まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第19番「革堂行願寺」~西国三十三ヶ所巡り・18(六角堂までぶらぶら)

2015年03月31日 | 西国三十三所
勝負の世界だからそりゃ敗けることはある。長いペナントレースの中では、4連敗くらいすることもある。

・・・ただ、開幕からの4連敗というのはいただけない。打線はあれだけ雁首揃えていても4試合中3試合で零封、投手陣も先発が早々と崩れるようになった。結構、重症ではないだろうか。いったいこれからどうなるのやら。

話を西国三十三所めぐりに戻す。

19番の革堂のお参りを済ませ、次は18番の六角堂を目指す。十分歩けるところだが、革堂を終えてまだ9時前、何もない日曜なら張本さんの「喝!!」を見ている頃合いである。せっかく洛中に来たのだから、小雨の中少しぶらつくことにする。

京都御苑が近いのでそちらに向かう。御苑の南東の角に出る交差点の手前に神社がある。下御霊神社。奈良~平安初期に政争や反乱の末に亡くなった8柱の霊を祭神とする。「御霊会」という行事があるが、こうした形で亡くなった人が怨霊となってこの世に災厄をもたらすというのは古くから信じられていたことで、それを慰めて逆に現世を守護してもらおうというのも、かなり昔から信仰されたことである。その代表的な人物が菅原道真で、そこから派生した天満宮、天神さん。

下御霊神社も革堂と同じ通りにあり、いずれも地元の人が気軽にお参りする雰囲気である。ただ、特徴的なのが、手水場にポリタンクを持ち込む姿。由緒ある水のようで、水を汲みに来る人への駐車禁止の貼り紙もある。リュックに水のペットボトルがあるので入れてもいいかなと思ったが、さすがにそのままでの飲用には適していないようで、持ち帰りはパス。

そして入った京都御苑。今、平安時代の作品「今昔物語」の原文を岩波文庫で読んでいるのだが、大宮御所や京都御所の塀や、幅広い道に当時への想いを掻き立てられる。

ちょうど桃園が見頃を迎えていた。晴天ならなおよかったなと、少し残念。

蛤御門を出て、南下して六角堂を目指す。するとすぐ右手に「護王神社」の幟が見える。「足腰」「猪」「和気清麻呂」という、三題噺のような言葉が並ぶ。初めて目にするスポットだが、先を急ぐわけでもなく、立ち寄ってみる。

神社には狛犬が付き物だが、ここは狛犬ならぬ「狛猪」。また手水場の水の出口も猪である。

外壁にも境内にも由緒の説明があり、これを読むとなるほどと思う。

和気清麻呂は奈良末期~平安初期の役人。彼の名前が一躍世に出ることになったのが、「弓削の道鏡を天皇にせよ」という宇佐八幡のお告げに対し、その真偽を確かめよという称徳天皇の命。道鏡からは「よい返事をすれば高い位を与える」と言われたが、清麻呂が宇佐八幡で聞いたご託宣は、「日本は古来から君と臣は定められている。だから道鏡を天皇にしてはならぬ」というものだった。私は以前歴史物の番組で、このご託宣を「答えは清麻呂、お主の心の中にある」としたのを見たことがある。つまり、あの答えは清麻呂の忠誠心から出たとするものである。まあ、そのほうが現実的だし、そうでなければ清麻呂が後生まで称えられることはなかっただろう。

で、足腰と猪だが、清麻呂が称徳天皇と道鏡によって九州に流される途中、道鏡は清麻呂に刺客を放ち、清麻呂は足の腱を切られる。そんな中、宇佐八幡のある豊前にたどり着くと、何頭もの猪が出てきて清麻呂を護衛した。こうして無事に配流の地に着くとともに、足の傷も治った。清麻呂は後に復権して桓武天皇の下で平安京の建設にも携わるなど大いに活躍した。

時代が下って明治大正昭和の大日本帝国。その10円紙幣に出るのは清麻呂である。その肖像画とともに社殿が描かれているが、それこそはこの護王神社である。また、時代によっては裏面に猪が描かれていた。ひょっとしたら、当時としては一般にも広く知られた歴史の一面なのかもしれない。

こんな三題噺で私も面白いなと思ったし、猪づくしもうならせるものがあった。京都には、まだまだ奥深い、知る人ぞ知るスポットが多数ある。

平安女学院大学の有栖川門の桜も見た後、四条烏丸まで来る。京都の中心街とあって、高いビルも建ち並ぶ。

ここで、バス停の広告に女子プロ野球・京都フローラのポスターを見る。前日28日に今季の開幕戦を迎えている。この29日も、西京極球場「わかさスタジアム」で兵庫ディオーネとの第2戦がある。これ、六角堂の後でも十分行けるのでは?

思いがけない女子プロ野球の登場である。これまでもせめて一度観戦したいなと思っていたが、いきなりこんな形とは。しかも日程を見れば、この日に行くのが最良のようだ。

・・・これも、革堂のばあちゃんの言っていた観音さんのご縁なのか。ただ、雨がどうなるか。まず、六角堂にお参りして、そこから考えよう・・・。
コメント