先月MAKIKYUが関西方面へ足を運んだ際には、久々に京都府北部へも足を運び、北近畿タンゴ鉄道から事業移譲が行われた京都丹後鉄道(丹鉄)にも、移譲後初めて乗車したものでした。
丹鉄は旧高速ツアーバス大手のウィラーグループが運営している事でも有名ですが、運行車両でウィラーグループの都市間バスでお馴染みのピンク色の装いは用いられておらず、ウィラーらしいと感じるのは駅名標程度という状況と感じたものでした。
ただ北近畿タンゴ鉄道末期から車両の改装が進められ、近年JR九州や両備グループなどの車両デザインで定評のある某有名デザイナーが改装に関与したリニューアル車両が次々と登場、目を惹く存在となっています。
その一つが「丹後あかまつ号」で、一般車両の主力車両になっているKTR700形気動車を観光列車専用車両に改装し、一般車両と連結して特定ダイヤの普通列車として運行しています。
「丹後あかまつ号」乗車の際は310円の乗車整理券購入が必要ですが、満席でなければ車内でアテンダントから乗車整理券を購入する事も可能、また一般車両と併結する事で整理券完売時も列車への乗車自体は可能で、短距離利用の地元客にも配慮している辺りは評価できる気がします。
ちなみに「丹後あかまつ号」は「あかまつ」という名前の通り、赤を基調とした装いとなっており、同型車を改装した他の観光列車用車両は「くろまつ(黒)」と「あおまつ(青)」も存在しています。
車内に足を踏み入れると、随所に見られるロゴや英文字をはじめ、木をふんだんに用いた内装、市松模様を用いた座席モケットなどは非常に特徴的で、一方車両側面や天井の化粧板はシンプルな白色と言うのも、某有名デザイナーが最近改装に関与した車両の典型と言った雰囲気と感じたものでした。
乗務員室の折畳座席も客席とは異なるデザインながら、様々な所で某有名デザイナーが関与した車両に乗車した事がある方ならば、お馴染みとも言える柄のモケットが採用されており、これも地味ながら注目点の一つという気もしたものでした。
また客室中央付近には本棚も設けられ、この本棚には某有名デザイナー自らが車両デザインに関して記した本も見かけたものでしたが、某有名デザイナーが関与した観光列車に各地で乗車していると、他地域の某有名デザイナーが関与した観光列車と似た様な状況となっており、初乗車ながらも何度も乗車した事がある車両の様に錯覚してしまった面もあります。
とはいえ全区間乗り通しても料金310円で乗車できる観光列車としては、設備的にはまずまずという印象で、観光列車ならではとも言える景観の良好な箇所での徐行運転なども評価できると感じたものでした。
丹鉄は沿線のほぼ中間地点に日本三景の一つにも数えられる「天橋立」を抱えており、「丹後あかまつ号」も観光列車と言う列車性質上、天橋立駅で過半数の乗客が入れ替わり、西舞鶴~豊岡の全区間を乗り通した乗客はMAKIKYUだけという状況でしたが…