まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

龍刺青娘!

2012-03-02 | 北米映画 08~14
 こないだ久々に映画を観に行きました♪
 吹き替え版を映画館で観たのは初めて。好きなスターの声を聞けないのは、何だか損してるようで吹き替えは敬遠していたのでしたが、ツレのピーターが字幕版は絶対観ない奴なので(ゆとり世代なので、字幕を読むのがメンドい、もしくは漢字が読めない)、やむなく吹き替え版を。でも、思ってたほど違和感を覚えませんでした。確かに、字幕を追わなくていいのは楽ですね。
 上映時間を間違えたり、禁断症状で錯乱しかけたり。プチ認知症&ニコチン中毒者のコンビで、また面白そうな映画を観に行こうと思ってます。でもほんと、やっぱ映画は映画館で観るのが一番ですね。

 「ドラゴン・タトゥーの女」
 話題作をやっと観ることができました♪映画館で映画を観たのは、奇しくも同じデヴィッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」以来、約1年ぶり。
 スウェーデンの経済紙「ミレニアム」の記者ミカエルは、財界汚職事件を暴くが名誉棄損で敗訴する。窮地に陥ったミカエルに、財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリックが、40年前の親族の娘ハリエット失踪事件の再調査を依頼してくる。ヘンリックはハリエットが一族の誰かに殺されたと信じていた。調査助手が必要となったミカエルは、彼の身辺をヘンリックの依頼で完璧に調べ上げていた天才ハッカー、リスベットに白羽の矢を立てるが…
 期待通り、すごく面白かったです!こういう陰惨で血塗られたミステリー、大好きなので。庶民とは別世界なゴージャスで優雅な上流社会。そこは歪んだ欲望と愛憎にまみれていて…秘密や殺人の動機が陰湿かつ悲劇的であればあるほど、ときめき度やワクワク度も高まります。この映画も、殺人と人間関係がかなりエゲツなくて満足♪でしたが、真相が最近のチープな猟奇サイコものに近かったのが少し残念でした。変態き○がいものよりも、「犬神家の一族」みたいなドロドロした骨肉の争いもののほうが、濃厚で怖いし。
 舞台がスウェーデンだったというのも、ドロドロしさを薄めていたのかもしれません。吹きすさぶ吹雪の冷たさ激しさが、怒涛のミステリー展開を盛り上げる。極寒や積雪とは縁のない、開放的で温かい街に住んでいる者としては、あの雪に閉ざされた世界は見てるだけで息苦しくなる白い地獄でした。あんなところにいたら、頭もおかしくなるよと変な納得も。
 ミステリーは、映画も小説も主にイギリスの作品を楽しんでいるので、スウェーデンの土地名や人名が新鮮でした。なじみがないのでなかなか覚えられず、え?誰のことだっけ?と、ちょっと戸惑いもしましたが。
 私は頭が悪いのに、こーいう映画やドラマの真相や犯人は、すぐに解かってしまうんですよねえ。ハリエットの秘密も、あの人物が登場した瞬間に、あっそーいうことか!だったし。犯人も比較的早く発見しちゃった。ご覧になった方々、その点はいかがでしたか?
 ミカエルに友情と信頼を抱くようになったリスベットの、孤独と不器用さがビタースウィートだったラストも良かったです。
 主役二人の好演とインパクトも、この映画の魅力のひとつです。

 ミカエル役は、007のジェームズ・ボンドことダニエル・クレイグ。ボンドとは大違いな“フツーの人” ぶりに、返って驚嘆。ボンドならここで!な華麗なる見せ場なんかなし。ボンドなら絶対やらかさないドヂっぷりが、何か可愛かったです。銃撃されて軽傷、痛い痛い~と半べそ顔とか。後半、忍びこんだ容疑者の家から逃走、でも庭でスベって容疑者に見つかり、散歩中です♪とごまかすけどバレバレな様子とか。リスベットに迫られてタジタジ、でもヤることはヤるスケベさも笑えた。中年おやじ役なので、増量したのでしょうか、ちょっと崩れ気味の裸もご愛嬌でした。記者がボンドみたいに筋肉質バディじゃ変だもんね。フツーのおっさんな外見を巧く作り出してたダニクレさんですが、やっぱすげーオシャレなんですよね。カジュアルだけど品があって。ジーパンはくと目立つプリっとした小尻がキュートでした。
 この映画の主役は完全に完璧に、白い地獄に舞い降りた黒い天使リスベット役、ルーニー・マーラでした。

 まず、見た目が強烈。マネはできないけど、スタイリッシュなゴス系ファッションがカッコいい。オートバイをかっ飛ばす姿もカッコいい。暗い悲しみと、誰にも屈しない強さを併せ持つキャラもカッコいい。自分に害をなす者に対してはいくらでも冷酷に攻撃的になれるけど、心を許した者には静かに忠実に尽くすリスベット。敵に回したら怖すぎるけど、味方につけたらこれほど頼もしい女はいない。そんな映画史上に残るだろうダークヒロインを、過激かつ繊細に演じていてるマーラちゃん。大胆で潔い脱ぎっぷり、腹が減った感覚で貪るセックス、病んでるけど時おり見せる寂しげな可憐さ、あどけなさも印象に残りました。たま~に、アンガールズの山根に見えたけど(笑)。レイプシーンが目を覆いたくなる惨さでしたが、百倍にしてやり返すリスベットが痛快でした。あのレイプシーンを筆頭に、日本のユルい女優じゃ絶対できない激烈演技。マーラちゃんの女優魂に敬服するばかりです。
 デヴィッド・フンチャー監督独特の、重欝だけど疾走感ある演出、暗いけど清冽さがある映像美、今回も冴えてました。「ソーシャル・ネットワーク」同様、畳み掛けるような展開で魅せる編集が秀逸でした。
 スウェーデンのオリジナル版3部作、スカパーで放送されるので楽しみです。ハリウッド版も、シリーズ化されるのでしょうか?ダニエル・クレイグ&ルーニー・マーラのコンビと再会したいものです。
 
 
コメント (3)
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