まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ネタを探して娼年

2025-01-15 | イギリス、アイルランド映画
 「Sebastian」
 ロンドンの出版社でデビュー小説の発表を控えている25歳のマックスは、リサーチためにセバスチャンと名乗って男娼をしていた。二重生活を続けるマックスはやがて…
 実体験を活かして創作する作家さんって、たくさんいると思うけれども。小説を書くために娼婦や男娼を買ってみることはあっても、やってみる作家さんは、そんなにいないはず。なのでこの映画の主人公、マックスの行動力には驚かされました。ネットでの売り専?が今ドキでした。いくら小説のためとはいえ、まったく見ず知らずの不特定多数の男たちとセックスとか、よーやるわ~。そんなの怖いじゃないですか。暴力とか病気とか、リスクが高すぎる。セックスワーカーって、すごい勇気と体力気力が必要な仕事だと思いました。

 創作のため以上に、性の悦びとゲイとしての自己愛から娼年ライフにのめり込んでいく姿が、生々しくイタいマックスでした。ネット上で男たちの気を惹くためにジムで体鍛えて、見栄えのいい裸体の写真を撮る様子が真剣すぎて笑えた。客からお呼びがかからなくなったり、他の男娼の人気のほうが上まわったりしたら落ち込んだり。男たちに魅力を認められ称賛されたい、というナルシズムと承認欲求は若いゲイっぽいリアルさでした。あんた作家でしょ?男娼は本業じゃないでしょ?しっかりして!と叱咤したくなった。本当の自分であるマックスと、男娼のセバスチャンの区別がつかなくなっていく心身の混沌が、危うく妖しかったです。

 それにしても。マックス、老け専なの?客はみんなおじさん、おじいさんばかり。まあどうしても、若い男の子をお金で買わざるを得ない高齢者が相手になるのは仕方ない。けどマックスは、仕事だからと割り切ってる感じはなく、ほんとに年配者とヤるのが好きそう、気持ちよさそうなんですよ。すごい積極的だし。高齢者ゲイにとっては天使みたいな娼年。見た目からしててっきりウケ、ネコちゃんかと思いきや、バリタチ野郎だったマックス。優しい可愛い風貌に似合わぬ激しいプレイ!おじさん、おじいさんが女の子みたいになって、若い男の子にガンガン攻められながらアンアンよがってる…ぶよぶよ、しわしわな老体と、しなやかで滑らかな若者の肉体が絡む画は、かなりグロテスクでもありました。そんなセックスシーンが多く、私にはキツかったです。BLとはちょっと言い難い内容なので、ライトでスウィートなBLが好きな方は要注意!


 作家としてデビュー、世間に顔も知られる環境なのに、男娼してていいのかなと、こっちがヒヤヒヤ。バレたらやっぱマズいですよねえ。客のひとりとパーティでばったりとか、言わんこっちゃない!なシーンでした。ゲイとしてカミングアウトはしてるけど、家族とも社会とも何となくしっくり溶け合えないような、ゲイの孤独や疎外感が行間を読む描かれ方。
 マックス役は、この映画で初めて知ったイギリスの若手俳優ルアリド・モリカ。か、かわいい!優しそうで上品な、イギリスの良家のお坊ちゃまっぽいイケメン。ほっそりとした肢体と白い肌も、まさに英国美青年(チェキってみたら、スコットランドとイタリアのハーフだった)。たま~に、若い頃のブラッド・ピットを超ソフトにした顔に見えたりしました。ファッションも高価そうな服なんか着てないけど、何着てもおしゃれに見えて素敵でした。脱ぎっぷり、ヤリっぷりがスゴすぎ。おじいちゃん死んじゃうよ!なディープキスや全裸ズコバコ演技、見ていて気まずくなるほどでした。日本のイケメン俳優もBLするなら、あれぐらいは…いや、あそこまではやらなくていいかもロンドン、ブリュッセルの景色も印象的に撮られていました。

 ↑ ルアリド・モリカ、現在25歳。どうやら私生活でもゲイみたいです。素敵なオープンゲイ俳優がイギリスにはたくさんいますね!日本ではまだ出演作がほとんど公開されてませんが、いつか注目の俳優になることを期待しながら応援(^^♪
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