友の訃報をもらったのはいつも通りパソコンを開いて、ブログにあげようと、
前日花見をした称名寺の写真を整理しているときだった。
夫に伝えるも、こみあげてきて声が震えてくるから事実だけにする。パソコンに戻って。
それからは写真を選ぼうにも判断がつかない、同じような写真の選別がつかない。
もうやめにしようと次に、早い時間だが友二人に訃報のメールを送る。
そこからいくつかのやり取りをして、その後習慣のブログ巡りをした。
いくつかのブログを読んだけれど目が上滑りして入ってこない、やっぱりやめた。
文字にすれば胸の内を整理できるかと「サクラ散る」のブログを書き上げた。
書いている間も、何が何だか分からない泣きたいような気持ちだけは続いて
身の置き所がない。
家にいてはだめだ、2、3日の内に行こうと思っていた横浜公園へ行って来よう、
と決めてからは早かった。うらうらの春の日。
行きの地下鉄の車内では暗い気分を引きずっていたが、横浜公園の整然と並んだ強烈な色の
チューリップを見たとたん、写真を撮ることに夢中になった。
チューリップなんて好きじゃないと思っていたのにね。
ただただ写真を撮ることだけに集中して、休むでもなく鑑賞するでもなく1周したら
いつのまにか鬱々とした気分が霧消していた。
彼女は、大好き!と公言してはばかることのなかったご主人のもとに旅立ったんだ、
会いたい会いたいといつも言っていたご主人カッチャンにようやく会えるんだ、と。
すーっと私も彼女に同化していた。帰りの地下鉄では身体の力が抜けて楽になった。
それにしても、不調を訴えたのが昨年の12月、1月に病名が分かった時は
すでになすすべなく、緩和施設に入ってからが約ひと月。
近いうちにこの日が来ることは分かっていたとはいえ、徐々に受け入れていたとはいえ、
やっぱり早すぎる。
*神代曙とチューリップ
圧倒的な色の競演。
そうはいっても、夫より長い付き合いのあった人の不在感は不意に襲ってくる。