まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

浪漫の舞台

2012-03-15 | フランス、ベルギー映画
 人間関係って、どんなに年齢を重ねても難しいまま…
 アフターファイブ、金本兄貴似の後輩Kくんと、ドラミちゃん似のNちゃんから、カラオケに行きましょうと突然誘われました。カラオケの後は、Nちゃんの部屋で鍋する計画。基本プライベートはヒマ人な私は、行くイく~っと、いつものように下ネタまじりに二つ返事で快諾しました。
 その直後、違う部署のピーターが、パソコンちょっと貸してください♪と入ってきました。私は何の気なしに、ピーターも来る?と誘いました。だって、明らかに今から遊びに行くって雰囲気だったから、ピーターにだけハイお疲れ様、バイバイ!なんて言えなかった。
 え~僕も行っていいんですか~♪とニコニコなピーターに、Kくんは軽く狼狽、Nちゃんは無表情。ん?とは思いつつ、深く考えないですっかりその場を仕切り、3人を率いてカラオケへGO!した私。でも…いつものようにガンガン歌うムードじゃない。KくんとNちゃんは何かテンション低いし、ピーターまで柄にもなく遠慮がちなのだった…
 続く。

 「モリエール 恋こそ喜劇」
 17世紀のフランス。俳優兼劇作家の青年モリエールは、主催する劇団が破産し投獄されてしまう。モリエールを救い出した金持ちの商人ジュルダンは、社交界の華であるセリメール公爵夫人の気を惹くため一人芝居自演を企画、モリエールに演技指南を要求するが…
 同じ偉大なる劇作家でも、イギリスのシェイクスピアに比べると、フランスのモリエールは名前は知ってるけど作品は???な私です。この映画は、モリエールの人生を描いたものではなく、彼が作品のネタにした若かりし頃の体験や恋愛を描いたコメディです。まったくのフィクション、創作なんでしょうけど、こういうエピソードを思いつく想像力&創造力の豊かさが素敵ですね。
 ドタバタコメディあり、ロマンスありと、フランス映画って何かかったるいので苦手~な方でも、楽しめる内容だと思います。フランス版「恋に落ちたシェイクスピア」っぽいかも(ジュルダン一家のテンヤワンヤは、ちょっと吉本新喜劇調?)。17世紀のフランスのファッションや邸宅やインテリア、庭園の美しさも目を楽しませてくれます。私もあんなドレス着て大勢の召使にかしずかれて優雅に暮らしてみたいなあ。つっても、あんなドレス動きにくそうだし(トイレが大変そう!)、使用人だらけでプライバシーも保てないから、窮屈で安らげないだろうけど。
 モリエールの作品に馴染みがあったら、もっと楽しめたかもしれません。ジュルダンやセリメール夫人とのやりとりを見て、ああ、これがあの作品の元ネタなんだな、とニヤリとできたでしょうから。おバカな喜劇なんか書きたくない!俺が書きたいのは芸術的な悲劇なんだ!と悩んだり意気込んだりするモリエールですが…人を泣かせることりも、笑わせることのほうが難しいのでは。人に幸せなひと時を与えることのできる笑いのほうが、高尚な悲劇よりも私からしたらレベルが高く思われます。人間そひて人生の悲しみや痛みを深く知らないと、心の琴線に触れる笑いは生み出せないでしょうし。この映画でモリエールが体験したのは、ちょっと切ないロマンスと上流社会のノーテンキな堕落ぶりぐらいだったけど。

 あと、フランス上流社会でのコミュニケーションが怖い。パトリス・ルコント監督の「リディキュール」でも描かれてたけど、会話が即興のエスプリ合戦で、気のきいたやりとりができないと負け、バカ扱いされ仲間はずれにされる。頭の回転の遅い私なんか、ぜったい仲間には入れない。でも、サラっと気のきいた面白いことが言える人って、ホント尊敬する。私もそうなりたい。
 この映画を観たのは、もちろんモリエール役のロマン・デュリスに逢いたかったからさ♪
 久々に見たロマン、相変わらず猿っぽくて可愛かったです。髪型がピースの又吉コメディ演技も、積極的に派手にバカやってるのではなく、何でこんなことになるんだよ?!あーあ仕方ねえなあ、みたいな、周囲に無理やり引っ張られて不承不承おバカやらざる得ない、みたいな被害者的おバカ演技にクスっ。舞台の上や、ジュルダン相手に演技指導してる時のアホパフォーマンスも笑える。笑顔も大安売りじゃなく、暗く沈んだ顔がたまにフワっと笑顔に変わるのがキュート。暗いけど美しい瞳もロマンの魅力のひとつです。どの映画のロマンもなんだけど、思いつめてる時や相手をじ~っと見つめてる時の、暗~い熱を帯びて輝いてる黒い瞳、美しすぎて怖い。時代劇コスチュームも、ロマンが身にまとうと何かモダンなオシャレさが。黒いブーツとかカッコよかったわ。
 もう一人の主役といっていいジュルダン役、ファブリス・ルキーニもさすがの好演。ロマンとは、セドリック・クラピッシュ監督の「PARIS」でも共演してましたね。紳士だけどちょっとヘンなおぢさん役が十八番なルキーニ氏、今回もマジメにトボけた色ボケ中年男ぶりが笑えました。貧乏貴族(超調子がよくてセコいキャラで笑える)に騙されて金をセビリとられるジュルダンの人のよさも、他の俳優ならイライラするだけかもしれないけど、ルキーニおじさんの妙演で微笑ましく思えました。笑撃の女装も披露。それにしてもフランス男って、時代劇でも現代劇でも、老いも若きも、ほんと恋愛主義、恋愛体質なんですね。私はあんなにエネルギーを恋愛に費やせません。
 セリメール公爵夫人役のリィディヴィーヌ・サニエ、小悪魔な可愛さでしたが、女子大生とか小間使いが中年男たちを翻弄するって設定ならピッタリだけど、退屈をもてあましている貴族のマダム役には、健康的で明るくて若すぎて可愛いすぎ。もっとアンニュイで性悪っぽい熟女女優のほうが、あの役には向いてたのでは。

↑ロマンかっちょE~「真夜中のピアニスト」また観たくなってきた。「ドーベルマン」とか「キッドナッパー」とかの、放送禁止的激ヤバき○がい小僧なロマンも好きだったな~

 次回から、春一番!お松の男前邦画映画祭がスタート♪さて、どんなイケメンや男前が登場しますことやら。乞うご期待
 
 
 
コメント (2)
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