まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第33番「華厳寺」~西国三十三所めぐり3巡目・28(まだ満願ではないですが・・)

2021年07月24日 | 西国三十三所

大垣から養老鉄道、揖斐川町コミュニティバスを乗り継いで谷汲山に到着。帰りは逆に樽見鉄道の谷汲口に抜けることにしてバスの時間を確認し、ムワッとした暑さの中、山門までの参道を歩く。

さまざまな巡拝用品や、納経軸の軸装を扱う店も並ぶ。満願となった帰りに店に預け、完成したら送ってくれる仕組みだ。私も1巡目の途中から親に納経軸を託され、その他寺院ということで信濃の善光寺と高野山金剛峯寺の朱印を集め、親が心当たりある表装店に出して仕上げてもらった。もっとも、その後軸を広げたのは一度だけで、今も実家の押し入れに眠っているはずだ。

その代わり、3巡目では「西国観音曼荼羅」ということで、八角形の札に記された太字と朱印を集めている。この用紙と、33枚の札を貼りつける台紙は西国先達の特典でいただいたが、全部集まった時には額に入れようと思う。もっとも、額の大きさは80cm×77cmと結構大きい。新幹線で持ち帰るにはじゃまだろう。別送とかしてくれるのかな。

山門に到着。境内にはちらほらと参詣者の姿も見える。参道の木陰に入ると多少は暑さもましになる。両側に「南無十一面観世音菩薩」の大きな幟を見ると華厳寺に来たという感じがする。

本堂に入る。立ち止まるとかえって汗が噴き出て、ここで少し休んでからお勤めとする。

満願の寺ということで、満願記念の額などがさまざま奉納されている中、本堂の外側に大相撲の番付を見つける。こういうのがあったとは初めて気づいた。昭和37年4月の彦根場所とあり、横綱は大鵬、若乃花(初代)、柏戸の3人である。ちなみにこの巡業の前後では、春場所で大鵬との優勝決定戦に敗れたものの、関脇の佐田の山が場所後に大関昇進を決定、そして、夏場所前に若乃花が引退している。栃若時代から柏鵬時代へと移り変わる頃に当たる。前日に大相撲を観戦したこともあり、ついこうしたものに目が行ってしまう。

本堂の裏に回り、身代わり地蔵にお参りする。水で濡らしたお札を地蔵像の、自分の体でよくなりたい部位に貼りつけるのだが、もう私なんか貼りたいところだらけである。

笈摺堂、満願堂と回る。お堂の順番で行けば満願堂が西国三十三所の本当の最後かなと思うが、正式には本堂(現世)の次に満願堂(過去世)と回り、最後に笈摺堂(未来世)の順番だという。まあ、ちょっと考えれば、本堂にお参りして、満願堂で満願を報告し、最後に笈摺を脱いで奉納する・・ということでわかることだが。

華厳寺の納経帳はこの3つのお堂が1セットで、並び順も本堂(大悲殿)、満願堂、笈摺堂となっている。

お参り後は、本堂の柱に打ち付けられた精進落としの鯉に触れる。本来ならば満願した巡礼者がこの鯉に触れて、精進生活から解放され、満願の祝いとして酒、肉、魚を口にすることができる・・・のだが、もう私なんか最初から関係ないところだ。

いや、西国三十三所の1巡目の満願を華厳寺で迎えた時は、やはり一つの感慨があったのだが、2巡目は札所順関係なく、華厳寺も途中でたまたまタイミングが合ったので先にお参りしており、「ここで満願」ということはなかった。そして、西国四十九薬師めぐりとも組み合わせて回っている3巡目も、華厳寺を最後にすればよいものの、名古屋に相撲を観に行くそのついでに行ってしまおう(そう、広島から何度も足を運ぶのもしんどいので)ということで、28番目と後半だが満願前にお参りとなった。

まあ、そこは自分のペースで。別に西国先達会も固いことは言わないだろう。

これで西国三十三所の3巡目で残るのは第1番青岸渡寺、第10番三室戸寺、第11番醍醐寺、第14番三井寺、そして第22番総持寺の5つ。いずれも西国四十九薬師めぐりと絡めており、どこで満願になるかはサイコロ次第である・・。

バスまで時間があるので、ここで昼食とする。入ったのは山門のすぐ脇にある富岡屋。明治以来の老舗で、建物も昔ながらのもの。エアコンはないが、よほど私が暑がっているように見えるのか、店のおばちゃんが扇風機を全開にして風を送ってくれる。

そんな暑い中だが、いただくのは温かい「満願そば」。メニューの中では、精進落としで、夏場のスタミナ補給ならウナギにも目が行くのだが、ちょっとお値段が・・。

「満願そば」は、そばの上にニジマスの甘露煮やシイタケ、タケノコがトッピングされた一品。五木寛之「百寺巡礼」の中でも紹介され、店のほうもPRのネタにしている。これはつゆも全部飲み干すのがポイントで、丼の底には「満願成就」の文字が現れる。

私の3巡目はまだ満願になっていないが、この先も巡拝を続けていこう・・・。

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