まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第7回九州西国霊場めぐり~第18番「観興寺」(ちょっと対応がな・・)

2022年01月06日 | 九州西国霊場

12月31日、JR久留米から久大線の列車に乗る。8時33分発のうきは行きはキハ220系の2両編成。そのうち1両は長崎線・大村線当時の「シーサイドライナー」のロゴが残る。これから走る区間は海とはまったく関係のないところだが。

今回は久大線に乗るが、2021年の3月、九州西国霊場第1番の英彦山を目指すにあたり、久留米から久大線~日田彦山線と乗り継いでいる。今回はその区間を一部なぞると言っていいだろう。

まずは久留米の市街地の南側を回るように走り、西鉄の線路とも交差する。南側には耳納(みのう)連山の山並みが広がる。その様子が屏風のように見えることから屏風山とも呼ばれているそうだ。

久留米から20分走り、8時53分、善導寺に到着。正に寺がつく駅名だが、目指すのは観興寺である。ちなみに善導寺とは鎌倉時代に開かれた浄土宗の寺院で、久留米藩有馬氏の保護を受け、九州における浄土宗の大本山となっている。沿線の観光スポットとしてはそちらが有名なのだが、今回は行かない。

善導寺駅は昭和の初めに開業したが、建物はその当時のままである。前回来た時はちょうど桜の時季で、ホームの桜もよく咲いていたのを覚えている。ここまでがICカードの有効区間とある。

駅の周りには観葉植物や庭木の栽培が目立つ。また「世界つつじセンター」というのもある。つづじは久留米市の花に指定されているそうだが、このつつじセンターでは世界各地から収集したさまざまな種類のつつじが栽培されている。

10分ほどで県道に出る。西鉄バスの山本停留所は交差点のすぐ横で、観興寺の案内板も出ている。次の田主丸方面のバスは9時36分発で、さすがにそれには間に合わないため次の10時34分発に乗ることを目指す。

このまま山本の集落を15分ほど進み、観興寺の山門に出る。山門をくぐると長い石段が続いている。そのたもとに「普光院」と書かれた巨大な幟が立ち、風に揺られて竹がきしむ音がする。寺の正式名としては「山本山普光院観興寺」というそうだ。

観興寺は天智天皇の時代、草野太郎常門という人が狩の途中に霊木を得て、千手観音の像を彫り、本山として開いたのが始まりとされる。後に天智天皇から「普光院」の名前を賜ったという。その後多くの僧坊も有していたそうだが兵火で焼かれ、現在の境内は江戸時代に再興されたものだそうだ。

石段を上がったところが本堂の観音堂で、まずはここでお勤めとする。ローソク、線香のセットが置かれているので灯明もお供えする。本堂の周りには西国か四国か、石像がずらりと並ぶ。

また本堂の前からは先ほど通ってきた一帯を眺めることができる。朝方、列車を待つ間は粉雪もちらついていたが、ここに来て晴れ間も見えてきた。この日は歩きが多いので雪ならまだしも雨だけは降ってほしくなかったが、このぶんだと天気は大丈夫そうだ。

石段を下りると釈迦堂やその他の石像もある。小ぢんまりしているが山間の落ち着いたところだなという印象。

さて納経所へ向かう。納経所の前に紙の箱が置かれていて、それを開けると九州西国、そして百八観音それぞれの朱印の紙が入っている。ここはセルフ対応なのかなと思っていると、ちょうど横の釈迦堂の前で住職らしき人が掃除をしている。こちらを向いたので会釈をすると住職から発せられたのは、

「上にお参りはしたのか?」

上とは本堂のことだろう。まあ、先にお参りを済ませてから納経所に向かうのはルールというか、マナーであるのでそういう問いかけは当然だろう。ただ、この忙しい時に胡散臭い奴が来たとでも思っているのか、機嫌が悪そうだ。「この朱印の紙をいただいていいですか?」と尋ねても何も言わない。私もちょっとムッとした感じになり、箱から紙を取ってお金を入れて、もう日付も入れなくていいかとここを去ろうとすると、

「さっきから写真撮っとっただろ。そんなことするな」と。

これには思わず「はあ?」となった。例えば撮影禁止の表示でもあればこちらが悪い。また、寺の本尊に勝手にカメラを向けるならマナー違反をとがめられても仕方がない。ただ、こちらは境内のお堂とか、外にある石像を撮っているだけ。そんなことを言われたのは初めてだ。まあ、住職、失礼こいつがそういう方針、考えを持っているなら仕方ないし、ここで言い争っても仕方ないのでこちらも黙って寺を後にする。後でネットを見ても、観興寺の境内の写真などいくらも出ているし、本堂からの眺めを賞賛する記事もあった。何やねん。

まあ、札所の中にはこうしたところもあるだろう。今後来ることもあるまいが、感じが悪い寺とだけ記しておく。

寺での滞在が短かったことや、案内より早く歩いたこともあり、山本10時34分発のバスまで待つこともなく、善導寺駅まで戻り、10時ちょうど発の筑後吉井行きにぎりぎりで間に合いそうだ。

少し早歩きで進み、発車数分前に到着。バス、鉄道で同じように行けるなら、青春18きっぷも持っているし鉄道のほうがよい。下車経験駅も増える。

2駅乗り、10時09分に田主丸に到着。ここは河童が出迎える駅として知られていて・・・。

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