村上駅でホームの先に停まっていた気動車を見て心の中でうなる・・・何やら怪しげな行いだが、今回の巡り合わせは年の最後にラッキーなことだと感じた。
新潟地区では国鉄型車両の置き換えが進められていて、かつての鉄道旅行では当たり前に乗っていた車両も少しずつ減っている。特急型の485系の改造で最後まで残っていた「きらきらうえつ」は2019年秋に引退したし、115系が限られた運用となったこともこの旅の記事で触れている。
そこにもう一つ、キハ47、48という気動車が加わる。JR東日本でも置き換えが進められていて、新潟地区については2019年度中に全面的に引退するという。JR東日本の非電化ローカル線で主力の110系に加えて、ハイブリッド型の車両が増車される。まあ、快適性は向上するから地元の人には良いニュースだろう。
そのキハもすでに車両を減らし、運用も限られるから今回出会えるかどうかだったが、まさかここで目にするとは。しかも4両編成。青春18の乗り継ぎ客を当て込んだか、あるいは酒田に着いてから切り離して運用するのかもしれない。
後ろ(新潟寄り)2両はキハ48、47の国鉄急行色。国鉄時代はこの色が使われることはなかったのだがかつての風情を出している。また前2両はキハ47の新潟色。青バージョンと赤バージョンである。さまざまな色の組み合わせ4両は、引退前の大盤振る舞いのように見える。わたしの場合は、SLよりもこうした気動車のほうに懐かしさを感じ、それを惜しむ気持ちも強い。
4両のうち、かつての急行色のキハ48に乗る。寒地仕様でデッキがあるのが急行の姿に近い。


先ほどから雨が続く。窓に水滴がつくがそれは仕方がない。鮭の遡上で知られる三面川を渡りしばらくすると日本海に出る。前々日、前日とは明らかに迫力が違う白波が押し寄せる。これが冬本来の?日本海の表情と言えるだろう。












その日本海とは三瀬でお別れして、庄内平野に入る。次の羽前水沢に着くと、速度を通常に戻すとの案内がある。ここまでで32分の遅れである。なお羽前水沢はJRコンテナが何基も置かれている。かつては近くの化学工場の専用線と貨物駅があったが、現在はトラックを使ったオフレールステーションである。
冬の田んぼは白鳥の越冬地。あちこちで数羽~数十羽単位で羽を休めている。
羽前大山で、私の後ろのボックスシートに座っていた家族連れが降りる。クラゲの展示で最近知名度が上がっている加茂水族館に向かうようだ。当初は鶴岡で降りるようだったが、水族館までの距離だと鶴岡よりも羽前大山が近いとして降りた。ただいずれの駅からも歩いて行ける距離ではない。「タクシーくらいあるだろう」と話していたが、果たしてどうだろうか。










いずれにしても時間はあるから、町の中心の観光スポットまで歩いてみることにする。キャリーバッグをコインロッカーに入れて、強風の駅前に出る・・・。