お松の第6回男前邦画映画祭③
「パラダイス・キス」
有名進学校に通う女子高生の紫は、母親の言いなりになって学校と塾を往復するだけの毎日に閉塞感を感じていた。そんな中、紫は“パラダイス・キス”というブランドを立ち上げ、世界的名声を夢見るデザイン学校の生徒たちから、ファッションショーで自分たちが発表する服のモデルにとスカウトされる。困惑する紫だが、パラダイス・キスを率いる天才的デザイナー、小泉ジョージに強く惹かれ始め…
あうう…無謀でしたわしみたいな年寄りが観る映画じゃなかった。乙女時代に観てれば、苦痛や辟易感は覚えなかったかも?いや、乙女だった頃でもたぶん…
若者が夢に向かって一生懸命頑張る、という話は嫌いじゃないのですが、紫を筆頭にデザイナーの卵たちがチャラチャラしすぎというか、応援したくなるような姿を、ぜんぜん見せてくれない。ファッション業界にもあるはずの現実の厳しさとか、それにぶつかって悩んだり闘ったりする若者のサクセスストーリーだったら、まだ楽しめたかもしれません。
説得力のある説明もなく、何の脈略もなく、女子高生が金持ちのイケメンに才能があると見いだされて華やかでリッチな世界でお姫様体験して、努力も悩みもなくトップモデルになるといった、ほとんどファンタジーのような内容にどうやって共感や感動をすればいいのか。シンデレラストーリーも、シンデレラがものすごい苦境にあって、屋根裏のネズミにも優しいかったから、王子様に救われてホっとし、玉の輿に乗ってもヤッカミなどなくハッピーエンドを受け入れることができるのですが、紫はなぁ。彼女の境遇って、ただ単に主体性がなくて好きな男が振り向かないという欲求不満でイライラしてるってだけのレベルだし、生活にも何の不自由もない、美人で頭が良い設定だから、何も才能や王子様までゲットしなくてもいいじゃん!とやっかんでしまう。おまけに誰に対してもケンカ腰な好戦的態度で、しかも彼女には他の誰かのために悩んだり泣いたりする優しさがなく、常に自己中心的。ちょっと痛い目に遭えばいいのに、とさえ思ってしまう小娘だったのが残念だった。
でも、痛い目にも遭わず、アレヨアレヨとトントン拍子でモデルの才能を開花させ、ついには富と名声とイケメンも手中に収めるという、挫折知らず苦労知らずの勝ち組ヒロインな紫。実際にも、こんな人いるんだろうから、世の中って不平等で理不尽。負け組代表みたいな私からすると、胸キュンどころ胸糞わるくなる。才能がある人だって、もっと努力や苦労はしてるでしょ。
劇中のファッションもなあ。私が年寄りだからでしょうけど、ぜんぜん着てみたいと思う服が出てこなかった。まあ、着たら完全に気が狂った人扱いされるでしょうけど(笑)。ジョージがデザインした服って、いったいどこに着ていく服なのかしらん。仮装パーティ?
紫役の北川景子、美人だしブリッコじゃないサバサバ感があって、わりと好きな女優なんですけど…ケバすぎて名門進学校に通う高校生に見えん!制服姿も、何だかコスプレ中のキャバ嬢みたいだった。めちゃくちゃ気が強そうで行動力がありそうなので、母親に黙って服従とか男に片想いとか、おまえならしないだろ~と思わずにはいられなかった。モデルになる前から、ばっちりモデルメイク。初めてモデルになった時の、とても初めてとは思えないような、カメラに向かってのドヤ顔&ドヤポーズがギャグみたいで笑えた。あと、ジョージのデザインした服を着てる時の彼女は、まるで夜の路上の娼婦だった。彼女が通う高校、都内でも有数の名門進学校のはずなのに、景子ちゃんを含め誰ひとりそれらしき生徒がいなかったのが不思議で笑えた。紫が恋する同級生の男の子が、優しい爽やかな優等生なはずなのに、ゴリラみたいな顔のヤンキーだったのも???だった。
天才デザイナーの小泉ジョージ役は、向井理この映画を観たのは、彼に逢いたかったから、それだけ。なんてことは言うまでもないでしょうか
おさむっち、やっぱカッコいいですね~顔が極小、手足はスラリと長く、身体つきはしなやかで…デザイナーといいうより、モデルみたいな理にウットリ。でもモデルみたいな中性的っぽさがなく、ほんのりと男の色香があるところが素敵。だ・が。ぶっちゃけちゃうと、今まで見た理の中では、最も萌えなかったのも事実。いつもはどんな役でも超おしゃれに見える理なのに…おさむっちには、オダギリジョーみたいな服は似合いません。フツーっぽさの中にキラリと光る、さりげなく上品なおさむっちのほうがオシャレに見えます。向井理がカリスマ天才デザイナーに見えず、お金持ちの俺さま坊ちゃんか傲慢なホストにしか見えなかったのは、彼の演技力の問題もあるんだろうけど、やっぱ彼に謎めいたゲイっぽさが皆無なせいでもある。だって世界の超一流男性デザイナーって、みんなエキセントリックなゲイ(もしくはバイ)だもんね。以前、彼が太宰治を演じてた時も思ったけど、芸術家っぽい荒廃とか退廃の匂いが出せてないんですよね。クールで頭が良さそうでバカなことは絶対しそうにないムカイリーには、才能ゆえに破滅もいとわないような職業の役は似合わない、ていうか、無理かも。
