燃料高のため2日間の休漁、というニュースが昨夜7時のNHKニュースで流れて・・・
おっ、実家前の景色がテレビ画面に映っているわ、とミーハー気分のそばから、
ついにこんな事態になってしまったか、とため息が出てくる。
店に並ぶイカが例年に比べて圧倒的に少ない、値段がやけに高い、と思っていた矢先のこと。最盛期はまだなのかなと思っていたら、そういうことでもないようだ。
6月から7月にかけてのスルメイカは、大きくはないが柔らかくて刺身にすると抜群にうまい。甘みがありいくらでもするするとお腹に入る。一人前2匹なんてあっという間で。
佐渡の人にとってスルメイカには特別な思い入れがある気がする。
登山の時のお弁当にまで焼きイカのおかずを入れて来る。それがおすそわけで皆の間を回る。島外で同級会が開かれると、誰かが焼きイカをおつまみに持参する。
旅に出た息子娘、親戚には、せっせと自家干ししたスルメイカの一夜干しを送る。
それが・・・
こんな休漁なんてことになろうとは。とっくに出漁する時間になっても船は怒り(錨)を下ろしたまま。(右の船は網漁だから違う)
戦争から帰った父は、食べるためにいろいろな仕事をしたが、最終的には漁師になった。夏はイカ、冬はマスを獲る。
夕方、沖に出て、朝方帰ってくる。今のように魚群探知機がないから経験と勘で、イカを求めた。船も設備もずい分原始的だった。
それでも、何回も船が沈むのではないかと思うくらい大漁だったことがあるとよく自慢していた。父の船だけではない。仲間の船だってそんないい思いをしていた。
北海道や八戸からもたくさんの船がイカ釣りに来ていた。
そんなことが、わずか4,50年前まではあったのだ。
波穏やかな昨夜の両津湾沖はいつもの漁火はなく、怖いくらいの真っ暗な海そのものだった。