まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

あっしには関わりのねぇこって

2009-05-07 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたスペシャル時代劇「木枯らし紋次郎」を観ました。
 天涯孤独の渡世人、木枯らし紋次郎。浮浪の旅先で彼は、商家の後妻お市が飢えた農民に襲撃される場に出くわす。それを契機に、紋次郎に絡んでくる同じ渡世人の源之助や金蔵。いつしか紋次郎は、ある陰謀に巻き込まれて...
 私、オリジナル版を観たことがないので比較できないのですが、この平成リメイク版なかなか良かったです。最近は篤姫とか天地人とか、時代劇までスウィートお子ちゃま化してるので、久々にシブい時代劇を観ることができて嬉しかったです。
 ストーリーも、ちょっとミステリータッチで面白かった。犯人、ていうか、事件の黒幕、いちばんのワルは意外な人物?いや、演じてる人が怪しいので、すぐにコイツだな!と察知できますが。そーいうところも、2時間ドラマっぽかった。丁寧にキレイに作ってるって感じの映像やセット(わりと屋外シーンが多かったけど)も良かったけど、もうちょっとドロ臭く荒削りにしてほしかったかも。渡世人の風体や性格とかも、みんな小ぎれいで野卑さが薄かった。
 新・紋次郎役は、江口洋介。なかなかカッコよかったです。カッコよすぎかも?彼って若々しくてオッサン加齢臭がなく、きれいに年齢重ねてるな~と思うけど、万年青年っぽさが抜けないのも気になる。熟してないというか。ニヒルな感じもせず、すごく優しそうなのも、違う役なら素敵ですが紋次郎には合ってないかも。『あっしには関わりのねぇこって』という冷淡な台詞が違和感あるほどの“善い人”なキャラだったし。殺陣もイマイチ鈍かった。
 紋次郎といえば、くわえた楊枝。喋りにくそうだなあ。あれは武器の一つなの?剣の技より、吹き矢みたいにピュっと敵に飛ばして命中させる技のほうがスゴいぞ!どんだけ強く吹けばいいんだよって感じですが。
 私がこのドラマを観たのは言うまでもなく、my dear 小澤征悦目当てさ♪

 金蔵役のオザユキ、可愛かったです♪敵か味方か分からない謎の渡世人なんですが、そんな胡散臭さは皆無。まん丸な濃い顔が、とにかく可愛い長身でスタイルいいなあ。どんなに凄んでも殺気ゼロ、ちっとも迫力がなくて怖くないなど、演技は相変わらずビミョーなんですがでも可愛いからノープロブレム♪極貧育ちの浮浪人には到底見えない。恰幅も良くて顔もふくよか、栄養満点に育った健康優良児そのものなザユキ。渡世人の荒びや鬱屈が全然感じられない。何やっても真性お坊ちゃまらしさは消せない隠せない、けどそれがワタシ的には彼のチャームポイントなのです。
 極悪渡世人の源之助役は、売れっ子の渡辺いっけい。おお~いっけいが珍しく男前に見えた!狂犬みたいな男を熱演してましたが(ラストの落ち武者のゾンビみたいな姿に怖笑!)。いっけいが最も魅力と演技力を発揮するのは、とことん悪な役よりも小心で小ズルい小物男の役ですよね。いっけいの、じと~っとした粘っこい目つきが好き♪
 お市御寮人役は、大好きな美しき怪女優、若村麻由美。最近は、出てきただけで何か怪しい危ない麻由美さまですが、今回もグッジョブ一見、上品で貞淑な人妻だけど麻由美さまなので絶対それだけじゃないだろーな、と思ってたら、やっぱり♪いっけいやオザユキごときが、麻由美さまに太刀打ちできるはずがない。優しげな表向きの顔の裏に秘めた夜叉な素顔、バカな男どもを操ったり罵ったりバカにしたりする麻由美さまの、白々しい冷酷な表情が美しかったです。彼女の透明感ある毒が好きです。 
 元祖紋次郎こと中村敦夫が、チョコっとカメオ出演してました。本筋には全然関係ない役でしたが。
 あと、お市の義理の娘(ともさかりえ)のダメ亭主役の俳優、私ずっと上地雄輔だと思い込んでました。おや上地くん、なかなか演技上手いじゃん!と感心しながら観てたら、ラストのクレジットで別人と判明してビツクリ。
 
 演じてた趙和↑なかなか味のある俳優ですね。それにしても、ほんと似てる。上地くん、影武者に使えるんじゃないの?
 上条恒彦が歌う主題歌“だれかが風の中で”はmy 愛蔵CDアルバム、ちょんまげ天国にも収録されてて、大好きな曲です。痛みは生きてるしるしだ~♪
 西郷どん、観行院さま、お近さん。篤姫な顔ぶれに、何だか懐かしさを覚えてしまいました。
 
