「4ヶ月、3週と2日」
2007年のカンヌ映画祭で、パルムドールを受賞したルーマニア映画。
80年代のチャウシェスク独裁政権下のルーマニア。女子大学生のオティリアとガビツァは、何やら忙しく動き回っている。金の工面やホテルの予約の後、ある男に会いに行くオティリア。男の正体は...
いや~カンヌ映画祭パルムドール受賞作だけあって、噂にたがわぬ秀作でした。感動!とか、何度も観たい!な映画ではありませんが、重苦しく怖い現実をドキュメンタリーのように追うカットの少ない長まわしや、これといってドラマチックなシーンもなく静かで淡々とした展開や、音楽はいっさいなしなところとか、ちょっとダルデンヌ兄弟監督の作品っぽいと思いました。緊張感があって、いったいどーなっちゃうの?とヤキモキさせ、最後の最後まで引き込み退屈させないところも、ダルデンヌ兄弟監督作品と似ています。
映画が始まってしばらくは、オティリアとガビツァが何をしようとしているかを明確にしないところも、ミステリーみたいで面白いです。中盤になって、やっと二人の目的が判明。ここからも、大丈夫なのかなあ?とハラハラさせられて、目が離せません。
オティリアとガビツァのキャラが...
冷静沈着に計画を実行しようとし、トラブル発生にも取り乱さず巧みに対処する、クールで賢いオティリアですが...何でそこまでガビツァに献身的で必死なの?と首を傾げてしまう。ガビツァのために、時間や金だけでなく、自分の肉体まで投げ出すなんて!ただの友情で、あそこまでできるものなのか?!ガビツァに弱みでも握られてるのか?それとも、ガビツァにレズビアンな愛を?!と思ったら、オティリアには彼氏がいるし(ちょっとエドワード・ノートン似のイケメン)。オティリアの自己犠牲な献身が、ほんと不可解です。オティリアが実行する後始末が衝撃的。気丈というか勇敢というか。私なら、絶対ムリ!
↑恩着せがましく説教タレで色魔な闇医者も、かなりムカつくオッサン
ガビツァ、最近の映画やドラマの中では最上級にムカつく女です。観客をイライラムカムカさせるためにワザと作り上げたキャラとしか思えません。窮地に立ってるのは自分なのに、何でもかんでもオティリアにやらせて。ホテルの予約はちゃんとしてないわ、闇医者にもウソばっかついてたわ、大事なビニールシートを置き忘れてくるわ。何で電話に出ないの!と怒るオティリアに、うるさいからバスルームに持ってった、とか。言い訳したり愚痴ったりするガビツァの、被害者ぶった弱々しい声も癪に障る。ほんと、いい加減にしろー!!と首を締めたくなる女です。あそこまで依頼心が強くて自分勝手だと、返って幸せな人生を歩めそうです。周りは大迷惑ですが。
ふたりの関係や行動は、ひょっとしたら当時のルーマニア事情を知らないから理解できないのかな?独裁政権下のルーマニアの様子も、さりげなく再現されていて興味深いです。かなり物資に乏そうなところとか。うるさくID提示とか、いかにも管理社会って感じです。
それにしても。ホテルの従業員とか、むちゃくちゃ無愛想で思いやりがなくて意地悪。血の気の多いアメリカ観光客とかなら、怒って殴りそうです。チェコ人もそうでしたが、東欧人って他人の気持ちへの配慮とか情味に欠けてる?歴史的に、そうならざるを得なかったのでしょうか?
とにかく、オティリア&カビツァと同じ立場に立たされたら、どう考えどう行動するだろうか?女性なら目を逸らすことはできない、必見の映画かもしれません。
2007年のカンヌ映画祭で、パルムドールを受賞したルーマニア映画。
80年代のチャウシェスク独裁政権下のルーマニア。女子大学生のオティリアとガビツァは、何やら忙しく動き回っている。金の工面やホテルの予約の後、ある男に会いに行くオティリア。男の正体は...
いや~カンヌ映画祭パルムドール受賞作だけあって、噂にたがわぬ秀作でした。感動!とか、何度も観たい!な映画ではありませんが、重苦しく怖い現実をドキュメンタリーのように追うカットの少ない長まわしや、これといってドラマチックなシーンもなく静かで淡々とした展開や、音楽はいっさいなしなところとか、ちょっとダルデンヌ兄弟監督の作品っぽいと思いました。緊張感があって、いったいどーなっちゃうの?とヤキモキさせ、最後の最後まで引き込み退屈させないところも、ダルデンヌ兄弟監督作品と似ています。
映画が始まってしばらくは、オティリアとガビツァが何をしようとしているかを明確にしないところも、ミステリーみたいで面白いです。中盤になって、やっと二人の目的が判明。ここからも、大丈夫なのかなあ?とハラハラさせられて、目が離せません。
オティリアとガビツァのキャラが...
冷静沈着に計画を実行しようとし、トラブル発生にも取り乱さず巧みに対処する、クールで賢いオティリアですが...何でそこまでガビツァに献身的で必死なの?と首を傾げてしまう。ガビツァのために、時間や金だけでなく、自分の肉体まで投げ出すなんて!ただの友情で、あそこまでできるものなのか?!ガビツァに弱みでも握られてるのか?それとも、ガビツァにレズビアンな愛を?!と思ったら、オティリアには彼氏がいるし(ちょっとエドワード・ノートン似のイケメン)。オティリアの自己犠牲な献身が、ほんと不可解です。オティリアが実行する後始末が衝撃的。気丈というか勇敢というか。私なら、絶対ムリ!
↑恩着せがましく説教タレで色魔な闇医者も、かなりムカつくオッサン
ガビツァ、最近の映画やドラマの中では最上級にムカつく女です。観客をイライラムカムカさせるためにワザと作り上げたキャラとしか思えません。窮地に立ってるのは自分なのに、何でもかんでもオティリアにやらせて。ホテルの予約はちゃんとしてないわ、闇医者にもウソばっかついてたわ、大事なビニールシートを置き忘れてくるわ。何で電話に出ないの!と怒るオティリアに、うるさいからバスルームに持ってった、とか。言い訳したり愚痴ったりするガビツァの、被害者ぶった弱々しい声も癪に障る。ほんと、いい加減にしろー!!と首を締めたくなる女です。あそこまで依頼心が強くて自分勝手だと、返って幸せな人生を歩めそうです。周りは大迷惑ですが。
ふたりの関係や行動は、ひょっとしたら当時のルーマニア事情を知らないから理解できないのかな?独裁政権下のルーマニアの様子も、さりげなく再現されていて興味深いです。かなり物資に乏そうなところとか。うるさくID提示とか、いかにも管理社会って感じです。
それにしても。ホテルの従業員とか、むちゃくちゃ無愛想で思いやりがなくて意地悪。血の気の多いアメリカ観光客とかなら、怒って殴りそうです。チェコ人もそうでしたが、東欧人って他人の気持ちへの配慮とか情味に欠けてる?歴史的に、そうならざるを得なかったのでしょうか?
とにかく、オティリア&カビツァと同じ立場に立たされたら、どう考えどう行動するだろうか?女性なら目を逸らすことはできない、必見の映画かもしれません。