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エドワード・ノートンとコリン・ファレルの競演作。この二人の顔合わせで日本未公開だなんて、ワタシ的には不可解かつ残念。よっぽどの駄作なのかな?と覚悟して観ましたが...
ニューヨークの刑事レイは、父も兄フランシスも義弟ジミーも同職者である警察官一家の次男。フランシスの部下4人が殺された事件の捜査に加わったレイは、やがて警察官の腐敗の事実にたどりつくが...
汚れた刑事、堕ちた警察官ドラマは枚挙にいとまなしでですが、この映画の悪徳警察官たちもホントひでぇ!と唖然となってしまうヤリたい放題ぶりです。権力をふりかざしての悪行ざんまい。命がけて市民を守ってやってんだ!安月給でやってられっか!ちょっとぐらい美味しい思いをしてもいいだろ!という言い訳、うう~ん。程度にもよるよ。おまわりさんの仕事、ほんと大変だと思う。たまのタダ食いタダ飲みぐらいなら、大目にみてあげたい。が、この映画のポリ公たちときたら。いくら何でも非道すぎる。暴力に強盗、殺人まで。おまえらが犯罪者じゃん!みたいな。野獣みたいな犯罪者と戦うためには、彼ら以上の野獣にならなきゃ任務は遂行できないだろうけど、一線を越えて自分たちまで退治されるべき野獣になっちゃうなんて、本末転倒すぎる。
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あまりにも非道な警察官たち。それに怒って暴徒と化す市民たち。銃弾が飛び交う日常に、うかつに路上も歩けない、コンビニにも入れない。ほとんど無法地帯なアメリカ、絶対に住めねー!という戦慄をあらたにしました。日本にも悪い警察官っているんだろうけど、あそこまで大っぴらに悪事は働けないよなあ。
ストーリーだけでなく、冬のニューヨークの陰鬱なムードとか、全体的に暗く重い映画なので、面白いアクションやサスペンスを期待すると、最後まで観るのがキツくなるかも。でも、駄作ではないと私は思うのですが。あまり必要ではないキャラや場面、逆に説明不足な部分も多々あるけど、それなりにハラハラもさせられたし、何よりも大好きなエドワード・ノートンとコリン・ファレルに会えただけで満足♪
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レイ役のエド、知的で優しそうだけど、決してモヤシみたいな草食系ではなく、ハードでシビアな男らしさもあって好き。苦悩しつつ誇り高く正義を貫くために闘うエド、硬派でカッコよかったです。脳みそいっぱい詰まってそうな秀でたオデコが素敵。
でも、せっかくのエドの演技力と魅力は、あまり活かされてなかったような。レイがあんまし有能じゃなかったから?いっそ長男フランシスを削って、その分レイのキャラを大きく深くすれば良かったのでは。
レイの妹の夫ジミー役のコリン、ますますゴツくなった、ていうか、もっさり太った?イケメン猿→男前ゴリラ→いかつい熊、と野獣ぶりが進化?してるコリンです。若いのに恰幅よすぎですが、相変わらず可愛い
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家まで押しかけてきたヤク売人を脅して追っ払う凄味や、アイロンで赤ちゃんを!
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知性派エドと野獣系コリンの異色コンビ、あまり絡まなかったのも残念ポイント。もっと濃密にガチンコ対決してほしかったです。
レイの父役はジョン・ヴォイト。映画の中の息子たちよりも、実娘アンジェリーナ・ジョリーのほうが扱いにくそうだなと苦笑。
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↑月9の東京犬より、こっちのほうがソソられるコンビだわさ