まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

DMVを目指す旅~復路は徳島に戻るつもりが、室戸に行くことに・・

2022年01月25日 | 旅行記G・四国

1月10日、成人の日。徳島の海陽町の宍喰温泉で朝を迎える。日の出まではまだ時間があるので朝風呂に向かう。果たして、泳げるくらいの長さ、深さがある浴槽だった。別に泳ぎはしなかったが、朝からこれでシャキッとなる。

こう書くと普段の生活でも同じようなことをしているのかと言われそうだが、それほどでもない。特にこの寒い時季となると少しでも長く布団の中にいたいのが本音である。そこは旅先で朝を迎えるからアクティブになっているだけだと思う。まあ、それが旅の楽しみのいくばくかを占めている。

部屋に戻り、日の出を待つことにする。わざわざ海べりに出なくても、部屋からこの眺めを楽しむことができるのがよい。もう少し近づこうとバルコニーにも出たが。

朝のテレビでは各地の朝の様子をライブカメラで伝えてくれるが、ここ海陽町宍喰もその中に入れても引けを取らない景色である。もっと条件が整えば「ダルマ朝日」になったかもしれない。

セコい話だが、宿泊費の何割かはこの朝日の眺めにあると言っていいだろう。ホテル側も全室オーシャンビューをPRしているのだが、この日はそのPRに応える眺めを味わうことができた。

日の出を堪能した後に朝食とする。しっかりした和定食で英気を養う。

さて、当初の予定では宍喰温泉を出発して阿波海南に向かい、阿波海南文化村をちらりと見た後で(ダイヤの都合で)牟岐まで徳島バスで移動して、牟岐線に乗ることにしていた。そして牟岐線からは日和佐で下車して薬王寺参詣、その後徳島に出て駅前の大衆酒場で昼酒としゃれこみ、広島行きの高速バスに乗る・・という行程。

ただ、せっかく宍喰まで来たのなら、単純に折り返すのではなく、久しぶりに逆方向、高知方面に出るほうが面白そうだ。DMVの室戸行きに乗らずとも、海の駅東洋町で高知東部交通バスに乗り継ぎ、室戸岬に行き、そのまま高知まで抜けてしまおう。そのほうが「阿佐海岸」の旅になりそうだ。その高知からも広島行きの高速バスが出ていて、夕方の便は通路側しか空いていなかったがとりあえずネット予約で確保する。

今回、復路も合わせて綿密にプランを立てたはずだが、現地に来てスパッと変えてしまう。たまにやってしまうことだ。

当初、DMVは道の駅宍喰温泉から阿波海南駅まで「発車オーライネット」で予約していたが、スマホ操作でこれを取り消して、新たに道の駅宍喰温泉から宍喰まで買いなおした。いったん宍喰まで行き、別便で海の駅東洋町まで行き、室戸に向かう高知東部交通バスに乗り継ぐことにした。いったん宍喰に行くのは、阿佐海岸鉄道の本拠地をのぞいてみようということからだ。

朝食後もゆっくりした後、8時58分発のDMVに乗る。先ほど予約サイトで見た中でもこの便は空席が目立っていた。地元の人か、あるいは(ホテルリビエラししくいを含めて)近隣に泊まっていた人でなければなかなか利用しないだろう。

まずはバスモードで走り、甲浦に到着。そしてスロープを上がり、かつての鉄道ホームに差し掛かる。ここでモードチェンジとなる。またしても阿波踊りのお囃子が流れ、車輪が出て車高が上がる。鉄道モードになって再出発だ。

次の宍喰で下車。鉄道モードで車輪が下りているところを初めて見る。そのまま阿波海南に向けて走る様子を見送るが、改めてユニークな乗り物だと思う。

高架ホームから階下に降りる。料金の支払いはネット決済だし、仮に当日飛び込み乗車でも車内で支払うので、改札口で何かすることはない。ただ、阿佐海岸鉄道の本拠地ということで駅員も常駐している。ちょうどDMV開業記念のグッズが売られていて、私も何がしかを購入して少しばかり売上に協力する。

この宍喰駅には「伊勢えび駅長」がいる。伊勢えびが地元の特産物の一つということもあるが、脱皮して大きくなることから、「ローカル線の苦しい経営から脱皮してほしい」ということから「駅長」に任命された。その阿佐海岸鉄道も、DMVへ大転換した。これが大きく脱皮することにつながるか。また別のポスターでは、路線の一部が高知県にかかっていることから、「地域活性の維新を起こす」とのキャッチコピーも見られる。今は開業したばかりということで注目されているが、この先、「脱皮」、「維新」の成果はどのようになっているか・・。

9時48分発の道の駅宍喰温泉行きを迎える。ホームの先のトンネルから少しずつDMV車両の姿が大きくなる。道路を走るぶんには大きめの車両に見えるが、こうして線路の上を走って来るのを見ると、あまりにも小さく見える。同じ1両とはいえ、かつて走っていた気動車は大きなものだったと改めて認識する。

阿波海南からの便はそこそこの乗車だが、最前列に陣取っていた客がカメラ片手にブツブツ言っている。YouTubeにでも投稿するのか、実況を行っているようだが、狭い車内でこういうのは正直ウザい、やめてほしいと思う。ただ、それを口にすると余計なトラブルとして私が動画にさらされる羽目になるので黙っているが。

映像は別にええねん。ただ、列車内で実況中継する連中って、揃いも揃って鼻につくしゃべり方になる。何でだろう・・・それが気色悪いのでやめてほしいのだが。

甲浦でバスモードへのチェンジを行い、スロープを下りて道路へ。海の駅東洋町に到着。すぐに高知東部交通の室戸行きバスがやって来る。DMVの開業にともない甲浦駅のバス停が廃止され、道の駅東洋町が新たな乗り換え停留所として設けられた。当初の計画とは打って変わって、このまま室戸まで向かう。日和佐で薬王寺に参詣するとか、徳島駅前の大衆酒場での一献とかいうのは吹っ飛び、ともかく四国の南の端まで向かうことに・・・。

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