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NENE

2009-04-10 | 日本のドラマ(単発)
 お正月のテレビ東京10時間スペシャル時代劇「寧々~おんな太閤記」が、こっちでは昼下がりに毎週1時間ずつ連ドラ形式で放送されたので、録画してチビチビと観ました。大昔に人気を博した、橋田壽賀子大先生の大河ドラマのリメイクだとか。
 足軽から天下人へと立身出世を遂げる豊臣秀吉と、彼を支える妻ねねの苦難と愛情の物語...
 説明する必要もなく有名で、使い古された感のある題材とヒロイン。予定調和すぎて、もうちょっと斬新な切り口や視点で描かれた部分があってもいいのでは、と思いつつ、お正月にまったり観るTVドラマに、そんなものは必要ないよな、とも。
 篤姫ほどスウィートラブコメホームドラマじゃないけど、本格的で重厚な時代劇とはやはり程遠い内容でした。ねねが完全無欠な聖女ヒロイン、なのはまあ仕方がないとしても、血で血を洗う戦国時代なのに出てくる武将がみんな人畜無害そうな善人キャラばかり、なのが物足りない。覇を賭けた阿修羅のごとき武者の激烈で男くさいドラマ、な戦国ものが観たいなあ。
 ねねは、秀吉と結婚していろいろ苦労するのですが。あの時代の武将の妻としては、そんなに不幸じゃないよなあ。秀吉もナンダカンダで、おかかおかかと死ぬまで彼女を尊重し抜いて甘えてきてたし。命も愛も失わずに乱世を生き抜き長寿をまっとうしたのだから、まずは幸せな一生と言えましょう。
 篤姫とか最近のTV時代劇って、すごくチープな感じが否めないんですよねえ。着てる着物も派手なだけであんまし高級感ないし、戦シーンも落城シーンもCGだし。金、かかってないなあと苦笑。
 キャストは...
 ねね役の仲間由紀恵、ほんと働き者ですねえ。イヤミのないキレイさだし、演技も見るに耐えないド下手じゃないし、そつなくこなしてると思った。これといった可も不可もなく、印象に残らないのが難、かも。私がこれまで観た時代劇の中で、最凶にド下手な4大DAIKON娘(綾瀬ハルカ、上戸アヤ、石原サトミ、あいぶサキ)のほうが、悪い意味で強烈インパクトに残る演技だった。晩年姿も、まったく老女じゃなくキレイなまま、なのが笑えた。ねねは、篤姫みたいな出しゃばりで自己陶酔型なヒロインじゃなかったので、カチンときたりイラっとすることはなかった。ひたすら善い人で、つまんなくはあったが。
 秀吉役の市川亀治郎が、ちょっとコロッケの息子?かと思った。めちゃくちゃオーバーで騒々しい演技が、かなり神経に障ります。このドラマが全体的にコントっぽくなってたのは、明らかに彼のせい。顔も猿というよりカバみたいだし。キャラも、おまえはのだめかよ?!な、ぎゃぼぎゃぼハイテンションなだけで、うるさいなあ、真面目にやれよ、ウザい~としか思えなかった。秀吉のノーテンキな部分だけでなく、ダークも演じてほしかった。
 脇役の男優陣が、地味だけど粒ぞろいのイケメン&男前&シブいおぢさま。ワタシ的には、篤姫よりも美味しい顔ぶれでした。
 このドラマを観たのは言うまでもなく、福士誠治に逢いたかったからさ♪
 
 秀吉の弟・秀長役の福士くん、若手随一の時代劇俳優だけあって、ちょんまげ姿がすっかり板についてます。控えめながらも凛々しい若武者ぶりに萌え~侍になる前の素朴な田舎っぺ農民青年時代の彼も、すげー可愛かったでも、あんまし出番も見せ場もなく、若死して早々と退場もっと福士くんを大事に扱ってくれよ~篤姫なスウィートさでもいいので、義姉ねねに切なく片想い、なんて設定にして福士くんをもっと活用してほしかった。
 その他の若手も、山田純大(加藤清正)中村俊介(石田三成)海東健(大野治長)と、私の好きなイケメンたちが。でも3人とも、大きな役のわりには福士くん同様、チョイ役同然な印象。海東くんなんて台詞もほとんどなく、ちょこんと淀君に近侍してるだけだし(笑)。
 中堅では田中実(浅井長政)梨本謙次郎(蜂須賀小六)西村和彦(明智光秀)と、これまた地味だけど私の好きな男前たちが好演。和彦の明智は、う~ぐ~と怒り悔しの呻き声が主な台詞でした(笑)。
 ベテランでは、織田信長に村上弘明、徳川家康に高橋英樹。二人とも、役よりも年齢が高すぎて、ちょっと???でしたが。村上さんは、今でもカッコよくてイケてます。桃太郎侍は、篤姫といい最近ちょっと出すぎ?時代劇の大物的役は彼に任せとけば無難、みたいな風潮?確かに彼だと安心感があるんだけど、信長と秀吉よりはるかに年上な家康って、いくらなんでも無理がありすぎ。あと、本田博太郎とか名高達郎とか、素敵なおぢさまが。
 女優は...こんなところにも出てるよ(苦笑)な、淀君役の吹石一恵。彼女も過労女優だよなあ。仲間ユキエ同様、吹石一恵も4大DAIKON娘とかに比べると、演技はちゃんとしてるし美人なんだけど、淀君にはちょっと???明るくて健康的で庶民的な見た目なので、冷たく気高く破滅的な姫君って感じじゃないんだよなあ。ガタイが良すぎて、高貴な身分の着物が似合わない。
 豊臣秀頼役の男の子が、何か喋り方がキモかった。歌舞伎関係の子?森光子のナレーションが、何かヤバい感じ。声が死んでる...
 
