まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第1番「青岸渡寺」(2回目)~西国三十三ヶ所巡り・14(キハ40・48を追い求める)

2015年03月03日 | 西国三十三所
西国三十三所巡りで目指す那智山青岸渡寺だが、計画段階で紀勢線の松阪から新宮までの気動車の運用に合わせて時間を決めようかという、西国巡りの主旨からすれば本末転倒なプランでやって来た松阪。まあここまで来れば、ブログのカテゴリーも東海地方の鉄道旅行にして、寄り道で那智山まで足を伸ばしたと言ったほうが話は早い。

まだ真っ暗な5時前にチェックアウト。外はしっかりと雨が降っていて、傘を差して駅まで向かう。ちなみにこのホテルAU松阪、駅に近く線路際とあって、部屋からは近鉄やJRの列車が行き来するのが見える。滞在中、列車がガタゴトいう音もよく聞こえたので、それが耳障りな方は苦痛かもしれないが、お好きな方にはいいかなと。

部屋に滞在していた時、外は夜なので車両の全貌はつかみにくかったが、音がして窓から覗くと、たいていは近鉄特急の車両だった。特に夜遅くは、宮町の車庫に回送する都合もあってか、松阪終着の列車が増えるようだ。前日に伊勢中川で乗り換えを待っていた時にホームの時刻表を眺めていて、松阪への特急が(大阪、名古屋双方からのを合わせて)1時間に5本とか、近郊都市の通勤電車並みの頻度で出ているのにうなったものだ。そう書くと近鉄の普通列車は悲惨なのかなと思われるが、紀勢線の頻度を見ると近鉄のほうが普通列車も多い本数を走らせているのに気づく。

・・・ホテルから駅に着くまでのことを長々と書いたが、さすがに朝5時では駅構内にいる人もまばら。まずは青春18きっぷに日付を入れてもらって、5時20分発の新宮行きに乗ることにする。

そして5時20分発の新宮行きを見ると・・・情報にもあった通りやはりキハ11の2両編成(新旧バージョンがあるので見た目は別に見えるが)。早い時間に新宮、さらにその先の紀伊勝浦まで行くのが最優先ならこれに乗り通せばいいことで、大阪に早く帰ることができる。ただ今回は車両のこともある。前日決めたプラン通りに、これで多気まで行き、参宮線に乗り継いで伊勢市まで行き、伊勢市始発の亀山行きを捕まえる。それで多気まで戻り、新宮行きに乗り換える。

キハ11の古い方の車両に乗り込み、これから紀勢線乗車を味わう。外はまだ真っ暗。

多気に到着。この駅を初めて通過したのは高校生の頃のことだが、その時に「多気は、気動車が多いから多気と呼ばれるようになった」などというイメージをした。もちろん町の由来はそんなことではないのだが、今回朝の多気駅に来ると、それも副産物的に言えているかなと感じてしまう。

多気は島式ホームが2つある。その4番線に到着した新宮行きだが、ここで前に2両を造血する。向かいの3番線にはキハ11が2両停まっているが、次に乗る鳥羽行は前の1両のみ。後の1両には亀山の表示がある。

跨線橋を渡った向こう側の1・2番線では、1番線にはキハ48の2両編成が2本停まっている。ホームの時刻表ではこの後6時37分発の亀山行きと7時05分発の新宮行きという全く逆方向への列車がそれぞれ1番線から発車するとある。ということは、亀山寄り2両が亀山行きで、新宮寄り2両が、私が「乗車機会をかける」と思った列車に割り当てられるようだ。やれやれ、どうにかお目当てに出会えたようでほっとする。もっと欲を言うなら、このクリームと朱色に塗り分けられた「国鉄型塗装」の車両が新宮行きであればよかったと思うのだが、まあ沿道で撮影するわけでもなく、一度乗ってしまえば内装は変わらないということで、ここでは見られただけでもよしとする。

さてこれでこの後の列車の目星はついたが、駅周囲にスポットのなさそうな多気駅で時間をつぶすのももったいない。ここは前日立てた予定通り、参宮線で伊勢市まで向かう。乗るのはキハ11の新バージョンである。

6時05分、伊勢市に到着。伊勢神宮の外宮への最寄駅ということで、伊勢参拝の多くの乗客が下車する駅である。外宮へは駅から歩いて10分かからないが、折り返し6時29分発の列車で多気まで戻らなければならないので参拝はできない。そろそろ夜が明けようかという薄暗い中、せめて伊勢市まで来たのだからと、外宮、内宮の方向に向いて手だけ合わせる。西国三十三所の歴史も長いが、現在のように那智の青岸渡寺が一番札所となったのは、東国からの伊勢参拝の人たちの影響である。伊勢に参拝し、その後も歩いて西国巡礼をしようという中でたどり着くのが青岸渡寺である。とすれば、伊勢市から参宮線と紀勢線を乗り継いで那智大社、青岸渡寺まで行くというのは、なかなか面白いことではないかと思う。

そうして向かった伊勢市からの折り返しは、隣接する伊勢車両区から出る亀山行き。ここで初めてキハ48に乗ることができた。ある程度予測はしていたが、やはり実物は違う。最近、軽快型の気動車も増えているが、収容人数も多く、性能としてそれほど遜色もない旧国鉄型車両が減られれる一方にあって、まだまだ頑張っている。まずこれに乗ったことで安心する。

多気に到着。2番線に着いたが、7時05分発の新宮行きの乗り換えとして案内された1番線に停まっていたのは、6時前に多気に到着した時に見ていたキハ48の2両編成である。日曜の朝のこととて乗客の姿もほとんどなく、ボックス席を楽勝で占領することができる。

席を落ち着けたところで再びホームに出ると、先ほどまで乗ってきた伊勢市始発の亀山行きも長く停まっている。ここで後ろに1両増結するのだが、その車両が何とキハ40の旧国鉄風塗装の車両。その車両が増結されたり、各方面へ向かう列車が各ホームに停まっているのにうなり、「やはり多気は気動車の多いところ」という妄想をしたりするうちに、私が乗る新宮行きの発車案内があった。さていよいよ新宮まで南下する。

・・・何だか、これで今回の巡礼の目的の大きな部分を達成してしまった感はあるが、エイヤっと乗り換える。ここから紀伊半島の南東部の海岸線に乗って走ることに・・・・。
コメント