まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

浪漫の街

2009-10-02 | フランス、ベルギー映画
 鞆の浦の埋め立て差し止めの判決が、広島裁判所で下されました。
 ポニョの故郷としても有名になった、日本の歴史美を残すゆかしい景観が守られたことに、多くの人は安堵したことでしょう。私も良かったね~と思いました。が、そうも言ってられない複雑な現状が。公共工事がされないと、生活の不便さや過疎化がいっそう深刻化するのだとか...
 景観保護か利便性か。うう~ん。断然こっちを優先すべき!とはいかない、難しい選択ですよねえ。
 自分の意見や価値観で喧々囂々するのは簡単だけど...ワイドショーなどのコメンテーターの、実際に鞆の浦に住んでないから言える“しょせん他人事”なご立派発言には、ちょっと首をかしげてしまいます。
 不便をしのんで生きる、という判決を受けての宮崎ハヤオ監督の言葉は、なるほどなあ~そうだよな~な感慨深いものでしたが...宮崎監督みたいな何不自由ない都会で暮らす大富豪(たぶん)では、何か説得力ないなあ~と苦笑も。
 八ッ場ダムにも鞆の浦にも、最善の解決が早く成されることを祈願...
 どうでもいいけど、さっき思い出した。明日はmy birthdayだ~週末に誕生日なのに、スウィートな予定なんか何もない今年もコンビニで独り分のケーキ買って、ロウソクないので線香立てて、永遠の19歳ループでアンハッピーバースデイトゥミー~♪とI will sing aloneです♪

 「PARIS パリ」
 パリで生きる人々をスケッチした群像劇。セドリック・クラピッシュ監督作品。
 重い心臓病を患うダンサーのピエールは、シングルマザーの姉エリーズと同居を始める。姉弟の周囲にも、悲喜こもごもな人間模様があった...
 クラピッシュ監督といえばのポップな味わいが薄れて、かなりしんみりしみじみ系な出来上がりになっていたのが、ちょっと意外というか残念だったかも。病気とか生活苦、老いらくの恋とか死とか、要素がシビアで暗い。冬のパリの街並みも、内容に合わせて鬱愁色に沈んでいた感じでした。それはそれで趣があるのですが、心憂くもなりました。
 群像劇はわりと好きなんだけど...ただ大勢わらわらバラバラなドラマを散りばめるのではなく、どこかで巧みに繋がってる手法が大事。それが、この映画はイマイチだった気もする。同じパリを舞台にした群像劇なら、「モンテーニュ通りのカフェ」のほうが、内容も人物設定も構成もすぐれているのではないでしょうか。
 キャストは、なかなか豪華でシブいです。
 ピエール役は、クラピッシュ監督の秘蔵っ子ロマン・デュリス

 ロマン、病人の役なので、いつも以上に顔色が悪く不健康そうだったでも、やっぱ可愛い目がキレイだなあ。諦念感&厭世感ある憂愁に、抱きしめたくなるほど胸キュン。いちだんと濃くなってる猿顔もいちだんと濃くなってる胸毛はダンスが上手なのには吃驚!「真夜中のピアニスト」でのピアノも腕前も凄かったし、ロマンって多才だなあ。ナイナイ岡村といい、多芸な猿男ってトレビアン
 エリーズ役は、ジュリエット・ビノシュ。アカデミー賞まで受賞したフランスの大女優とは思えぬほど、生活感ある庶民的な風貌です。もともと美貌で売ってた女優ではないので、あ~おばはんになったなあ~感は希薄。大人のクールさと優しさで弟を心配し見守る彼女の表情とか言動が、いかにも個人主義なフランス人らしくて素敵でした。美化されたベタベタしいお涙ちょうだい関係は苦手です。
 それはそうと。映画の中では(プライベートも)イケメンや男前を食ってばかりなJBさん、ロマンは弟役というのが幸いして?被害?を免れました
 知的だけどヘンなおぢさん、な役は天下一品、大学教授役のファブリス・ルキーニが、いちばん目立ってて美味しい役もらってたかも。パン屋のおばさん役のカリン・ヴィアールと、ファブリスおぢさんの弟役のフランソワ・クリュゼが、いい味だしてました。ファブリスおぢさんを魅了する女子大生役、メラニー・ロランが美しい!若いのにしっとりしてて色っぽい。あんだけ魅惑的な娘なら、おやぢとイケメンの二股かける姿も、何だか似合ってて絵になります。
 使われてた音楽が素敵で、選曲のセンスはさすがクラピッシュ監督。サントラが欲しくなりました。
 あ~あそこ行った~!通った~!と、パリ観光経験のある人なら思う場所も、いっぱい映ります。カタコンベにも行けばよかったな~と、私は軽く後悔。

 花の74年組(レオナルド・ディカプリオ、ブノワ・マジメル、クリスチャン・ベール、ダニエル・ウー、チュ・ジンモ、小澤征悦など)のロマン。30半ばになり、可愛さを保ちつつも大人の男っぽくなった彼の新作、パトリス・シェロー監督の“Persécution ”は、パトシェロ先生らしいgloomy loveワールド全開、しかも共演はシャルロット・ゲンズブール!ロマンとシャルロットなんて、何かとてつもなくオシャレなカップリングだわ。パトシェロ先生の筆頭愛弟子、ジャン・ユーグ・アングラードも出てるし、フランス映画ファンには無視できぬ作品です  
コメント (4)
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