 いま福士くんに挑戦してほしい役は、何と言っても三島由紀夫の「奔馬」の主人公・勲の役!福士くんで新・銭形平次、なんかもイケてそう~♪
 

 
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お江戸ラスト・フレンズ

2009-04-09 | 日本のドラマ(単発)
 妻夫木聡&藤原竜也競演の時代劇「SABU さぶ」を観ました。名古屋テレビ開局40周年記念で製作された、2002年のTVドラマです。高い評価を受け、後に劇場公開もされたとか。「ヤッターマン」がヒット中の三池崇史監督作品。山本周五郎原作。
 しっかり者で勝気な栄二と、のろまだが心優しいさぶは、幼い時からの親友同士。奉公先の店で盗人の濡れ衣を着せられた栄二は、島流しの憂き目に。その原因がさぶにあると疑う栄二は心を閉ざし、足繁く面会に訪れるさぶを拒絶するが...
 ブッキーだしタイトルがさぶだし、YAOIな期待を大いに抱いて観たのですが、もちろんブッキーと竜也くんがBL♪なんて内容ではありませんでした真面目な青春&人情ドラマです。世知辛い世間の中、如才なくコズルく立ち回れず、損や傷ばかり負いながら生きることしかできない、栄二とさぶの不器用で真っ直ぐな心根が、痛切かつ美しいです。
 栄二の不幸・不運が怒涛で悲惨すぎ。あれじゃあ神も仏も信じられず、人間不信に陥っても無理はない。でも、彼を信じる人、思いやる人、愛する人はいっぱいいて、安穏に暮らしていても彼らみたいな存在をもたない者のほうが、よっぽど栄二より不幸せかもなあ、と我と我が身をつい省み、ちょっと落ち込んでしまいました。
 愛情方面では恵まれてる栄二なので、どんな辛い酷い目に遭っても、そんなに可哀相には見えなかった。この世で彼を信じ待っている、彼の魂の救いとなるのはさぶだけ、にしたほうが、感動的なシチュエーションになったかも。
 主人公ふたりの友情と絆に、深みというかキメ細やかさがないというか、すごく物足りない感じ。登場人物が多すぎるせいかなあ。もっと二人だけの関係に絞った内容にしてほしかったかも。別に同性愛ものにしろとは言わないけど、二人の愛憎がもっと緊密で一途なものとして描かれていたら、もっと琴線に触れるストーリーのなってただろうし。ひとりじゃない、というテーマが切なく響いたはず。
 
 女っけがほとんどないのに、そこはかとなくさえ妖しい男色の匂いもないってのは、やっぱもったいないと思った。流刑地での人間関係や対立関係も、ほんとゴクセン、クローズ系なケンカ漫画風味というか。江戸の商家や町を映す映像とかは、しっとりした情感があって良かったけど、肝心のドラマにそれが希薄だったのが、ちょっと惜しかったです。って、ナンダカンダで結局のところは、BLっぽくしてほしかっただけだろ?な私ですね
 ブッキーを使ってフツーにキレイな友情ドラマ、なのが彼の無駄使い、というか。でもブッキー、すげー可愛かったです。戦国武将とか子爵家の令息なんて役はミスキャストにもほどがあるけど、貧乏な奉公人姿や百姓姿は怖いほど似合ってる!グズでノロマ、ちょとオツムが?な言動や、女の子みたいなモジモジナヨナヨ感が、地?と思えるほどハマってた。おどおど、たどたどしい喋りをするさぶなので、大根な棒読みも妙に適してた。そして、つくづく思ったよ。ブッキーには演技力より強力な武器がある、と。
 若手随一の演技派!なんてブッキーを讃える記事やコメントって、彼に対するイヤミ?!と思えるほど、ブッキーってお世辞にも演技が巧いとは言えないのですが、彼には他者の追随を許さない魅力が備わってる。そう、彼が随一なのは演技力ではなく、強烈な性的フェロモン。天使な男子さぶですが、ピュアなキャラとはそぐわぬ色気が。浅黒い首筋の艶とか。ぽってりした唇も上目づかいの目も、男女問わず誘ってる風がある。誰といても押し倒されそうな、無意識にそれを仕向けてるような、さぶの意図なき媚や無防備さが妖しい。ブッキー、あんたやっぱ魔性の男だね。俺にも女ができたよ~なんて栄二に報告するさぶですが、ぜんぜん柄じゃない。さぶが女と乳くり合ってる姿なんて、想像できません。
 
 竜也くんは、ブッキーよりは演技はしっかりしてる、危なげがない感じ?なかなかカラダを張った熱演でした。でも、ブッキー以上に顔が幼くて、無情な運命に沈んだ悲壮感とか屈折の暗さ重さが、あんましないんですよねえ。可愛いまま、みたいな。ケンカ大将な栄二ですが、そんなに強そうにも見えないし。恋人役の吹石一恵(私が最近観るドラマ、99%の確率で彼女が出てる...)のほうが屈強そうだった。それにしても栄二よ、自分の愛のためには愛する人にさえ犠牲を強いる、あんなドロドロした情念をもつ恐ろしい娘より、自分を犠牲にしてまで大事な人の幸せを守ろうとする清らかなさぶのほうが、よっぽど愛しくないか?
 栄二とさぶの幼なじみの女役が、なぜか田畑智子。彼女、個性的で良い女優だとは思うけど、あの役は薄幸そうで儚げな美女がやるべきだよなあ。田畑智子を女郎部屋に売るより、ブッキーを陰間茶屋に売り飛ばすほうが、はるかに高値がつきそうだし。
 脇役には、ジュリーこと沢田研二(フツーのオッサンになってた)とか、ムーさんこと六平直政とかが好演。ラストのクレジットをナニゲに見てると、え?玉木宏も出てたの?!ぜんぜん気づかなかった。何の役だったんだろ。流人の一人?
 あと、どうでもいいことですが。オレンジ色の囚人服が、妙に可愛くてオシャレだった。どんなに労働しても乱闘しても、ぜんぜん破れたり汚れたりしないのが笑えた。 
 
 ↑うう~ん、やっぱ妻武器、最強かも
 
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毒婦の叫び “テメーらみんな金髪豚野郎だ!”

2009-01-26 | 日本のドラマ(単発)
 今年は松本清張生誕100周年だとか。それを記念して各TV局や映画会社が、清張作品を次々と映像化。その先陣を切ったのが、このテレビ朝日の「疑惑」。岩下志麻&桃井かおり主演の映画版が有名ですが、TV版はどうだったかというと...
 真夜中の埠頭で、資産家夫婦の乗った車が海に転落。生き残った妻・球磨子に、多額の保険金目当てで夫を殺したという疑惑がかけられ、マスコミは彼女を希代の悪女として糾弾。やがて球磨子は逮捕され、彼女の国選弁護人となった佐原は事件を洗い直し、新事実を探り出すが...
 面白かったです。何か笑えるドラマでした。コメディじゃないのに。シリアスな社会派サスペンスなはずなのに。球磨子に扮した沢口靖子、その激演はヘタなお笑いタレントの半端な芸を凌駕するオモロさでした。
 かつての清純派、お嬢様女優の沢口さん、見事にキワモノ女優へと進化を遂げましたね。しかし老いたとはいえ、やはりスゴい美人。フツーにキレイな松嶋なな子とか竹内U子、仲間ユキエらとは違います。その崩れかけた腐りかけた美貌が、壮絶で不気味な妖気を放っていて、怖い~!
 沢口さん、演技は万年大根です。一生懸命やってる感はヒシヒシと伝わるんだけど。声が良くないのかなあ。黙ってたら妖怪ちっくで妙な凄みもあって怖いけど、喋ったらトホホ、みたいな。でも、なかなかの怪演珍演で、初めて彼女に瞠目させられました。記者会見でのプッツン罵詈雑言や、拘置所内で暴れたりする姿は、何だか泰葉みたいで大笑い。沢口さん、たぶん泰葉の狂態を演技の参考にしたのでは?魔性の女にもアバズレにも見えないけど、美人になった泰葉には見えます。
 
