まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

逃げて!美しすぎる死刑囚

2025-01-12 | 日本映画
 「正体」
 拘置所で自殺を図った死刑囚の鏑木が、病院へ搬送中に逃亡する。大坂、東京、長野と警察の捜査網をかいくぐりながら逃走を続ける鏑木の目的とは…
 横浜流星主演の最新映画、年末にやっと観に行けました(^^♪主演に抜擢されたNHKの大河ドラマも放送開始、今や若手トップクラスの人気俳優となった流星くん、売れ始めた頃は苦手だったんですよね~。すごい美男子だけど、何かヘビ?トカゲ?を思わせる爬虫類系の顔が気持ち悪くて。でも「流浪の月」の彼を見て、いい役者じゃん!と感服。「線は、僕を描く」や「ヴィレッジ」「春に散る」と、ヴァラエティに富んだ役で好演を続け、気づくと新作が最も気になる俳優のひとりになってました。インタビューやトーク番組での、すごく実直で真面目そうな彼の人柄にも好感。人気イケメン俳優にしては珍しく、チャチャラ軽薄でスカしたところが全然ないですよね。変なスキャンダルが発覚したら、いま最も驚く俳優かも。そんな流星くんが、逃亡死刑囚という衝撃的な役に挑戦、その熱演はどうやらすこぶる好評みたいです。

 流星くんって、カッコいいイケメン役よりも、美しさを隠した暗い役のほうが似合うし、演技も冴えているように思われます。この映画の後、netflixのドラマ「わかっていても」も観始めたのですが、絵に描いたようなモテ系イケメン役の流星くん、顔も役も何かすごい気持ち悪かった死刑囚の彼よりもよっぽど人殺しっぽい顔だったし。この映画でこそ、そんな不気味さとか怪しさが出てないといけなかったのに。

 ネトフリのドラマでは気持ち悪かったのに、この映画の流星くんはすごく美しくて可愛かったです。ボサボサ頭、無精ひげ、薄汚い服装でホームレスあるいはドヤ街の日雇い労働者に扮してる時の、チラっと垣間見せる素の美貌の神々しさよ!こんな美男子、ぜったい逃亡なんかできないよな~と思いました。東京編ではマスクしたオタク風、でもただ者じゃないことがすぐに判る瞳の美しさ。長野編の真面目で穏やかな好青年、事件を起こす前の高校生!な流星くんも、少女漫画から脱け出した男子みたいでしたが、終盤の拘置所での面会シーンのこざっぱりと地味な彼が、いちばん美しく見えました。

 あんなに鏑木が巧く逃亡できたのは、間違いなく美貌のおかげですよ。優しくて賢いだけでは、あの逃亡劇は無理。匿ったり協力してくれる東京の記者も長野の施設職員も女まるだし、イケメンに目がハート状態。もし鏑木があんなに美青年じゃなかったら、明らかに深く関わらなかっただろう女たちでした。とにかく流星の七変化ショーみたいな映画。ファンなら必見。ドヤ街の宿場の風呂で体洗ってるシーンで、ちょっとだけお尻も見せるサービスも。

 流星くんを愛でるアイドル映画としては楽しめるのですが、内容と鏑木のキャラはちょっと残念でした。最初っから鏑木が冤罪、と決まってる設定が彼のキャラを浅くしてたように思えて。ほんとに無実?ひょっとしたら?なミステリアスで灰色な、関わる人々も観客も惑わす主人公だったら面白かったのに。鏑木も出会う人々も、いい人すぎるところがつまんなかった。逃亡中の鏑木、やってることを考えたら、結構したたかで計算高い男、天才的な詐欺師なのに。殺人しないセックスしない「復讐するは我にあり」みたいだった。あと、逃亡犯にしては目立つことしすぎ。ドヤ街での法律知識披露とか、東京での文才を認められたりとか、長野の職場での優秀な仕事ぶりとか、抑えられない承認欲求の持ち主なのかな?とも思った。殺人犯にされてしまった事件現場のことといい、出過ぎたことをしがちなのが不運の原因。

 それにしても。死刑囚が逃亡、なんて戦後すぐならいざしらず、現代ではありえない椿事。よく捜査もせず殺人の動機がない高校生にさっさと死刑判決とか、何度も逃亡犯の確保に失敗したり、施設に立てこもりされて発砲沙汰とか。韓流じゃあるまいし、日本の裁判所と警察あそこまで無能じゃないですよ。鏑木を追う刑事さん、クールにかっこつけてたけど、あんたすごい無能ですよ!脇のキャストが個人的にはあまり好ましくなかったのが、ちょっと残念。

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