先月複々線化事業完成による大規模ダイヤ改正を実施、登戸以東での混雑緩和や大増発などが実現した小田急線は、今年首都圏で最も注目の路線と感じている方も少なくないと思います。
計画されていた複々線化事業の完成が実現した今日でも、代々木八幡駅と開成駅のホーム延伸工事、通勤型車両3000形8両編成の中間車増結による10両化などが進められ、今後更なる輸送改善が図られる事が約束されていると言っても過言ではない状況で、今日付でこれらに加えて車両リニューアル(1000形と30000形EXE)やホームドア整備推進なども含めた「鉄道事業設備投資計画」が発表されています。
今日付で発表されたニュースリリースではこの「鉄道事業設備投資計画」に加え、「ロマンスカーミュージアム開業」というリリースも目を惹くものと感じ、こちらは2021年春開業予定と発表されています。
小田急電鉄は私鉄界では保存車両数もかなり多い部類、これらの車両が常設展示された施設の開設を切望する人物も相当数に及んでいると思われ、MAKIKYUも出来る事なら是非小田急沿線の何処かで…と思っていました。
ネット上でもJR東日本の「鉄道博物館」開館日と同日に「小田急バーチャル鉄道博物館」を開設するなど、小田急電鉄社内でもいつかは博物館開館を実現させたいと考えている人物が相当数いるのでは…と推測される状況でした。
小田急が社運を賭けた複々線化事業が一段落しまもなくGW連休期間を迎える今日、遂に公式発表が出たのは、小田急ファンの一員としては「遂に…」と感じる所です。
小田急沿線で広大な土地を確保するだけなら、伊勢原市内や開成町内などの方が地価も割安、また小田急線利用喚起・需要創出という点でも優位と感じますので、海老名の車両基地に隣接して開設というのは、一帯で商業施設やマンション開発が進捗している事などを考慮すると、個人的には少々意外だった気もします。
しかしながら海老名でのミュージアム開設となると、車両基地隣接立地ならではの催しの実施可能性、近隣商業施設への誘客に加え、都心方面からは特急ロマンスカーでのダイレクトアクセスも可能、また小田急線に加えて横浜や茅ヶ崎などから他社線でのアクセスも可能であるなど、移動選択肢が多様な事なども評価されたのでは…と感じています。
ちなみにミュージアム開業予定が発表された今日、近場という事もあり、恐らく建設地になると思われる海老名駅(西口)近くの検車区脇にある空き地も視察して来ましたが、ここなら先頭車と一部中間車程度に短縮された歴代ロマンスカー車両数編成程度の保存も出来そうな広さと感じたものです。
その気になれば空き地奥(小田原方)にある検車区施設内の小屋も解体、もしくは移設してミュージアム用地に転用する事も出来そうな雰囲気と感じましたが、今後この空き地がどの様に変貌していくのかも気になるものです。
このミュージアムの開業予定は2021年春、保存車両は現在非公開保存されている歴代ロマンスカー各車種(旧3000形SE車・3100形NSE・10000形Hi-SE・20000形RSE)とまもなく全廃となる事が想定される7000形LSEに加え、小田急線開業当初に導入されたモハ1形(一般車両)の名前が挙がっています。
「ロマンスカーミュージアム」と称するだけあって、収蔵・公開される保存車両の大半が特急車両となっており、小田急の保存車両は特急車両比率が高い事も考慮すると、ミュージアム収蔵車両も特急車主体になるのは必然と感じます。
(写真は以前ファミリー鉄道展で公開された旧3000形SE車&特急車両の並び:青いロマンスカー(60000形MSE)は保存対象外です)
しかしながら一般車両も保存車両として名前が挙がったモハ1形以外に、バーチャル鉄道博物館で公開されている2600形・9000形、これに加え2200形(写真)の3形式が保存されています。
この一般車3形式は現状通り喜多見検車区内で非公開保存継続なのか、それとも別の形で保存場所移動と共に公開保存、もしくは非公開保存となるのかも気になる所です。
(海老名検車区内で非公開保存されている旧3000形SE車の新ミュージアム移設はほぼ確実な情勢ですので、もし活用可能ならSE車保存庫への移動で喜多見検車区の留置線を空けるのも一つの方法かもしれません)
今後の展開も楽しみな朗報と感じ、3年後に予定されているロマンスカーミュージアム開館が待ち遠しいとも感じ、ミュージアム開館の暁には「小田急バーチャル鉄道博物館」は実在博物館への役割継承で閉館を迎えるのか否かも気になる所です。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、ロマンスカーミュージアム開業リリースを見た際の感想等ありましたらコメントもどうぞ。