭苦しさを感じる雰囲気ではなく、最新型車両らしく車内照明はLED蛍光灯を装備、車内LCDモニターによる各種案内なども行われ、LCDモニターが4か国語案内となっているのも評価できると感じたものです。
天井の造作や少し高級感を感じる内装などは、何となく関西私鉄で最近登場している新形式車両に近いものがあると感じ、これは関西私鉄の新型車両を多く手掛けている近畿車両が製造に関わった事も影響しているのでは…と感じたものです。
ワンマン運転故に自動放送となっている車内放送は、東京メトロや横浜市営地下鉄グリーンラインを連想する雰囲気で、この点は首都圏の何処かの路線に乗車しているのか…と錯覚する様な状況でしたが、既存の南北線と同様に客ドアのガラス窓が独特な形状となっている辺りは、他地域の路線とは異なる仙台市交通局の独自性を主張している様にも感じたものでした。
また車両面だけでなく、各駅の造作なども趣向を凝らした雰囲気となっており、単調で個性に乏しい路線も多い地下鉄にしては好印象でしたが、地上区間が複数存在しながらも地上駅が一つもなく、各駅のホームは既存の南北線と同様に島式ばかりと言うのは、車両撮影と言う点ではやや難ありと感じたものです。
(最も撮影し易いのは国際センター駅の荒井方かと思います)
ちなみに日本国内の鉄道は大半の路線に乗車、また韓国や中国では都市鉄道の整備がまだまだ…という事で、彼の地で新線が続々と開業していますので、近年の新線乗車は海外が主体となっており、国内の完全な新線乗車は久々と言う状況でした。
中国などで次々と開業する新線を追いかけきれないと感じる一方で、国内では1路線開業しただけでも結構大きな話題になるのは、現代日本の世相を表している様にも感じます。
ただ近年は縮小均衡傾向が表れている事を痛感させられる話題が大半を占める国内鉄道の中では、やはり年末に開業した札幌市交通局の市内電車新規開業区間(廃止路線の一部を復活・既存路線の電車が乗り入れ)共々明るい話題の一つと感じ、機会があれば札幌市電の延伸区間も是非一度…と感じたものでした。
札幌は仙台の様に青春18きっぷなどで簡単に行ける所ではなく、北海道新幹線試乗と合わせて足を運ぶにも、首都圏からでは少々大掛かりと感じるのは難点ですが…