 球磨子を実は可哀想な悲しい女、なキャラにしてしまっていたのが、とても残念。おかげで、藤田まことのはぐれ刑事みたいな人情ものっぽさで終わってしまった。球磨子がいい人になっちゃうなんて、朝青龍がいい人になるのと同じくらい、ありえな~い!つまんな~い!です。最後の最後まで、どーしようもないズベ公だった映画版の桃井かおりのほうが、やはり演技的にもキャラ的にも深くてインパクトがあります。
 それにしても???だったのは、球磨子が夫の真実を秘していたこと。あんなに死刑になることを恐れ、何が何でも無罪になってやる!だった彼女なのに、なぜ隠していたのか。愛のため?うう~ん、ヘンに愛情人情を持ち出しちゃったせいで、話にも球磨子のキャラにも矛盾が生じたような...
 佐原役の田村正和。すっかりお爺さんになりましたねえ。年末年始は、やたらと主演作が放送されたけど、大丈夫なのかなあ。あまりご壮健そうには見えないので。同じ老人でも、共演の津川雅彦のほうがピンピンしてる。劇中の老体にムチ打つ演技に、無茶はやめて!死んじゃう!と心配になりましたが。バーでピアノ弾いたり、お爺さんになっても相変わらずカッコつけてるところは、もうお笑いの域です。
 ラストの佐原の最終弁論、まるで人情小話を朗々と聞かせてるみたいでしたねえ。まったく反論しない検察側が不可解。まるで、大物俳優MASAKAZUに逆らえない小物俳優、みたいな感じでした。
 女記者役の室井滋。彼女、善良な女よりもヤな女やらせたら断然光ります。球磨子の死刑判決に安心&大喜びするシーンなど、うわ~ほんと性悪女!とドン引きさせるほどイヤ~な顔するんですよね。やっぱ演技巧者!
 ライターで顔を焼かれてギャー!な若村麻由美、コズルくてセコくて無能な警察官僚というオハコ役の渡辺いっけいなど、脇役陣の好助演も印象的です。
 桐野夏生の狂笑作「グロテスク」は、沢口靖子&若村麻由美コンビでドラマ化してほしいかも。
 いまイケメンブームなので、清張作品もどーせならイケメン♂パラダイスにしちゃえばいいのに。おこちゃまドラマより、彼らにとっても挑戦しがいがあると思うし。ワタシ的に観てみたいのは...瑛太で「夜光の階段」、坂口憲二で「彩り河」、小澤征悦で「張込み」、妻夫木聡で「わるいやつら」、櫻井翔で「球形の荒野」、福士誠治で「かげろう絵図」、池松壮亮で「或る『小倉日記』伝」、竹野内豊で「砂の器」...かな。
 
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燃える紅葉、萌える男前

2008-11-09 | 日本のドラマ(単発)
 おほかたの秋は憂しと知れども、振り捨てがたきは鈴虫の声ではなく、ブラウン管のイケメンたち...
 大好きな男前たち主演の2時間ドラマを、まったり観ただよ...

 まず、土曜ワイド劇場「炎の警備隊長五十嵐杜夫⑦ 隊長が逮捕!?巨大病院の連続殺人に潜む闇取引と美人悪女の不倫の罠」...
 早くもシリーズ七作目かあ。小林ネンジ隊長が、ワケアリ&ブータレてる隊員たちや事件関係者に、再教育!とばかりに喝を入れたり説教したりする、いつもと同じ内容です。事件の真相や犯人などが、それは二の次みたいなヌルさユルさなのも、お約束化しちゃってます。
 単に小林ネンジ主演の2時間ドラマというだけなら、決して観ることはないのですが、準主役の黒崎主税役の小泉孝太郎がカッコカワイイので見逃せない&楽しみなシリーズなのです。
        
 コータロー、相変わらず爽やかで可愛かったです。さすがに初期の頃のようなフレッシュさはなくなってるけど。演技力は初期の頃から不変ですが隊長を助けるため仙台まで駆けつけてくる主税くん。容疑者を洗うのはいいけど、おまえは前科があるだろ!とか、アリバイ証明しろ!とか、若造のくせにエラそうで上から目線な主税くん。実際のコータローも、パパの威光を笠に着るような態度で、共演者たちからヒンシュク買ってやしないだろうか、心配になりました。
 制服姿もイケてますが、今回も主税くんの私服が超おしゃれでした。とても警備員とは思えません。どこのブランドやろ?高いんだろーな。おしゃれだけど上品なんですよね、コータローのファッションセンス。さすが、やんごとなき生まれ。
 ストーカーや泥棒や放火魔や殺人犯が働いてるあんなトンデモない病院、ぜったい入院したくない!それと、やたら警備員を貶めるような台詞が多かったなあ。病院の洗濯場前で煙草吸ったり、倒れた老人を無視したり、なんでこんな奴らが警備員に?!でも、五十嵐隊長のおかげで改心する彼ら、めちゃくちゃ変わり身が早くて笑えた。五十嵐隊長、警備員というより神父・牧師に近いキャラ?
     
