佐渡でのこと。某場所で打ち合わせも終わり、その手の話になった。
現在の私たちはなんといっても食べ過ぎるんですって。
秋刀魚なんか半分でいいんですって。
「えーーっ、秋刀魚が半匹!食べた気がしないわ、半分だなんて」
あら、慣れればそれで十分よ、と言われたけれど、ああ、そんな問題じゃないの。
私の脳内では忙しく妄想が始まったわけ。
(平泉です)
半分ねえ・・・
胴体真っ二つに半分か?
皿に頭の方側と尻尾側。父には頭側か、私は尻尾側か。
私はしぶしぶ恨めしそうに父のお皿を見るに違いない。
行儀悪く腹の真ん中から箸をつけたい私は、不服に思うに違いない。
かといって、父に尻尾の方のお皿を置くのか?出来ないでしょう。
年寄りは油気がなくても、とも思えないしなあ。なんとも複雑な問題だ。困る。
そ、それでは頭から尻尾がついているからって、2枚おろしのように分けるのか?
皿に薄っぺらい秋刀魚が横たわっているだけでいいのか。
やせててまずそうだよね。困る。
秋刀魚半分の話を夫にした。
「私が、尻尾の方のお皿をあんたの目の前に置いたらどうする?」
はらわたがついているいないで、目が血走った夫だから、もちろん拗ねるうらむんだって。そうだろうなあ、納得。で、その夫が、ナスさんと飲むときのことを教えてくれた。
ナスさんはいつも、夫に尻尾の方をよこして、自分がはらわたつきの頭の方をとるんですって。そして「お前は肉の方を食え」なんて言うんですって。
「畜生と思うんだけれど我慢するんだ」
といじましいことを言うから、
「2匹注文すればいいじゃないの。」簡単じゃん、と知恵を授けると、他にも多々注文するから秋刀魚は1匹でいいんだと、けちなことを言うわけ・・・
ああ、秋刀魚半分はいろいろな物議をかもし出すわ。
話題を提供してくれるわ。
秋刀魚も奥が深い。