まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第9回中国観音霊場めぐり~「飛び道具」で福山へ

2020年01月22日 | 中国観音霊場

年末年始の新潟~酒田~会津若松行き、1月3日の西国四十九薬師めぐりの門戸厄神と経て、令和2年の始めに当たって中国観音霊場めぐりも続きである。行き先は前回(11月)に順番を飛ばす形となった福山の第8番・明王院。

行くにあたっては昨年のうちから、青春18きっぷを使うにしても日帰りにするか1泊するか、いろいろとプランニングしていた。広島、宮島の札所は次回に取っておくとして、中国山地のローカル線乗車を交えてもいいかなと思っていた。芸備線や福塩線という線にも久しく乗っていないので、そうした線にも乗りつつ三次あたりで1泊しようかとか、大阪からの高速バス(大阪~新見・三次、または大阪~福山)を往復のどちらかで使おうかというのも含めて、何パターンかの行程ができていた。

ただ結局は、年末年始旅行も結構派手なものになったこともあり、中国山地への寄り道プランは全部ひっくり返して、シンプルに山陽線往復の日帰りで行くことにした。とは言え、福山に行くのなら明王院の先にある鞆の浦くらいは訪ねようかなと思う。

予定では大阪から西に向かう定番の6時25分発の姫路行きからスタートして、姫路~岡山~福山と乗り継ぐ。そのために大阪メトロで梅田に向かったのだが、降りずにそのまま新大阪まで乗る。

姫路行きを1駅手前の新大阪で捕まえることができるのだが、いざ新大阪まで来ると、ふと「青春18きっぷの元は取っているのだから、新大阪から新幹線に乗ってしまおうか」という気になった。大阪から姫路へは新快速のイメージだが、実はこれから乗るのは快速で、明石から先は各駅停車である。土日祝日ダイヤではこの時間の新快速がないのでそのまま乗っているが、以前から結構かったるいイメージはあった。そこで今回気まぐれで「飛び道具」を利用することにした。

それならいっそ福山まで行けばいいものの、さすがに高くなるので姫路までとする。中途半端といえば中途半端だ。
 
新大阪6時25分発の「さくら541号」に乗れば、姫路には6時53分着で、7時05分発の山陽線三原行きに間に合う。これで福山まで乗り換えなしで行ってしまおう。
 
事前にいろいろ考えた結果、これで行こうと決めたのに当日現地でひっくり返す・・一人だからできることかな。新大阪からあっという間に姫路に着いた。いくら何でもこんなのありかな・・とボヤきながら、在来線との乗り換え口を通る。
 
これから乗る山陽線の姫路~岡山は青春18きっぷの時季には特に混雑する区間であるが、さすがに7時05分発だと神戸、大阪方面からの乗り継ぎ客もさほどなく、また普段の通勤通学ラッシュ対応のためか、いつも会う3~4両ではなく6両での運転である。転換クロスシートの窓側の席で姫路から座って行くことができた。4日も晴天に恵まれ、霜は下りているものの穏やかな天候である。
 
岡山で乗客が入れ替わる。時刻表を見るとこのまま三原(もしくは1つ手前の糸崎)まで行くと、その先の広島方面岩国行きに乗り継ぐことができて、広島には12時前に着く。一瞬、中国観音霊場として先に広島の三瀧寺を日帰りで取りに行こうかとも考えたが、そうすると前回も三原、尾道に飛び越された福山がいつまでも残ってしまうので乗車は福山までとする。
 
9時37分、高架の福山に到着。新幹線に乗ったことで1時間前倒しでの到着である。
 
福山はバラの町ということで駅前にも花壇が設けられているのだが、バラの開花のシーズンは春か秋。さすがにこの時季は限られた品種のものが数株咲いている程度である。
 
それはそうと、福山に来るとバラの町というのが盛んにPRされているし、同市に本社がある某大手運送会社もトラックに「バラの町福山」というラッピングがあるが、どういう理由からだろうか。そこには太平洋戦争からの街の復興の歴史がある。福山は空襲により大きな被害を受けたが(福山での被害が最大だったのが、広島の原爆投下後の8月8日~9日にかけてのものという)、建物などの再建復興と合わせて、街に潤いを与え、人々の心に和らぎを取り戻そうと植えられたのがバラの花だった。後に地元の人たちによって市内にバラの公園が設けられたのをきっかけとして、現在に続くバラの賑わいとなった。
 
さてこれから明王院に向かうが、交通機関の案内を見ると明王院の前にバス停があるが、ここを経由するのは1日1往復しかない。最寄りのバス停は松永・尾道方面行きのバスで国道2号線の神島橋で下車するようである。また少し遠くなるが、鞆の浦行きに乗って草戸大橋で降りるという手もある。
 
ただ、いずれもバスのタイミングが合わないようである。1月1日~3日の間は、明王院に隣接する草戸稲荷神社へのシャトルバスが運転されていたようだが、4日のこの日はそれもない。ただ、地図をよく見ると福山駅から明王院までは2キロほどの距離である。ならば、バスを待つのも同じだから歩いていくか・・。
 
駅前の大通りを抜け、国道2号線に出る。右手に福山市役所の建物を見つつ西に進む。天気もよく、歩いてもちょうどいい感じである。
 
芦田川にかかる神島橋を渡る。前回、三原、尾道と回った後、帰りは尾道から高速バスに乗ったのだが、福山駅に着く手前で渡ったのがこの橋である。その意味ではここで前回からの続きとも言える。

ちなみにその高速バス「びんごライナー」だが、年末年始旅行で郡山~あべの橋で利用した「ギャラクシー号」の記事を書くために近鉄高速バスのホームページを開くと、トピックスとして2月1日にダイヤ変更を行うとあった。その内容は「減便」。しかも、午前の大阪~福山・尾道行き、午後夕方の福山・尾道~大阪行きの運転を取り止めるというものだった。これにともない、当該便を運行していた近鉄高速バスが撤退となり、それぞれの逆方向の便を中国バスが運行するのみとなった。近鉄高速バスは合わせて大阪~日立・いわきの夜行バスのも運行取り止めとあり、区間によって高速バスの路線維持も難しいのかなと見受けられる。明王院を訪ねる行程を作る中ではこのような話はなかったので余計に驚いている。

さて神島橋を渡り、側道を少し歩くと草戸稲荷神社の立派な本殿が出てきた。前回のお参りの帰りにバスの車窓に見えたのは、明王院ではなく草戸稲荷神社の社殿だったようだ。まあここまで来れば、札所というわけではないが明王院の前にまずはこちらにお参りするのが自然だろう・・・。
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