 五十嵐隊長、早く勇退して主税くんに主役の座を譲りなさい!もしくはコータロー主演で、御曹司は名探偵、みたいな新シリーズを!

 つづいて、WOWWOWのドラマ「宿命」...
 医療機器会社の社長が、ボーガンで射殺される。刑事の和倉勇作は、前社長の息子で脳神経外科医の瓜生晃彦に疑惑を抱く。勇作と晃彦は、かつて険悪な仲の同級生だった...
 原作は東野圭吾の小説。事件の謎も真相も、なかなか驚怖かつ面白かったです。事件の舞台となる病院や瓜生家に漂う、上品でミステリアスな雰囲気も良かったです。
          
 欲を言えば、なぜか惹かれ合い反発し合わずにはいられない勇作と晃彦の不思議な関係と宿命を、もうちょっと濃い目に描いてほしかったかも。勇作の元恋人が晃彦の妻という設定も、あんまり複雑な感情や確執になってなかったのも肩透かし。三角関係が、ほとんど韓ドラの純愛ものっぽかったのが残念。全体的に、すごく薄口って感じなんですよね。せっかく、禁断のロボトミー手術とか恐ろしい人体実験とか、悲しい出生の秘密とか、どろどろ濃密になれる要素があったのに。
 宿命の男ふたりが、男前♪
 晃彦役は、藤木直人。売れる前の彼、めっちゃ好きだったんですよね。上品でスマートでカッコよかった。my motherも、博士(朝ドラでの役名)かわいい~とか言ってたよなあ。久々に見た彼、かなり老けて疲れた感じ(たまに麻生首相に似て見えた。私だけ?)だったけど、やっぱカッコよかったです。白衣が似合ってた。エンディング曲が彼の歌だった。まだ歌手やってたんですね。
 勇作役が、きゃ柏原崇
  
 カッシー、やっぱ美男ですねえ。腐ってもカッシー、痩せても枯れてもカッシー。かつては、ワタシ的に美男子の代名詞だったカッシーですが、今でも美しさはそんなに損なわれてません。ぜんぜんイケてます。ぶっちゃけ、カッシーほどの美男、今の芸能界にいるか?美貌だけなら、韓国俳優なんて足元にも及ばないのでは。
 ちょっと虚無的な刑事(ホストにしか見えないんだけど)の役なのですが、若くしてホントに人生いろいろ紆余曲折を経てるカッシーなので、どよよ~んとしたクタビレ感が悲しいほど出てて、役に合ってました。役と合ってなかったのは、スベスベなキレイすぎる肌。どんなお手入れしてるのカッシー。
 ただの美男ではなく、ちょっとコワレちゃっててイタいところも、カッシーの魅力なのではないでしょうか。美しい男は、どこか破綻してないとね。でもそれを、うまく芸のコヤシにできず、うらぶれてしまってるのが惜しいカッシーです。私からしたら、あのカッシーがドラマで上戸アヤと上地の下座につくなんて、嘆かわしいにもほどがある!どうせ落ちるなら、エロいVシネマに出てカッシー!
 主役ふたりが、どっちも似た感じの愁いある美男なので、どうせなら全然タイプの違う男優にすればいいのに、と思ってたら...ラストに明かされる二人の関係を知って納得...って、おっとこれ以上は♪ネタバレになっちまう。
 二人に愛されるヒロイン、本上まなみも透明感があって美しかったです。髪型とファッションが素敵でした。目をひん剥くワナワナ演技が、ワンパターンですが。
 カッシーの高校生時代役の男の子も、すごくカッコカワイかったです。誰じゃろ?
 事件の鍵を握る、十数年前に不審死を遂げた知的障害の女性役が、なぜか飯島直子。幼い晃彦と勇作にとって宿命の女となるあの役は、もっとインパクトを残せる美しさと演技力ある女優にしてほしかったなあ。あと晃彦の妹役で、こんなところにも出てるよ~な、不可解な売れっ子ニューハーフ顔娘、水川あさみ。どなたか彼女の魅力を解説して~!
     
 ↑どうして草○ぎとか内田ユキの元夫とかが主役できて、こんなにイケメンなカッシーができないの...
 
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戦慄!ブリババのイケメン玉ころがし

2008-10-08 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたNHKのスタジオ舞台ドラマ「ママさんバレーでつかまえて」を観ました...
 スーパーマーケットが後援するママさんバレー部のキャプテン鈴子は、社長が部を廃部にしようとしていると思い込み、テコ入れで恩師であるおばあちゃんコーチを招く。だが、そこにひょっこり現れたのは、イケメン青年。彼は鈴子の年下の夫だった。
 ううううう~ん。はっきり言って、バカみたいな内容でした。くだらない。内容は小学校の学芸会です。ドタバタコメディなんだけど、スタジオの観客みたいに笑えない。吉本新喜劇とかドリフのコントのほうが、はるかに舞台としては良質かも。
 話のくだらなさは、まあ我慢できた。耐え難かったのは、鈴子役の黒木瞳の超絶ぶりっこ演技!彼女、確かに若々しい美人だけど...何なんでしょう、あのキャピキャピっぷりは。不気味~!仕草も喋り方も、私カワイイでショ?ね、カワイイでしょおぉぉ~♪全開で、だんだんキモさを通り越して恐ろしくなった中高年女性の可愛らしさって、年齢を重ねた深み重みの中に、さりげなくあるのが素敵だと思うけど。たぶん黒木さんの中では、宝塚の娘役時代の意識が精神的不老の原因となってるんだろうなあ。ある意味、彼女独特のキワモノに近い芸風になってますよねえ。
 ブリブリパワーで大はしゃぎな黒木さんに、ドン引きしつつ最後まで観ることができたのは、もちろん向井理のおかげさ♪
 