「パラダイス・キス」
有名進学校に通う女子高生の紫は、母親の言いなりになって学校と塾を往復するだけの毎日に閉塞感を感じていた。そんな中、紫は“パラダイス・キス”というブランドを立ち上げ、世界的名声を夢見るデザイン学校の生徒たちから、ファッションショーで自分たちが発表する服のモデルにとスカウトされる。困惑する紫だが、パラダイス・キスを率いる天才的デザイナー、小泉ジョージに強く惹かれ始め…
あうう…無謀でしたわしみたいな年寄りが観る映画じゃなかった。乙女時代に観てれば、苦痛や辟易感は覚えなかったかも?いや、乙女だった頃でもたぶん…
若者が夢に向かって一生懸命頑張る、という話は嫌いじゃないのですが、紫を筆頭にデザイナーの卵たちがチャラチャラしすぎというか、応援したくなるような姿を、ぜんぜん見せてくれない。ファッション業界にもあるはずの現実の厳しさとか、それにぶつかって悩んだり闘ったりする若者のサクセスストーリーだったら、まだ楽しめたかもしれません。
説得力のある説明もなく、何の脈略もなく、女子高生が金持ちのイケメンに才能があると見いだされて華やかでリッチな世界でお姫様体験して、努力も悩みもなくトップモデルになるといった、ほとんどファンタジーのような内容にどうやって共感や感動をすればいいのか。シンデレラストーリーも、シンデレラがものすごい苦境にあって、屋根裏のネズミにも優しいかったから、王子様に救われてホっとし、玉の輿に乗ってもヤッカミなどなくハッピーエンドを受け入れることができるのですが、紫はなぁ。彼女の境遇って、ただ単に主体性がなくて好きな男が振り向かないという欲求不満でイライラしてるってだけのレベルだし、生活にも何の不自由もない、美人で頭が良い設定だから、何も才能や王子様までゲットしなくてもいいじゃん!とやっかんでしまう。おまけに誰に対してもケンカ腰な好戦的態度で、しかも彼女には他の誰かのために悩んだり泣いたりする優しさがなく、常に自己中心的。ちょっと痛い目に遭えばいいのに、とさえ思ってしまう小娘だったのが残念だった。
でも、痛い目にも遭わず、アレヨアレヨとトントン拍子でモデルの才能を開花させ、ついには富と名声とイケメンも手中に収めるという、挫折知らず苦労知らずの勝ち組ヒロインな紫。実際にも、こんな人いるんだろうから、世の中って不平等で理不尽。負け組代表みたいな私からすると、胸キュンどころ胸糞わるくなる。才能がある人だって、もっと努力や苦労はしてるでしょ。
劇中のファッションもなあ。私が年寄りだからでしょうけど、ぜんぜん着てみたいと思う服が出てこなかった。まあ、着たら完全に気が狂った人扱いされるでしょうけど(笑)。ジョージがデザインした服って、いったいどこに着ていく服なのかしらん。仮装パーティ?
紫役の北川景子、美人だしブリッコじゃないサバサバ感があって、わりと好きな女優なんですけど…ケバすぎて名門進学校に通う高校生に見えん!制服姿も、何だかコスプレ中のキャバ嬢みたいだった。めちゃくちゃ気が強そうで行動力がありそうなので、母親に黙って服従とか男に片想いとか、おまえならしないだろ~と思わずにはいられなかった。モデルになる前から、ばっちりモデルメイク。初めてモデルになった時の、とても初めてとは思えないような、カメラに向かってのドヤ顔&ドヤポーズがギャグみたいで笑えた。あと、ジョージのデザインした服を着てる時の彼女は、まるで夜の路上の娼婦だった。彼女が通う高校、都内でも有数の名門進学校のはずなのに、景子ちゃんを含め誰ひとりそれらしき生徒がいなかったのが不思議で笑えた。紫が恋する同級生の男の子が、優しい爽やかな優等生なはずなのに、ゴリラみたいな顔のヤンキーだったのも???だった。
天才デザイナーの小泉ジョージ役は、向井理この映画を観たのは、彼に逢いたかったから、それだけ。なんてことは言うまでもないでしょうか
おさむっち、やっぱカッコいいですね~顔が極小、手足はスラリと長く、身体つきはしなやかで…デザイナーといいうより、モデルみたいな理にウットリ。でもモデルみたいな中性的っぽさがなく、ほんのりと男の色香があるところが素敵。だ・が。ぶっちゃけちゃうと、今まで見た理の中では、最も萌えなかったのも事実。いつもはどんな役でも超おしゃれに見える理なのに…おさむっちには、オダギリジョーみたいな服は似合いません。フツーっぽさの中にキラリと光る、さりげなく上品なおさむっちのほうがオシャレに見えます。向井理がカリスマ天才デザイナーに見えず、お金持ちの俺さま坊ちゃんか傲慢なホストにしか見えなかったのは、彼の演技力の問題もあるんだろうけど、やっぱ彼に謎めいたゲイっぽさが皆無なせいでもある。だって世界の超一流男性デザイナーって、みんなエキセントリックなゲイ(もしくはバイ)だもんね。以前、彼が太宰治を演じてた時も思ったけど、芸術家っぽい荒廃とか退廃の匂いが出せてないんですよね。クールで頭が良さそうでバカなことは絶対しそうにないムカイリーには、才能ゆえに破滅もいとわないような職業の役は似合わない、ていうか、無理かも。