まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第17回四国八十八所めぐり~第60番「横峰寺」

2018年05月15日 | 四国八十八ヶ所
朝から10キロ近く歩いてようやく到着した横峰寺。山門をくぐり、手水場の水で一息ついてから参拝である。

手水場から20段ほどの石段を上がったところが本堂だが、その前に一面のシャクナゲの花が広がる。ちょうどこの時季が見ごろの花である。何だかこの景色を見ただけで、これまで長く歩いて来た疲れが癒されるようだ。境内は山道を歩いて来た人以上に、駐車場側から来た人で賑わっている。本堂の前でもお勤めする白衣、笈摺姿の人が目立つ。

横峰寺は役行者が石鎚山で修行していたところ、蔵王権現が現れたのでその姿をシャクナゲの木に刻んで安置したのが初めとされている。その後、弘法大師が入山した時に大日如来を刻み、本尊にしたという。長く石鉄権現の別当寺だったが、明治の廃仏稀釈の影響でいったん廃寺、その後復興した歴史がある。

右手にシャクナゲの花を見ながら大師堂に向かう。ちょうど本堂と対面する形で建っている。駐車場から来ると大師堂が手前になるが、笈摺姿でこちらで手を合わせた後で、「何やこれ大師堂やんか!本堂向こうやがな!」とブツブツ言いながら本堂の方に向かう人がいる。そんなに怒らなくても。ちなみに、駐車場から来て「正式な」手順を踏むのであれば、一旦大師堂と本堂の前を通過し、石段を下りてから手水場に行き、また石段を上って本堂、大師堂と回り、再び石段を下りて納経所に向かうことになる。

今はシャクナゲが満開で華やかな風情だが、冬は雪で覆われるという。有料の車道も通行止めになるそうで、「水曜どうでしょう」の四国八十八所巡拝の企画でも、ロケが冬場だったこともあり3回のうち1回(第2回)でしか訪ねていない。それだけ難所といえる。

納経所に向かう。若い僧侶が筆を走らせながら「歩いてきはったん?」と尋ねる。そうだと答えると「どこから上りました?」と。大頭から湯浪からと答えると「じゃこの後は61の方へ?お疲れ様です」と納経帳を返してくれる。また、「よかったら手水場で水を汲んでもらったら」と。ここの水は飲めるのかなと、ちょうど空になっていたペットボトルに水を汲む。

61番の香園寺への道は駐車場側から行くのだが、その前に行くところがある。一度山門を出て、上ってきた階段ではなく再び道を上る。こちらはクルマも通れる幅、緩やかな勾配である。

10分ほど上って着いたのは奥の院の星ヶ森。ここは石鎚山の遥拝所である。昔は役行者が蔵王権現を感得し、弘法大師が星供養の修行を行ったところ。鉄の鳥居の向こうに石鎚の山々がそびえるのを写真で見た時、これは立ち寄りたいと思っていた。

その鉄の鳥居、高いものかとイメージしていたが、私の背よりも低いものだった。ただ、正座して遥拝するならこの高さかなと思う。この日は天候もよく、石鎚山の頂上のはっきり見ることができた。いい時に来たと思う。翌5日はあの高さに挑むのだなと気持ちを新たにする。

ちょうど昼時ということで、せっかくなので星ヶ森から石鎚山を眺めながらおにぎりと手水場で汲んだ水での昼食とする。これで、65番の三角寺までがつながり、八十八所めぐりも愛媛県が終了。残りは香川県めぐりとなる。

さて下り。先ほど納経所でも話が出たように、香園寺に向けて下ることにする。こちらも9キロ以上の道のりとある・・・。
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