 おさむっち、きゃわいい~バンビーノのまさしが、料理人やめてオバハンのツバメになって大学に通わせてもらってる、みたいなキャラ?あんな男の子がコーチだったら、バレーボールより彼のボールが気になってセクハラしちゃいそうです。おばさんたちが萌え萌え状態になって、彼にベタベタするのも当然。まるで野獣の檻に入ってしまった子羊おさむっちの、ボク食われちゃう?な困惑しまくり&ビビリまくり顔や動きが可愛いすぎ!そして、あらためて思い知らされたけど、おさむっちの顔って小さい~!背が高い~!黒木さんとイチャイチャするシーンは、ちょっとオカマっぽくて萎えたが。
 おさむっちは、黒木瞳の一回り年下の夫の役...ひと回り~?!ふた回りに近いだろ?!ていうか、とても夫婦には見えません。どう見ても親子だ!可愛い母子だな~ちょっと仲が良すぎてキモい母子だな~と、途中から夫婦として見るのをやめてしまいました。 
 舞台は初挑戦だったというおさむっち。このヘタクソ!と、黒木さんに怒られたりしなかったか心配。でも、ヘンに舞台なれした俳優じゃなくて良かったのかも。これってほとんど黒木瞳SHOWだし、彼女の過剰はりきりブリッコ演技だけで、お腹いっぱい!おさむっちには本格的な舞台に、いつかトライしてほしいものです。
 片桐はいりが笑えました。男みたいな彼女が、おさむっちの前では乙女になるところが珍妙でした。
 タイトルのママさんバレー。黒木瞳も他のメンバーも、ママさんじゃないじゃん?!
 
 おさむっち、怒涛の連ドラ連投出演!働かされてますねえ。しかも、くだらないオコチャマドラマの脇役ばかり...事務所さん、もうちょっと良い仕事とってきてあげて!
 
 
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夢ぢゃ夢でござる~☆

2008-10-02 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたスペシャル時代劇「柳生一族の陰謀」を、まったり観ました...
 二代将軍秀忠が毒殺され、その後継をめぐって嫡男家光派と次男忠長派が対立。柳生但馬守宗矩は息子の十兵衛に、家光擁立のため策動するよう命じるが...
 サニー千葉主演のドラマや、深作欣二監督の映画でも有名な柳生一族ですが、21世紀のリメイク版は...
 かなり、ていうか、めちゃくちゃ笑えました。ほとんどギャグです!
 話も展開も時代考証もキャラも、かなりハチャメチャで粗雑。脚本と演出が、びっくりするほど破綻してます。日本の時代劇に、ワイアーアクションはやめてほしいなあ。本格的な殺陣で魅せてほしかった。ヘンなショボいCGも、何だかなあ。
 余計なキャラや設定が多いのも興ざめ。出雲の阿国と十兵衛の恋愛なんて、要らない!いや、あってもいいけど、韓ドラみたいな純愛じゃあ、返って十兵衛をつまんない男にして逆効果。
 そもそも主人公であるはずの十兵衛が、何だか影が薄かった。見せ場が少ない!せっかく見た目はカッコよかったのに。もったいない!十兵衛の敵キャラが何だかショボいのも、いかがなものか。
     
 とまあ、時代劇ファンを嘆かせるほど、作品の質じたいは低いのですが...お笑いドラマとしては、近年まれな衝撃作だったかも。作り手の意図とは違った方向で、大成功してると言っていいドラマかもしれません。二人の俳優が、笑撃の功労者となっています。
 まず、柳生但馬守宗矩役の松方弘樹。
 実質の主役かも?十兵衛より出番が多かったような。さすが松方さん、時代劇とはこうぞ!な演技は、若手の学芸会を観慣れてる目に、何だか安心感を与えてくれます。が、貫禄はあってもソツのない演技は、ラストになって大爆発!あの狂乱シーン、何度観ても笑える~!「篤姫」での中村梅雀の『畏れ入り奉りまする~!』リフレインも笑えたけど、松方さんの壊れたレコード針みたいな『夢で夢で夢で夢夢夢夢で夢でござる~!』は、さらにブっとんでて爆笑!あの演出と編集は、ちゃんと松方さんの許可をとってるのか心配です。しかしホント、笑わせてもらいました!でもあれって、笑えるかフザケンナ!のどっちかだろうなあ
 そして、徳川家光役の高橋和也。
 初登場シーンから、イっちゃってます!女中を殴る蹴る&家臣を手討、のシーンは、ラストフレンズのそーすけなんか敵じゃない狂気のDV男っぷり!中盤、改心して真人間になっちゃってつまんないなあ、と思ったら。油断してました!ラスト、炸裂する異常性格!ヌハハハハハヒャヒャヒャアァア~!あの笑い方&表情ときたら!生首な末路といい、こっちまで大笑いでした♪それにしても彼、元ジャニーズとは思えないほど良い役者になりましたよね。
 松方弘樹と高橋和也の怪演は、まさに永久保存版!悲しい時、欝な時に観ると、元気が出そうです♪
 主演の上川隆也は、40過ぎには見えないほど風貌も雰囲気も若々しいし、端正な演技も素敵なんですが、真面目すぎる優等生キャラと見せ場の少なさで、ファンにはちょっとガッカリかも。もっと野獣なキャラで大暴れ、にしてほしかったなあ。
     
 忠長役の石垣佑磨が、カッコかわいかった!貴公子役にしては、ちょっと逞しすぎるというか、ガッチリしすぎ?着物姿でも分かるマッチョなユーマくんです。可哀想な役で涙
 怪演、というより怪存在だったのが、公家役の佐野史郎&火野正平。志村けんのバカ殿かよ!な白塗りがキモ笑!
 内山理名と佐藤藍子が、ちょっと???なキャスティングでしたが、おおむね地味だけど味のある役者がそろってたのも良かったです。
 生首ゴロンとか片腕ボトリとか、女・子供含め村人大虐殺など、今時TVでは珍しい猟奇(だけどショボい)シーンも強烈なインパクト。
 蛇足ですが...映画版の柳生一族も観たくなって、さっそくレンタル店に行くと、あらら!貸し出し中!同じこと考える人、やっぱいました
 
