気ままに

大船での気ままな生活日誌

大倉集古館で鼻煙壺と清明上河図を観る

2012-02-02 09:36:59 | Weblog
お墓参りとセットでふたつの美術展を観てきました。えっ?幽霊展とか、恐い絵とか、そうだ冬子展でしょ。違いますよ、お寺さんの最寄りの駅、武蔵小杉から便のよい美術館に行ったのです!東横線と地下鉄日比谷線が中目黒で繋がっていて、六本木まで簡単に行けるのです。それで、六本木のサントリー美術館で安宅コレクションをみて、そして一駅、神谷町で降りて、大倉集古館に行ったというわけです。

何故、大倉集古館かというと、トーハクで十分、観られなかった清明上河図が、模本だけど展示されていると聞いたから。加えて、鼻煙壺の沖正一郎コレクション展もちょっと楽しみにしていた。それは、昨年9月のコトダッタ。岸和田のだんじり祭りをみた帰り、大阪市立東洋陶磁美術館に寄ったときに、特集展示されていたのだ。そのとき、もう一度ゆっくりみてみたいと思っていたノダ。もちろん、常設の安宅コレクションも観ているから、今日は、両展を同日に、東京の別々の美術館でみるという奇跡に近いことをなしとげたのだ。えへん、えへん。

まず、鼻煙壺。わからない人が多いと思うので、ちょっと説明すると、17世紀後半ごろ、ヨーロッパから中国に粉末状の煙草を鼻孔から直接吸引する、いわゆる嗅ぎたばこの習慣が伝わった。この粉煙草を入れる壺のことだ。この鼻煙壺がなかなかしゃれている。壷には工芸技術の粋を極めた精密な細工がなされ、色彩も華やかだ。材質はガラスが多いが、玉、瑪瑙、水晶、陶磁、金属(七宝)等など。そして動植物まで使われ、象牙(マンモスのものもある)やべっ甲、ヤシの実、瓢箪まである。

香港駐在の商社マンであった沖正一郎氏は、はじめ中国の陶磁器の蒐集をしていたが、自宅がいっぱいになり、奥さんに怒られて(笑)、小さなものを蒐集し始めたとのこと。その、20年に渡る、コレクション約1200点の一部が展示されているノダ。まるで香水瓶のような、といったらよいだろうか、男の持ち物というより、女性が好みそうなうるわしい小壷だ。

展示品の後半に、透明ガラス内絵の”清明上河図文”の鼻煙壺をみつけた。そこには、虹橋などの名場面が描かれていた。シリーズになっている。説明があった。”清明上河図は北京の故宮博物院本が有名ですが、あまりに有名になりすぎて、固有名詞というより普通名詞になり、70位の模本がつくられたほど。だから鼻煙壺の文様にも使われました”

その、模本のひとつが二階の展示室にあった。”清明上河図”伝仇英作、明時代16世紀。遠目には、色彩といい、大きさといい、トーハクで観た(覗いた、と言った方が正確)ものと変わらない。180分の行列もなく、ゆっくり眺めることができた。虹橋もちゃんとあった。でも、詳細にみると、橋を渡る人々は北宋時代の人ではなく明時代の人だ。流通の要所として繁栄した蘇州の風景を基にしているようだ。でも、今度はいちいち、小さく描かれた人々の姿を目でゆっくり追うことができ、楽しいひとときをすごすことができた。

ぐるっとパスも使え、うれしかった。これで、はやくも2000円分の元をとって、プラスに転じたようだ。



清明上河図 伝仇英作 ”虹橋”辺り


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1 コメント

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Unknown (小父さん)
2025-02-04 10:58:39
昨晩放送のバタフライエフェクトで「ラストエンペラー溥儀 財宝と流転の人生」を興味深く見入っていましたが「清明上河図」の展示も日本であったと聞きましたので「もしや?」と思ってググってみました!(笑)

「岸和田のだんじり祭りをみた帰り」との記述もあり、また感心しきっております。

有難うございました。
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