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静岡鉄道 A3000形電車「shizuoka rainbow train」~静鉄では久々の新形式車両

2016-04-13 | 鉄道[東海]

今春の「青春18きっぷ」(JR普通列車乗り放題の格安企画乗車券)有効期間は10日で終了となりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、今春にこの乗車券を利用して遠方への旅行などに出向かれた方も少なくないと思います。

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も今春に青春18きっぷを利用して西日本方面へ向かう機会がありましたが、その際には道中の静岡市内で途中下車、別途運賃を支払い静岡鉄道(静鉄)の電車にも乗車し、同線で活躍を始めたばかりの新型車両にも乗車する事が出来ました。

この新型車両は「A3000形」と称し、初期車登場から40年以上が経過した既存の1000形車両代替用に今後も導入予定となっていますが、既存1000形全編成(12編成)代替の内7編成は「shizuoka rainbow train」と称し、編成毎に異なる鮮やかな装いで登場する事も発表されています。


活躍を始めたばかりの同形第
1編成も「shizuoka rainbow train」の一員でブルーを基調とした装いを纏っており、特徴的な前面形状と共に没個性的な印象になりがちな「sustina」と呼ばれる総合車両製作所(J-TREC)のメーカー標準仕様車でも、外観は特徴的な印象を受ける車両に仕上がっているのでは…と感じたものでした。


静鉄では久々に登場した最新型車両と言う事もあり、行先表示も静鉄では初登場となったフルカラー
LEDを採用、日本語とEnglishが交互表示となるタイプですが、一部時間帯で急行列車を運行する関係で、運行列車の大半が普通ながらも、色分けされた種別表示も行われているのが特徴です。
(
優等列車の運行本数などを考慮すると、普通運行時には種別無表示でも差支えない気もしますが…)


車内に足を踏み入れると、メーカー標準仕様をほぼ踏襲した車両と言う雰囲気が漂い、ステンレス剥き出しの客ドア内側や
FRP成形の天井板などは、近年首都圏私鉄などでよく見かける光景と大差ない印象を受けます。

大型袖仕切りやバケットタイプのロングシートなども、近年の標準仕様と言う印象が強いものですが、ドア付近以外のつり革(長さが長いモノ)の吊り輪形状は他社ではまず見かけない独特な形状となっているのが大きな特徴と感じたものでした。


ただ専ら
2両という短編成で地上区間のみを走行する事もあるのか、近年の新型車両では珍しく車両間の仕切り扉が見受けられず、貫通路も広幅となっているのが特徴的で、この点は昭和時代の私鉄車両を思わせる雰囲気があると感じたものでした。


運転台は既存の
1000形と同様にT字型のワンハンドルタイプを採用、それどころかドアチャイムまで東急線でお馴染みのタイプ(東急関連以外ではまず聞かない)を採用している辺りは、東急の影響が強い路線ならではとも感じたものでした。


ただドア上に設置された
LCDモニターによる案内表示は、近年阪急電車や阪神電車の最新型車で見受けられるモノと同種と見受けられ、中国語や한국어も表示される横長タイプを採用しているのが特徴的と感じたものでした。

電車発車前のブザーや既存1000形とは異なる英語放送入り自動放送なども関西私鉄に近い雰囲気と感じ、車両面では関東私鉄に近い雰囲気が漂い、地理的にも首都圏からさほど遠くない地域を走る鉄道ながらも、静鉄グループがスルッとKANSAI加盟社局の一つという事も影響しているのか…と感じたものでした。

またスルッとKANSAI加盟社局の中では、南海電気鉄道も近年まで東急車輌製の車両を好んで導入、同社が東急資本から離れてJ-TRECに転換した後にもJ-TREC製車両を導入した事例がありますが、最新型車両では近畿車両製に移行した事もあり、A3000形はスルッとKANSAI加盟社局では初の「sustina」シリーズ登場という事にもなり、この点でも注目の存在と感じたものでした。