 
 
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鎮魂の夏

2008-08-06 | 日本のドラマ(単発)
 8月6日は、広島で生まれ育った者にとっては特別な日です。63年目を迎えた原爆記念日の朝、平和のために祈りました。
 広島が舞台のNHKのスペシャルドラマ「帽子」を観ました...
 広島・呉。帽子職人の老人・春平は、東京にいる息子とは疎遠で、寂しい独り暮らし。セキュリティ会社の警備員・吾朗は、何かと自分を呼び出す春平に辟易している。そんな中、吾朗を産んですぐ家を出た母が余命いくばくもないこと、そして彼女が春平とは兄妹同然に育った幼馴染の世津だと判明。春平は吾朗とともに東京へ向かうが...
 しみじみとした、佳いドラマでした。ドラマチックな展開も、いかにも泣け!なお涙ちょうだいシーンも台詞もないけど、原爆の悲劇や切ない愛が静かに優しく描かれていて、心に沁みました。
 胎内被爆、という悲劇についても、さりげなくも深く考えさせる内容です。差別偏見をする人もされる人も、悲惨な戦争の生き証人が年々減少していくことは仕方がないことですが、その代わりに戦争?何それ?な時代が来てほしい、と心から願わずにはいられません。
 決してガチガチの反戦ドラマではなく、どちらかといえば哀歓ある人情ドラマです。春平と世津の実らなかった恋は、ちょっと韓ドラっぽくセンチメンタルすぎたけど。互いに孤独を抱える春平と吾朗の触れ合いが、ほのぼの+しんみりしていて良かった。
  
 春平役の緒形拳、やっぱ名優ですね。かつてのギラギラしてた野獣オガケンも、すっかり枯れた爺さんになりましたが、今でもイケてるぞ!ちょっとボケ気味な爺さん役なのに、ヨボヨボ弱々しくないし。中学校の職員室に殴りこみ?生意気な教師に、このバカタレー!!と怒って殴りかかっていく凶暴さや、時おり見せる鋭い眼光とか、往年のオガケンらしくて素敵でした。
 息子には見捨てられているのに、それを自分にも他人にも認めようとせず、都合のいい虚勢を張る春平が、滑稽で哀しい。孤独が痛ましいけど、トボけたオチャメな老人を、オガケンが可愛らしく演じてます。『ハサミがないんよ~ハサミ探してくれえや~』なんて吾朗を困らせたり、吾朗の車に勝手に乗り込むチョコマカした動きとか、ほんとキュートでした。
 学芸会な若いタレントに諂い媚びてまで、華やかな民放のドラマには出ないオガケンの、役者魂を悪魔に売らない仕事スタンスが好きです。でも良い作品なら、脇役も喜んでするところも、彼の素晴らしいところですよね。
 吾朗役の玉山鉄二も、なかなか好演してました。田舎の警備員にしては、ちょっと美男すぎるけど。広島市民に混じって原爆ドーム前を歩くシーンがあるのですが、あんな男やっぱ一般世界にはいませんよ。インタビューでも言ってたけど、オガケンとの共演は、玉鉄にとって良い勉強になったようですね。
 オガケンと玉鉄の広島弁が笑えました。すごく頑張ってたけど、やっぱねえ。生粋のネイティヴからしたら、かなり変でした。でも、好きな俳優が広島弁を口にしてくれると、何だか嬉しいものですね。玉鉄の『何しょうるんなー!』オガケンの『ぶち殴っちゃる!』が微笑ましかったです。吾朗役、岡野昭仁だったら完璧な田舎広島青年だったかも?
 世津役は、久々に見た田中裕子。おしんも、年取ったなあ。玉鉄のパパ役は、岸部一徳。おしん+岸部氏で、玉鉄みたいな息子が生まれるかなあ?!
 舞台となった呉。ロケ地に、馴染みの場所が出てきて楽しかったです。「海猿」でも使われた階段とか、三条通りの商店街とか。黄昏どきに見る造船所のクレーンと煙って、実際にも何だか悲しい気持ちにさせるんですよね。風景は変わらないのに人間は変わっていく...みたいな。
          
