


















さて時刻は17時前、八十八所めぐり定番?の「夜の八十八所」探しである。フロントにはお手製の近隣の店紹介の地図が置いてあり、これを元に物色する。シャッター街に見えた商店街の路地にも居酒屋があるし、無難なチェーン店なら養老乃瀧もある。
ネット検索と合わせて見る中で、四国中央市のローカルフードに「揚げ足鶏」があるのを知る。鶏の足のところ、丸亀をはじめ香川ならこれを焼いた「骨付き鶏」が人気のメニューだが、四国中央市の川之江や伊予三島では素揚げにするのだという。あくまで「揚げ足鶏」で、「揚げ足取り」ではない。


小ぶりな店内は17時すぎだがごった返す様子だ。カウンターに座ると、店の大将が次々に鶏の足肉を少し手でほぐして油の中に次々に放り込む様子がよく見える。また他の部位もパン粉をつけて別の油の中に放り込む。奥の座敷にゴルフコンペの打ち上げらしいお父さん方の団体が入ってすでに出来上がっていて、そこからも次々注文が来る。店員も少ないので対応に追われている。


店がてんてこまいなのは奥の団体だけのせいではなく、ひっきりなくかかる電話のせいもある。いずれも持ち帰りの注文で、鶏肉と油とパン粉と格闘する大将も手をはたいて受話器を取る。その注文、私が聞く限りでは出来上がりが最初「15分後」「30分後」だったのが、そのうち「1時間後」となり、「足以外はダメ」となり、ついには「今日は売り切れました」として電話注文はお断りとなった。開店は16時で、現在まだ18時すぎだが・・。一方で、電話注文の客が裏口から訪ねてきて、ケーキなど入れる容器に入った揚げ足鶏を持ち帰るのも待たせる状態となった。クリスマスにローストチキンを持ち帰る光景が、ここ川之江では日常的に行われるわけだ。

これ、大阪で同じことされたら客は怒って2度と利用しないだろうな。店の方も、オペレーションを何とかして店内、持ち帰りの客両方をうまく回そうとするだろう。どこの居酒屋で、開店から2時間で店を閉めるところがあるか。忙しいのはわかるが、どこかもったいないように思う。元々持ち帰りメインの店だとか、川之江の人たちもクルマ社会なのだろうが、持ち帰りよりも店に食べに来ようとしないのかな・・・?
この後は部屋でゆっくりする。翌日30日は午前中に65番の三角寺にお参り、その後で川之江野球場での四国アイランドリーグ観戦である。忙しい1日になりそうだが、その前にゆっくり休むことにする。ホテルの周りは実に静かだ・・・。