早いもので年が明けてからもう10日が経ったが、記事は新門司港からの名門大洋フェリーの船上にて新年を迎えた2022年(その瞬間は個室の中で寝落ちしていたのだが)。
さて、正式に眠りについて、そして目覚めたのは6時前。日の出の時刻は7時すぎ、ちょうど明石海峡で迎えることになる。となると、それまでが慌ただしい。
まずは朝風呂である。前夜にも入っているし、普段朝風呂の習慣があるわけではないが、こういうところで1泊すると朝風呂に入らなければもったいない気がする。貧乏性なのかな。入口には余裕あり、入浴中1名との表示が出ていたが、更衣室に入ると結構な人出。この表示もあまりあてにならない。まずは髭を剃り、体を洗って湯船に浸かり、新たな気持ちになる。
その後は朝食。前夜と同じバイキング形式。お椀に餅が1つ入って、出汁を注いで出来上がりの雑煮や、蒲鉾、伊達巻、田作りなどの簡単なお節料理もあり、それぞれ少しずつつまむ。旅の途中でこうした料理はありがたい。
そして甲板に上がる。明石海峡大橋はもう通過していて、大阪湾に入ってきた。上部甲板にはすでにかなりの人だかりができている。前方には神戸から大阪の湾岸部、さらには生駒~紀伊の山あいが見えるが、あいにく雲がかかっている。
初日の出を狙うが、先ほどまで左舷の方角が明るかったところ、フェリーが左に舵をきった。すると甲板の人たちが一斉に右舷に移った。どうやらこちらから日の出が拝めそうだ。
ただ、山上には厚い雲。日の出の時刻はとうに過ぎているが、太陽はなかなか顔を出さない。雲の一角に明るくなっているところがあり、そこから顔を出すのだろうと皆待ち構えている。
きれいに真ん丸なわけではないが、きちんとした日の出である。少しずつ明るくなり、光線が水面を走る。甲板にいた人たちから拍手が起こる。2022年がよい年になりますように・・・。
大阪南港が近づく。そろそろ着岸である。12時間半あまりの航海ももうすぐおしまい。船上での年越し、そして初日の出・・よい思い出になった。無事に大阪南港に到着。
さて元日の過ごし方。藤井寺の実家には2日に顔を出すとして、元日は大阪近郊で過ごす。元日、2日は新大阪に連泊することにしている。実家に宿泊してもいいし、親からもどうするのか訊かれたが、スペースの問題もあるし、一応コロナ禍の中で気をつかうとして・・・まあ、お互いそのほうが気楽でいいだろう。
そこで、タイトルにあるように西国四十九薬師めぐりである。ここまで49の札所のうち47ヶ所まで回っている。最後に比叡山延暦寺に向かうとして、その前に残っているのが池田の久安寺。ちょうど大阪ということでいいのではないかと思う。ならばそのまま延暦寺にも行けばよいのではという声も聞こえそうだが、延暦寺については満願として改めて参拝したいと思う。そこにはある思惑もあって・・。
目的地は池田だが、まずは宿泊地の新大阪に向かうことにする。大阪南港から新大阪に向かうのはコスモスクエア経由が近いのだろうが、これまでの経験からか住之江公園行きに乗る。そのままニュートラム~四つ橋線~大国町同一ホーム乗り継ぎの御堂筋線~で新大阪に到着。
新大阪に先に来たのは荷物をコインロッカーに預けるためだが、コインロッカーなら阪急の池田にもある(はずだ)。それを新大阪まで行ったのは、宿泊地に近いこともあるし、元日の夕食を確保しておこうという思いもあった。そのことはまた改めて触れるとする。
何だか無駄な動きをしているようだが、新大阪からまた御堂筋線で1駅西中島南方に戻り、阪急京都線に乗り換えて十三に到着。さらに乗り継ぎ、阪急宝塚線の急行で池田に向かう(新幹線と阪急の乗り換えも近いようで遠い・・・)。