 施設の爺ちゃんとイケメン介護士、ではありません。それにしても。この画像のオガケン、ちょっとヤバいですよねえ
 
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闘魂!あっちゃんカッコいい~

2008-07-31 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたスペシャルドラマ「内藤大助物語 いじめられっ子のチャンピオンベルト」を観ただよ...
 いじめられっ子だった大助は、北海道から東京に上京。ひょんなことから始めたボクシングで、才能を発揮することに...
 ロッキーみたいな不屈のド根性もの、というより、いじめが主題みたいな内容?東京に出るまで大助が受けるいじめが、ほんと残酷でひどい。ボクシングでチャンピオンになることより、あのいじめに耐えたことのほうが、賞賛に値します。でもホント、卑劣な弱い者いじめって、何が楽しいんだろう?と思う。他人への思いやりや優しさが欠如した、荒んだ心を持った人が多いのが悲しい。
 それにしても。内藤大助をいじめた人たちは、このドラマを観てどんな感想を?何とも思わないんだったら、精神的におかしいですよねえ。あれが内藤をいじめた奴だよ!と、白い目で見られたりしてないのかしらん。
 いじめられてる小学生の男の子とのエピソード、あれはフィクションとしか思えないなあ。男の子のマンションに入りこんで彼を看病したり、男の子を自分のアパートに連れ込んで、いきなり後ろから彼に飛びついてズボンをズリ下ろしたり(いじめの痕跡を確かめるためですが)、すぐに抱きしめたり、ヘタすると猥褻目的の未成年誘拐男と疑われて、逮捕されても仕方がない内藤にハラハラさせられました。
 あと、いじめ男とのラストも、???だよなあ。あれがホントなら、内藤さんって聖人です。それにしても。あのいじめ男、ほんと怖かった!ラストフレンズのそーすけどころじゃない凶暴凶悪狂気じみたヴァイオレンスぶりに、戦慄!ちょっとイケメンだったけど。
 このドラマを観たのは、もちろん内藤大助のファンだからではなく、大好きな伊藤淳史が主演だからさ♪
 伊藤くん、すっげカッコよかったです!ヘタレ演技はワンパターンですが、ボクシングに打ち込む姿は、ほんと男らしくて今までとは別人みたいだった。本物のボクサーみたいな鍛えた体も立派!チビだけどガッチリ引き締まったナイスバディは、ちょっとガエル・ガルシア・ベルナルを彷彿とさせました。
 伊藤くんの中学・高校の制服姿も、そんなに違和感なかったです。my 甥ダミアンの友達には、サイババみたいなオッサン高校生もいるし。
 男らしく成長した(背は伸びないだろうけど)伊藤くんですが、顔は猿みたいで可愛い。黒目がちの瞳が相変わらずキレイ。厚い唇もセクシイです。まさに私好みの、理想のイケてるガッチビ猿!ブサイクな内藤の役にしては、かなりカッコかわいすぎる伊藤くんです。
 ちょっと善い人すぎる内藤の半生よりも、ドラマ的には非常識なヒール亀田兄弟のほうが面白いものになりそうだけど。ドラマ化の際は、亀田兄弟役は市原隼人、高岡蒼甫、溝端淳平、なんて似ても似つかない無茶なキャスティングを希望♪
  
 こんなにイケメンなんだから、もうヘタレ役は卒業して、大人の男役に挑戦してもいい伊藤あっちゃんです
 
 
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トオルとエツコ 

2008-07-17 | 日本のドラマ(単発)
 録画してた土曜ワイド劇場2本、観ただよ...

 まず「刑事殺し② 刑事の娘が拉致された!全裸殺人の復讐…警視庁に告ぐ!タイムリミット午前0時」...
 大好きな仲村トオル主演。まさか刑事殺しがシリーズ化されるとは思ってもみなかったので、嬉しい驚き。でも第2作目は刑事、殺されてないじゃん?!まあ、そうそう刑事が殺される話にするわけにはいかないでしょう。次回からはタイトル、「警視庁捜査一課 野津刑事の殺人捜査」とかにすればいいのでは?
 今回は、桶川のストーカー殺人がモチーフっぽい内容?警察内部の軋轢とか対立とかのほうに重点を置く方向性なシリーズみたいです。ワタシ的には、事件の謎とか犯人の動機を丹念に描いてほしいのですが、残念なことにそれらはやっぱ従来の2時間ドラマって感じでした。ラスト、野津が犯人を騙す仕掛けにビックリ。苦い後味を残す解決法でした。警察に謝罪させて怨みを晴らしたはずの犯人、騙されたと知ったら、さぞや無念だろうなあ。出所したら、絶対仕返しに来るよ。
    
 主人公、野津刑事役の仲村トオルがカッコいい見た目はクール、中身は熱いトオル刑事に、ぜひ逮捕されたいものです。もうおじさんと呼ばれる年齢なのに、メタボや加齢臭とは縁のなさそうなシャープな引き締まり感が、トオルの魅力です。おっさんでもない、若造でもない、渋さと甘さが融合した、男が最も輝く年頃のトオル。彼のチャラチャラしてない硬派ところが大好きではあるのだけど、ちょっとストイックすぎるきらいもあり、演技が堅苦しく面白みに欠けるのも否めないので、たまには崩れた役とかにも挑戦してほしいものです。
 前回は古谷一行、今回は西郷輝彦が相手役。かつて主役を張った人気俳優で、今は老いて脇もするけど2時間ドラマなら主役もする、なベテラン俳優を今後もトオルの相手役に迎えるって趣向のシリーズなのかしらん?次は渡瀬恒彦、藤田まことあたり?
 トオルの部下役、ムーさんこと六平直政も好演。それはそうとムーさん、確か火サスの佃警部補シリーズでは、西郷輝彦の部下役だったよなあ。
 西郷輝彦の部下役で、保坂尚希も登場。トオルと同世代だと思うけど、彼もまだ可愛いですよね。昔から結構好きなんです♪挑発的なキャラも良かった。トオルの妻役が、なぜか山本関西の娘。前回も思ったけど...野津刑事、こんな女のどこに惚れたんだろ~?と首を傾げてしまう見た目&キャラで、いかがなものかな存在。
          
 続いて、「家政婦は見た!ファイナル 華麗な外交官一族の愛と欲、女たちの乱れた関係…秋子、大統領を討つ!?」...
 ガーンTVドラマ史上に燦然と輝くシリーズが、とうとう終焉を迎えてしまいました。寂しい
 社会を騒がせた事件やスキャンダルをネタにしてきたこのシリーズ、最終回は外務省機密漏洩事件。ちょっとマイナーというかマニアック?もうちょっと馴染みのあるネタにしてほしかったかも。最近はブラックコメディ調な社会派っぽい内容になってたけど、上流階級の浅ましく醜い色と欲を描いていた昔のほうが、私は好きだったなあ。
 最終回なので、今まで語られなかった秋子の知られざる面が?秋子に何か起きる!?と期待してたけど、いつもと同じ内容&ラストで肩透かし。ゲスト出演者も、もっと豪華にしてほしかったかも。辻本キヨミみたいなNGOの女性役が、懐かしの金沢碧だったのが驚き。コザール共和国の大統領が、いかにも極悪独裁者な悪人顔で笑えた。
 一世一代の当たり役にピリオドを打った市原悦子も、さぞや感無量なことでしょう。ひょっとして体調が悪いのかも?と心配。
    
 秋子forever...えっちゃん、お疲れ様~!もう、こののぞき姿は見られないのか~
コメント (6)
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