1月3日、「こうのとり1号」と京都丹後鉄道を乗り継いでやってきた夕日ヶ浦木津温泉。送迎のマイクロバスで向かったのは佳松苑である。この辺りに何軒もの姉妹館を有していて、その元締めとも言える旅館である。今回は日帰り利用。
駅から2~3分で到着し、そのまま息つく間もなく食事の広間に通される。この日読売旅行のプランで来たのが私だけということで話が早いようだ。広間には早速カニが並べられていて、他にもいくつかテーブルがあるが、そちらにはやがて別のツアー客が10数名やって来た。
まず中央にデンと座るのがゆでカニがまるまる1杯。タグがないので何とも言えないが、日本海で水揚げされたものだと思う。脚をちぎり、身をほじくりだしてじっくり味わう。甲羅から味噌も出す。
さらにはカニ刺し、焼きガニが並ぶ。焼きガニのコンロに火がつけられるが、半生で食べるくらいがちょうどよいとある。カニ刺しのちょっとドロッとした感じ、焼きガニの香ばしさ、それぞれの良さを味わう。コンロが固形燃料でなければ、ゆでカニの甲羅を網に乗せてあぶり、そこに熱燗を注いで・・・ということができたかもしれない。
そしてカニ鍋。カニの脚をつまんでちょっと熱っ!というところでいただく。カニの甘味が染み出している。野菜はこの鍋でカバーだ。
頃合いを見計らって係の人がご飯を持ってくる、当然最後は雑炊! これで都合カニ2杯を味わった。
普段カニを食べ慣れているわけではないので、この日のカニのランクがどの程度のものかはわからないし、尋ねるのも失礼かと思うが、ここまで来て美味しいものをいただいた喜びはある。今回いただいたのは佳松苑としてはもっともリーズナブルなコースで、宿泊して夕食で味わうならもっと他のメニュー、さらには上のランクのカニも楽しめるのだろうが、そもそもこうした旅館には一人では泊まれないし、昼食としてなら十分満足である。これでズワイガニはしばらく大丈夫かな。
駅までの送りまで少し時間がある。日本海も見に行きたいが、せっかくなので温泉にも入りたい。時間的にはどちらか片方だけだが、ここは温泉を選択した。立ち寄り入浴の利用も受け付けているそうでそこそこ賑わっていた。せっかくなので冬の冷気も感じつつ、露天風呂にも入る。
2時間あまり滞在して、マイクロバスで駅に戻る。指定されたプランでは、夕日ヶ浦木津温泉14時12分発の列車で豊岡14時41分着。豊岡で1時間待ちの後、15時41分発の「こうのとり22号」に乗車して新大阪に戻るとある。旅程表では、「豊岡でのお買い物などお楽しみください」とあり、確かにこれまで駅前のショッピングセンターで時間はつぶせそうかと思う。
ただ、同じ道をそのまま引き返すのもどうか。追加できっぷを買う形になるが、京都丹後鉄道を逆方向に宮津まで出て、福知山に抜けられないかと思う。豊岡で1時間待ちというのがあるからどうかな・・と時刻表を調べると、14時41分発の西舞鶴行きに乗り、15時27分宮津着。5分の接続で福知山行きがあり、16時25分に福知山に到着。そして16時46分発で予定の「こうのとり22号」を迎えることができる。特急も、当初と同じ列車に途中から乗るのだから問題はないはずだ。
そうすると木津温泉駅で少し時間があるので、先ほどマイクロバスで通った時に見かけた土産物処「かにはん」に立ち寄る。松葉ガニをはじめとした海の幸、加工品などさまざま並び、いくつかのものを買い求めて自分土産とする。
夕日ヶ浦という名前があるくらいだから、夕日はさぞかしきれいなのだろう。また機会があれば訪ねてみたい。
14時41分発の宮津経由西舞鶴行きは一般型の車両だが、全席転換クロスシート。網野、峰山といったところを通る。天橋立が近づくと三景の松林、宮津湾の景色も眺められる。この日はこの辺りも晴天である。実に運がいいというか・・。
宮津で福知山行きに乗り換える。113系の2両編成、昔ながらのセミクロスシートだ。電化区間ということでこうしてJRの車両が乗り入れることもあるようだ。
丹後地方はこの数日後にも強い寒気に見舞われて大雪となり、列車も運休していた。繰り返しになるがたまたまこの日が穏やかな天候で、地元の人たちもほっとしたことだろう。
関西、特に兵庫、京都、滋賀の各府県では同じ府県内で北と南で天候ががらりと変わるが、全国ニュースの天気予報ではなかなか伝わりにくい。NHKの朝のニュースでは各都道府県の県庁所在地の天気を紹介するが、中国地方や東海北陸地方では日本海側の県の天気はわかるものの、関西はそれぞれの県庁所在地が近くに寄りすぎているため、北部や南部の実態が伝わりにくい。ローカルニュースや民放の天気予報では舞鶴・豊岡から潮岬までカバーしているから別にいいのかもしれないが・・。
福知山に到着。続いて「こうのとり22号」に乗るのだが、ホームには旅行客、帰省客など多くの乗客が列を作っている。指定席の乗車口にも分散して並ぶよう案内がある。この年末年始は(コロナ禍前には遠いものの)前年と比べて交通機関の予約も増えているそうで、ちょうど1月3日、この時間帯だと混雑するだろう。私が乗る指定席もすでに立ち客が出ていたが、私の席が他の客に占拠されることもなく、無事に着席できた。
外も少しずつ暗くなり、後は淡々と大阪に戻る。たくさんいた乗客も尼崎、大阪でほとんど下車して、終点新大阪に着いた時はまたガラガラになった。
新大阪の在来線、新幹線乗り換え口はごった返していた。以前の賑わいが戻って来てよかったな・・と思うが、年明け早々、オミクロン株の広まりにより感染者数が急増し、またマスゴミが「年末年始の人出が原因です!!」と連日悲壮な顔をしつつ嬉々としてそれを伝える日々になってしまった。よかったねえ、マスゴミの皆様・・・(ええ加減にせえやボケ)。
1月3日は「こだま直前割きっぷ」も有効で、19時29分発の「こだま871号」に乗車。大阪とは逆方向ということでまたガラガラである。コンセントがあるという理由で最前列のシートを確保し、その後はのんびりと進む。時間としては夕食だが、昼食のボリュームのためにそれほど空腹ではない。このままのんびり過ごし、翌日4日は仕事始め前の休養に充てる。
年末年始も長々と出かけたが、2022年はどうするか。とりあえず1月は決まった予定をこなすことに・・・・。