まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第7回中国四十九薬師めぐり~目指すは笠岡、さらにその先の島へ・・

2022年02月03日 | 中国四十九薬師

入れ替わり立ち代わり、今度は中国四十九薬師めぐりの続きである。1月初めに第9番の久昌寺まで進んでいて(その時は続きで四国の東半分を回り、DMVにも乗ったなあ・・)、次は第10番の日光寺である。この日光寺を訪ねれば、岡山県の札所はコンプリートとなる。

日光寺があるのは笠岡市の神島(こうのしま)地区。地図で見ると瀬戸内海が目の前にあり、案内では境内からも島々を眺めることができるとある。これは楽しみだ。

例によってどうやって訪ねるかだが、さすがに笠岡駅から歩ける距離ではない。案内では井笠バスのバス停が近いとのことで、時刻を検索する。笠岡駅から神島地区を右回り、左回りで循環する系統だが、その本数を見て早々とバスで行くことはあきらめた。平日はまだ右回り、左回りを組み合わせれば午前中いっぱいで行き来できるが、土日祝日ダイヤだと朝と夕方の1本ずつしかない。さすがにそれでは無理だ。

ならばクルマで出かけようか。ただ季節は1月の下旬。広島から東、あるいは北に向かう場合、凍結・積雪の恐れがあり冬用タイヤ、チェーンが必須となることがある。実際に出かけた1月23日は結果としてそうした規制は何もなかったのだが、以前の広島勤務時と同様、そうした冬用のツールを持っていないこともあり、冬場にそうしたエリアを通過するドライブは避けるようにしている。

ということで、費用はかかるが手前の福山でレンタカーを借りることにする。また、福山への移動は往復新幹線だが、いつもの「新幹線直前割きっぷ」ではなく、日本旅行の予約サイトで見つけた「日帰りで行っちゃお!岡山」というプランを見つける。1月末までは年末年始キャンペーンということで、広島~福山が往復指定席利用(列車は変更不可)で5100円とあった。レンタカー代と合わせるとマイカーで行くより高いのだが、上記の理由と、(特に)帰りの移動が楽かなということで選んだ。

ただ、日光寺だけ行って帰って来るだけではもったいない。そこで中国四十九薬師霊場のホームページでその先の札所紹介を見ると、福山駅の東側、国道2号線と新幹線の高架に挟まれたエリアに第15番の薬師寺があるのがわかる。中国四十九薬師めぐりの札順は日光寺の後は福山の神辺、東城、三次と備北地方へ向かうが、福山駅に戻る途中でお参りできるのなら順番飛ばしになるが訪ねるとしよう(実は、この選択が誤りだったことに後で気づくことになる)。

またさらに、日光寺が瀬戸内海に面したところであれば、その向こうの笠岡諸島に渡ってしまうのも面白いだろう。笠岡諸島といえば学生の頃、一度だけ先端にある真鍋島に渡り、ユースホステルを兼ねた民宿に泊まったことがある。また、「水曜どうでしょう」の「サイコロの旅」で登場した白石島もある。こうした島がいくつかある中で、今回は北木島に行くことにした。採石の盛んなところで、地下深く掘り進められている石切場の渓谷があるのを知って、せっかくなので一度見てみようと思う。

石切場の渓谷は土日は11~13時のみ見学可能なのと、往復のフェリーの時刻とを考えて、福山で朝8時にレンタカーを借りて、まず日光寺に向かい、笠岡の伏越港10時発の北木島行きの便に乗ることにする。そして島見物の後で笠岡に戻り、薬師寺に立ち寄って福山に戻ることにした。レンタカーの返却は16時とした。

相変わらず前置きが長くなったが、さて1月23日朝、この日に限って雨の予報である。マイカーで行くなら別の日にしてもよかったのだが、新幹線の予約変更不可のきっぷやレンタカーを予約してしまっているのでそのまま出発。広島6時53分発の「こだま838号」に乗り、7時40分、福山に到着。2022年で築城400年を迎える福山城が見える。夏には令和の大改修を終えて新たな天守閣がお目見えする。

新幹線待合のコンコースの柱は、福山市に本社があるアパレルメーカーの自重堂の広告が掲げられている。新大阪でも見かける、最高顧問の出原群三氏が頑固親父のように腕を組んでいる写真が印象的だ。ただここには、出原氏より目立つキャラクターがいる。

それは新庄「BIGBOSS」。今季からファイターズの監督に就任したが、別に監督になったからイメージキャラクターに起用されたわけではなく、以前から同社のブランド「Jawin」のイメージモデルだった。

自重堂はかつては西本幸雄、山田久志といったところもCMに起用しており(山田久志版のCMはテレビで目にした覚えがある)、スタイルのいい元プロ野球選手(メジャーリーガーでもある)を次世代の作業服のモデルに起用することはあり得るとしても、まさかその新庄が監督になるとは自重堂もびっくりだろう。さすがにファイターズの新ユニフォームに自重堂は関係していないようだが・・。

福山駅の北口から出て、オリックスレンタカーに向かう。今回は軽自動車のekスペース。まだ4000キロほどしか走っていない。まずはこれで笠岡に向かう。

JFEの構内前を通り、国道2号線のバイパスを走る。こんなところにもバイパスがあるとは知らなかったが、笠岡の市街地の渋滞緩和という名目である。

周りは平坦で開けたところだなという印象だが、この辺りはかつて笠岡湾だったところで、これから向かう神島も独立した島だったという。昭和40年代から大規模な干拓事業が行われ、20年あまりをかけて工業用地、農業用地が開かれたそうだ。近隣だと児島湾の干拓というのは聞いたことがあるが、笠岡でもそうしたことがあったとは。

その神島地区に着く。ちょうど山越えの道が通っていて、そこを抜けることにする。

その途中、対岸の海が見えたところで道端に祠を見つける。近づいてみると「35番」とあり、祠には「清瀧寺」とある。さらに「36番」と示した案内板もある。まるで四国八十八ヶ所の歩き遍路向けの案内のようである・・・というか、そのものではないか。

実はこの神島には「神島八十八ヶ所」というのがある。江戸時代に開かれた「島遍路」の一つで、現在も完全な形で残る数少ない霊場だという。その八十八ヶ所については後ほど触れるとして、まずは日光寺を目指す。

神島の外浦地区に出る。カーナビの案内が途中で終わったので、地図を頼りにクルマで上がれる道を探す。そしてたどり着いたのは境内の裏側。そこには「31番 日光寺内」という案内板が出ていた・・・。

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